32話:大正×対称アリス/Primula 乙女ゲーの本気を見た
月姫が発売されましたね! みなさんゲットしました?
東京ニートといえばSwitchを持っていないので「月姫……ぐぬぬ……」と言っておりましたが、Twitterで「もうすぐ誕生日だなあ。関係ないけどSwitch欲しいなあ(チラチラ)」とやっていましたら、なんと「liteなら売ります」という方が現れたので買わせていただくことにしました。これでゲームの幅がまた広がりましたね。まずはゲロカス買おうと思います!
Switchは乙女ゲーのハードです
美少女ゲームはR18が多いですが、乙女ゲームはそもそも全年齢対象や15歳以上対象が多いようで、Switchにたくさんソフトがあるみたいです。なのでSwitchは乙女ゲームのハードといっても過言ではないんですよ。
それで、私が乙女ゲーム2作目としてPCでプレイした「大正×対称アリス」(以下、対アリ)は、ぜひエロゲプレイヤーにもプレイしていただきたい名作だったので感想を置いておきます。
こんな話です。
DVD-Rを4枚買いました(爆笑)
ちょっと見てください。マジで意味がわからないんですけど。
リメイクが出たばかりの「パルフェ」。……の初期版をなぜか最近買ってみましたが、それを開けて笑ったのがディスク3つ入ってたこと。むかしFF8をしたときに4枚組だったことを思い出しました。
でも仕方ないんですよ、パルフェは2005年発売だし、FF8は1999年のゲームだから。CD-R時代でスペックが足りてなかったんですから。でもね、対アリの発売は2015年です。なんで!? なんで分けたんか!?(ちなみに分けたくない人のためにオールインワンも販売されています。Switch等で)
乙女ゲーの師匠に「好き嫌いがあると思うからとりあえず1つやってみて、好きだったら続き買ってみたらどうですか」と言われたのでこちらを買いました。試しプレイのような感覚でやるなら、私のように1枚から購入してみても良いと思いますが、どうせ全部やるなら割高になります。
シナリオ重視エロゲーマーにオススメ
私はエロゲ畑からちょっと乙女ゲーに出向しているタイプなのですが、この乙女ゲーは全然メンズもいけると思います。以下、対アリの特徴。
>記憶喪失のヒロインが、鏡の国に飛び込んで「王子様」を救う話。
所詮カウンセリングゲームです。「あなたを救います」ってヒロイン言っちゃってます。エロゲでは同じことをしても、面と向かっては言わないですよね。ヒロインの頭の良さも読んでいて気持ちいいです。
>王子様はそれぞれ、シンデレラ、赤ずきん、かぐや、グレーテル、白雪という名前。それぞれの名前の物語をモチーフに、話が進みます。
これが素晴らしかったのです! なぞらえ方の切り口がスゴかった。下の方でも少し詳しめに説明します。これで私はハマりました。
>ヒロインがルー大柴みたいな喋り方。
好き嫌いが分かれるのはここらしいです。うざい人はうざいと思うけど、私はうけると思って読んでました。でもこれにも意味があるので、頑張って耐えてくださいね。
>ヒロインに厳しめな男が出てきて爽快
ヒロインは王子様にまるで姫のように扱われますが、口の悪い男が出てきてなじっている部分もあるので、「はあ。かわいければなんでもアリですよね」みたいに萎えることなく読めました。
>セリフの掛け合いがうまい
乙女ゲームでこれが見られるとは思いませんでした、嬉しい。昔のエロゲみたいなくどい言い回しではなく、なかなかよかったです。
では、1〜4のディスクそれぞれについて語りましょう。長くならないように簡潔に書きますね。
episode1「シンデレラ編」「赤ずきん編」
まずは赤ずきんから。めっちゃうぶでエッチ系の話が苦手。いちばんヒロインでした。笑
赤ずきんはとある理由で人に顔を見られることをきらい、常に赤い頭巾をかぶっています。
シンデレラはイケメンの頼れるお兄さん。ちょっとエスっ気ある感じ。
ガラスの靴と、つがいの恋教鳥をかけた話が、よく思いつくなと拍手でした。
このふたつのシナリオでは、赤ずきんは己の弱さとトラウマに向き合い、シンデレラは虚栄心をほぐしていきます。入りとして読みやすく感動する話でした。
episode2「かぐや編」「グレーテル編」
からの2がひどかったわ。大爆笑だよ。なぜなら急にエググロなシナリオ展開が待っているからです。笑
1のほんわかストーリーで油断していたプレイヤーの心を絶対殺すというやり口は嫌いじゃないです。
かぐやはふわふわした関西弁の人たらしイケメン。
正直、めちゃくちゃ私の好きなタイプ。傾奇者。ヒロインとは出会って5秒で付き合い、交換日記とかしちゃいます。
記憶を失い、ヒロインの働くカフェに来たかぐやのもとに、私こそが彼女だという女たちが乗り込んできます。女たちのキャットファイトが起きる中、「思い出の品を持ってきて思い出させた人が優勝」という、かぐや姫のストーリーをなぞらえたシナリオも展開。でもこれよりも、「月に帰る」を比喩にした話が重かった。
グレーテルはちょっと生意気な年下のスイーツ男子。
うるせえよ(笑)。
かぐやはドチャクソメンヘラ、弟もサイコパスシスコンで酷かったですが、重めの話が好きなエロゲクラスタは大好物でしょう。問題なし。
episode3「白雪編」「魔法使い編」
さて、ここから少しずつ全貌が見えてきます。
一応メンズたちは使い回し……じゃなくてパラレルワールドという感じで、王子様が変わるたびに役割が兄になったり婚約者になったり友人、従者、弟など変化があり、物語の名脇役として出てきていますよ。
白雪くんは、物静かで聡明なミステリアス王子。
ヒロインも「王子♡」って呼んでいました。明確には書いていませんでしたが、おそらくアルビノ。
そしてストーリーテラーの魔法使いさん。
裏方の彼ですらヒロインは救おうとします。
白雪くんはグロい物語を抱えて凄惨でしたが、ハッピーエンドに導かれました。そして魔法使いにも抱える思いがあったというところはおもしろかったです。
epilogue「アリス編」
ヒロインの対の存在。そして私が大好きなドSのアリスくん♡ の謎を解く回。
CVは松岡禎丞さんという、鬼滅の猪や「カオスチャイルド」主人公の声を当てている人ですが、めちゃくちゃうまいです。乙女ゲーは声が豪華なのがいいですね。エッチ展開を封印しただけの満足度は感じます。
epilogueは一本道で、最後に「大正×対称」の意味も明かされました。「え、あるんだ、意味」と思いました。いや、そりゃあもちろんあるのだろうけど。ただね、4枚組でゲームをやっていけば、きっとどこかのタイミングで残念さを感じると思っていたんです。けれどどれを取っても期待はずれなんてなく、最初から最後までおもしろくて、風呂敷のたたみ方も見事で。もう十分だよ……と思っていたらちゃんとタイトルまで回収するから、感心するばかりでした。
こちらがOPムービー。挿入歌も良かったです。
大正×対称アリスで学べたこと
「このシナリオがすごい東京ニート賞受賞」ってところかな! 勝手にすみません!
何度も言うけど私はエロゲ畑の人間で、乙女ゲームのシナリオは正直なめていました。でもこれは、本当に作りがおもしろくて。出会えて良かったなと思いました。
ただ、泣けなかったなというのはあるかなー。エロゲみたいな男泣きとか、縋るように泣くヒロイン!みたいな演出がなくて、泣くために読むのとは違うかなーという感じです。
さて、久しぶりに更新させていただきましたが、今は前に酷評していた(笑)バースデイをまた読み直しています。結局好きなんですよね。笑 好きだからこその酷評を許して。ではまた!
乙女ゲーム大好きになったチョロイン東京ニート的評価「大正×対称アリス」S
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