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季節性インフルエンザとの同時流行が懸念される冬に備えて-都民アンケート結果から(2)

こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。
2回にわたり、都民アンケート調査の結果をお届けしています。第1回では、感染防止対策の現在の取組状況と今後の姿勢について述べました。

この第2回では、新型コロナワクチンの接種意向や、発熱時の不安などの意識について見てみたいと思います。

まずは「あなたは、新型コロナワクチンの接種を受けましたか。」と質問しました。その結果が下の図です。

スライド5

これまでに多くの都民がワクチン接種をしていて、3回以上接種した人は7割を超えています。1回または2回接種した人は1割を超えています。
一方、接種を強く躊躇する人も1割程度います。

「まだ接種しておらず、今後もおそらく接種しない」「まだ接種しておらず、今後も絶対に接種しない」「まだ接種しておらず、今後どうするかわからない」と答えた人に、その理由をたずねました。結果は次のスライドのとおりでした。

スライド6

まだ1度も接種しておらず接種を躊躇する理由(複数回答)としては、「新型コロナワクチンの副反応が心配だから」「新型コロナワクチンの効果に疑問があるから」「新型コロナワクチンの重篤な健康被害が心配だから」が上位にあがっています。

3回目のワクチン接種は昨年12月から開始されたわけですが、現在なお1~2回接種に留まっている人は、今回の調査回答者全体の12%(123人)います。その方々に、「3回目の接種についてどう考えるか」をたずねました。その結果は次のグラフのとおりです。

スライド7

1回あるいは2回は接種したにもかかわらず、現時点で3回目接種をしていない人のうち、「なるべく早く接種したい」、「急がないが接種したい」との意向をもつ人は3割弱で、「おそらく接種しない」・「絶対に接種しない」の6割弱がその割合を上回っています。「分からない」との回答も1割を超えています。

では、1回目・2回目は接種しながらも3回目接種を躊躇する理由はどういったものでしょうか。下の図をご覧ください。

スライド8

3回目の接種をしない理由(複数回答)としてもっとも多かったのが、「1回目、2回目のワクチン接種の後の副反応がつらかったから」となっていました。次いで、「効果への疑問」、「副反応の心配」、「ワクチンの健康被害」、「感染しても重症化しないと思う」が上位にあがっています。

接種率をさらに高めるうえでは、3回目接種の効果をあらためて伝えるとともに、接種後の副反応への対応等についての情報を発し、都民の接種についての意思決定を支援する必要があると思われます。

すでに「3回」接種した人は、今回の調査回答者全体の約5割(484人)でした。そのかたがたに「新型コロナワクチンの4回目接種についてどう考えるか」をたずねました。

スライド9

その結果、すでに3回接種した人のうち、4回目の接種について「なるべく早く接種したい」、「急がないが接種したい」と答えた方の合計は約7 割となっています。「おそらく接種しない」「絶対に接種しない」の合計16.4%を大きく上回っています。

4回目接種意向をもつ人たちがスムーズに接種できるよう、引き続き接種体制の整備や情報発信を行うとともに、4回目接種を躊躇している人たちには、引き続きワクチン接種の効果と副反応等について分かりやすく周知していくことが求められます。


こちらは、新型コロナに関しての気持ちについてたずねた結果です

スライド10

「発熱した場合に、適切な治療を受けられるかどうか不安だ」「新型コロナに感染した場合に、適切な治療を受けられるかどうか不安だ」「新型コロナの後遺症になった場合に、適切な治療を受けられるかどうかが不安だ」とする回答が6 割前後になっています。「インフルエンザになった場合」にも45 %の人が不安を感じており、多くの都民が不安を感じていることが分かります。

この冬は新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行も懸念されています。都民に対して、発熱などあった場合に「自分はどこにどう相談すればよいのか」「どう対処すればよいのか」についての分かりやすい情報発信を行う必要があります。それととともに、冬の流行時に備えて、検査キットや解熱鎮痛薬、食料品を準備する等、都民が自主的に取り組むべきことがらを具体的に周知することも必要です。

さらに、「新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えて、インフルエンザワクチン接種も促進すべき」とする回答、また「オミクロン株対応のワクチンを接種したい」とする回答は5 割程度となっています。これら2項目の回答のあいだには強い正の相関が見られます。
同時接種も含めて、インフルエンザと新型コロナのワクチン接種への希望に応えるさらなる接種体制の整備が必要
であると考えられます。


ここまで、今回の都民アンケート調査の結果からは、

○ 新型コロナワクチンについて、現時点において未接種であり今後の接種も躊躇する人が1割いる一方で、多くの都民がすでに接種をしていること

○ 昨年12月から3回目のワクチン接種が進められてきた中、1回あるいは2回は接種しながらも現時点で3回目接種を躊躇する人がおり、その理由で最も多いのは「1回目、2回目のワクチン接種の後の副反応がつらかったから」であること

 発熱などがあった場合への不安を感じる都民は多く、相談・対処をどうすればよいかや、冬の流行時に備えて都民が自主的に取り組む内容について周知する必要があること

○ 新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えたワクチン接種促進を望む声が多く、インフルエンザと新型コロナのワクチン接種への希望に応えるさらなる接種体制の整備が必要であること

が分かりました。

以上、2回にわたり、都民アンケートの結果をお示ししました。

都民のみなさんの感染防止対策の実際、またワクチンや感染状況への意識等についての理解を深めることができました。この結果は、今後の情報発信や体制整備に生かしていきたいと思います。

ご協力くださった回答者のみなさまに感謝いたします。

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