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流行から3年近く。都民の感染防止対策の現在とこれから-都民アンケート結果から(1)

こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。

新型コロナウイルス感染症の流行から3年近くが経ちました。
これまでで最も大きな波であった第7波がようやく落ち着いたものの、この冬は第8波だけでなく、季節性インフルエンザとの同時流行も懸念されるなど、引き続き対策が必要となっています。

こういった状況のなか、都民のみなさんは新型コロナの感染状況やワクチンに対してどのような意識をもち、またどのような感染防止対策をとっているのでしょうか。リスコミチームでは都民アンケート調査を実施しました。

調査の概要は次の図のとおりです。調査対象は東京都在住の20代~70代の都民とし、年齢構成を東京都の人口比率に合わせた割当抽出を行いました。調査期間は2022年10月1日〜同年同月3日、有効回収票数は1,000です。


アンケートを行った時点での感染状況を確認するために、このアンケートの実施直前に行われた、9 月30 日の第103 回モニタリング会議 の報告を見ておきましょう。この会議で報告された感染状況・医療提供体制の分析の総括は、それぞれ以下のとおりでした。

■感染状況:「橙色」(赤・橙・黄・緑からなる4段階のうえから2番目)。
総括コメント「感染状況は拡大傾向にないが、警戒が必要である」(新規陽性者数の増加比は継続して100%を下回っている。今週の新規陽性者数は、連休中の検査数の減少等の影響を受けた数値となっており、その評価には注意が必要である。)

■医療提供体制:「黄色」(4段階のうえから3番目)。
総括コメント「通常の医療との両立が可能な状況である」(入院患者数は減少し、オミクロン株の特性を踏まえた重症患者数も減少している。通常医療との両立を可能とするために、病床を柔軟に活用する必要がある。)

こうした状況下で、都民の皆さんはどのように感じていたのでしょう。

ではアンケートの結果です。
現時点での感染防止対策の取組状況について
質問したところ、下の図のような回答結果となりました。

スライド2

「マスクの着用」と「手指衛生」は約9 割「体調不良時の出勤や外出をひかえる」や「密を避ける」、「大人数での食事を控える」といった項目では約8割の人が「気をつけている」と回答しています。
「夜間の外出をひかえる」および「県境またぎの移動をひかえる」では実施割合は約55 %です。2022年3月調査 と比べると15 %程度減少しています。

新型コロナの流行から3年近く経った時点で、総じて、多くの都民が徐々に日常生活を取り戻しつつも、基本的感染防止対策を続けていることが分かります。

次に、「この冬」はどうかをたずねた結果についてです。

スライド3

「屋内でのマスク着用」、「部屋の換気」、「三密の回避」は7 割の人が続けるつもりと回答し、「外食や会食」、「旅行やレジャー」、「イベント参加」、「運動やスポーツ」を「増やす」と3割の人が回答しています。

都民のみなさんが、外食や旅行などの機会を増やすことを楽しみにしつつも、この冬も、マスク着用や換気など基本的感染防止対策を継続する慎重な姿勢が見て取れます。

次に、「さらに将来」のことを聞きました。

スライド4

新型コロナウイルス感染症の流行に関わらず今後も定着してほしいものをたずねたところ、流行前からあった「手洗いや手指消毒」、「体調不良時の出勤や外出をひかえる」だけでなく、新型コロナ流行下で特に促進された「部屋の換気」、「3密回避」、「ソーシャルディスタンス」、「マスクの着用」、「少人数での会食」の定着を希望する声が高い結果となりました。

さらには、新型コロナ流行下で本格化したライフスタイルである「時差通勤、時差通学」、「テレワークやオンライン会議、オンライン学習」、「オンラインを活用したコミュニケーション」といった新たな働き方・学び方の形態が定着することを望む割合が高いことが分かりました。

ここまで、今回の都民アンケート調査の結果からは、

○ 多くの都民が徐々に日常生活を取り戻しつつも「マスクの着用」と「手指衛生」を約9 割実施している等、感染防止対策を続けていること

○ この冬も外食や旅行などの機会を増やすことを楽しみにしつつも、マスク着用や換気など基本的感染防止対策を継続する慎重な姿勢を示していること

○ 今後も、「手洗いや手指消毒」等の対策に加え、「テレワークやオンライン会議・学習」といった新型コロナ流行下で本格化した新たな形態の定着が希望されていること

が分かりました。

結果報告の第2回では、新型コロナワクチンの接種意向、発熱時の不安などの意識について記載しています。ぜひご覧下さい。


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