民間活用、相互利用!?テレワーク施設の理想的あり方とは~狛江市CIO×都CIO②~
この記事は全2回でお届けします。前半はこちら。
テレワーク環境の整備
民間テレワーク施設の活用制度
デジタルサービス局戦略部長:深井(以下「深井」)
Web会議や職員のテレワーク環境整備についてどのような取組をされているのか教えていただけますか?
狛江市CIO:平林(以下「平林」)
コロナ禍において、密を避けるということを目的にテレワークや在宅勤務を始めました。基本的に管理職のパソコンはSIMフリー端末に変えていますので、100台以上のパソコンが在宅でも管理できる形になっています。また、管理職全員がチャットツールを利用できるようにしており、チャットを使ったやりとりもしています。
狛江市の特色としましては、民間のテレワーク施設で職員が働いた場合について、その使用料を補助する制度も設けています。ただ、11月の今現在ではコロナが少し落ちついてきて、市長から「もう少し恒常的なテレワークの仕組みを作れ!」と言われています。そこで、テレワーク推進のために、市役所のオフィスを3人机にして減らす、在宅勤務率の向上のために通勤手当を払わないなどの指示がありました(笑)
都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
素晴らしいですね(笑)
平林
狛江市職員は市内在住が2割ぐらいしかおらず、残り8割は市外からの通勤ですので、テレワークのアンケートを行ったところ、やはりテレワーク時は通勤時間を家庭、育児などに充てられるのが非常に有効的だという意見が得られました。職員に受け入れられているので、テレワークを活かした働き方改革のために、今制度設計を行っています。
深井
ありがとうございました。もう1点質問なのですが、先ほど民間のテレワーク施設を利用しているという話がありましたが、市が借り上げるという形ではなく、職員個人が利用したものに対して補助を出すという形なのでしょうか?
平林
その通りです。何社かと協定を結び、アカウントをいただいて、職員が払ったもの、職員が利用したものは市が払うという、精算払いの形をとっております。
宮坂
我々もサテライトオフィスをいくつか作ってみたのですが、民間のサテライトオフィスはすごくかっこよくて使いやすいですよね。東京都では、防災センターの一室を少しだけサテライトオフィスにしてみまして、試しに職員が働きに行ったのですが、すごく寂しくて、仕事にならないと言っております(笑)そこに行くのが楽しいとか、生産性が上がるという環境を用意しないといけないので、民間を使うのは確かにいいかもしれません。
平林
新たに市と民間事業者と共同で喜多見駅の高架下に、居酒屋と一緒になったテレワーク施設を造りました。市の職員は認めておりませんが、飲みながらテレワークも可能です。
宮坂
大胆なテレワーク施設ですね!最高ですよ、それ(笑)
テレワーク時のセキュリティ対策
公務員間でオフィスの相互利用
デジタルサービス局戦略部戦略課長:小澤(以下「小澤」)
私からも一つ質問させていただきたいのですが、リモートワークについて我々の中でいつも議論にあがりますのが、情報漏洩についてです。都民と交わっている中で、端末を開いていると横から見られるのではないかという不安の声があがっておりまして、それについて何か工夫されていることはありますか。
平林
我々の中でもセキュリティ面での不安な声を聞きましたので、基本的には個室利用です。それに対しての費用は行政でもっています。しかしおっしゃる通り、大部屋で行う場合のセキュリティ対策についてはいまだに課題として残っています。
小澤
やはりそうですよね。サテライトオフィスとは少し異なる形態かもしれませんが、公務員として自覚のある者同士であれば大丈夫ではないかということで、現在東京都と埼玉県でそれぞれのオフィスをテレワーク場所として相互利用する、という行政間交流を行っています。とはいえ、情報セキュリティに対してナーバスな感覚になってしまうのは、もう公務員としては仕方がないのですかね。
平林
公務員同士でならよいのではないか、という話は我々の中でも随分前からありました。よろしければ東京都の職員の方でテレワークをやる方に狛江市役所の一室を開放しますので、ぜひ使ってみてください。狛江市付近にお住まいの都庁職員の方もいらっしゃると思いますので。他の自治体でテレワークできないのかという話は、コロナの時に本当にあり、他の自治体用にブースを開放すればよいのではないかとちょうど議論していたところでした。
小澤
我々も様々なアクションを起こしてみようと努力しておりますので、ご担当の方を紹介いただいて、意見交換をさせていただければと思います。よろしくお願いします。
平林
うちとしても、東京都様の働き方が非常に参考になるので、こういった制度が実現できればいいと思います。ぜひご協力させていただきたいです。
宮坂
我々のオフィスも、もし機会がございましたらお気軽にお立ち寄りください。
平林
ありがとうございます。
―本日は色々と活発な意見交換ができ、誠にありがとうございました!
本取組については、今後も継続して実施する予定です。次回もお楽しみに!
執筆者:飛松 涼太(デジタルサービス局戦略部戦略課)
編集:星野 惇(同上)
直近のバックナンバー
全てのバックナンバー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?