旅の言葉 2. 言葉は、春風にのってくるのかな
最近は海外旅行しても
スマートフォンひとつあれば、
言葉に関しては何ひとつ不自由しない。
会話も聞き取って翻訳してくれるし、
街の看板もレストランの文字もスキャンして
瞬時に翻訳してくれる、
ほんとに頼もしいアイテムです。
しばらく前は小さな携帯用の小さな辞書持って
旅行したものだった。
でもご存じのように
単語一語ぐらいだったらいいけど、
少し長めの文章になると
パソコン翻訳みたいに珍妙な訳になって、
苦笑いしてしまうことがよくある。
とっさの旅行とか
めったに行かない国だったらいいけど、
必要な国に行くには多少は学んで
行ったほうがいいかもしれない。
初めてイタリア旅行したとき、
ポケット判の『イタリア-フランス』辞典を持って
わからないところがあったら引いていた。
じつは伊和辞典より
楽でめんどうがないんです。
大学のとき、
フランス語の授業を英語でやるって
いう話を聞いてびっくり。
英語もままならないのに、
ましてフランス語を英語に訳せるわけがない。
そう思って、ひるんでしまったことがあった。
ところがまったく逆、
日本語で訳すより楽だった。
たとえば
フランス語のひんぱんに出てくる de は
仏和辞典では1ページを費やしているけど、
英語のof、from、aboutで
ほとんどカタがついてしまう。
あたかも英和辞典のAを不定冠詞だとか
細かく説明したり、
makeなどに1ページ費やしているようなもの。
だいたい中学、高校の授業で
文法的に知らなくても活用はわかってます。
じっさい、国はちがっても
アルファベットを使っている国は、
アルファベット訳が便利で楽。
むかし、エドガー·スノーの中国の赤い星
(Red Star over China)を読んだとき、
最初のページに
登場人物の紹介が載ってあったけど、
英語だから誰が誰やらわからなくて大変だった。
毛沢東とか周恩来、林彪などは
音読みで英語に近いけど、
日本語の訓読みの名前が誰が誰やらで
大変でした。
名前だけでも漢字にしてくれないかな
と思いながら、読んでました。
まあ最初はいいかと思って読んでいったけど、
最後はめんどうくさくなって
途中でやめたような記憶がある。
だから最初のフランス語の習いたてのころは、
辞書に慣れるためとフランス語は
こんなものかと感じるために
仏和辞典を使っていたけど、
慣れると
「フランス-英」辞典を使っていましたね。
やさしいフランス語のときは
「フランス-英」辞典で、
英語訳でも英語がむずかしいときは直接、
仏和辞典を引いていました。
だから最初はめんどうでも、
上級者の詳しい仏和辞典を買ってたほうがいいかな。
こうやっていたら
英和で日本語を確認するように、
「フランス-英」で英語の確認や活用も
あらためてわかったようでした。
これはなかなかいい手だなと思って
イタリア語も入門で多少慣れてきたら、
フランス語をあらためて確認するためにも、
ポケット判のさっと引ける『イタリア-フランス』辞典を
いまでも使ってますね。
だいたい読んでいると
フランス語訳でもむずかしいだろうなとわかるので、
そのときは伊和の辞典が待っています。
こんな感じで
読書するときは、
目にやさしい紙の辞書にお世話になっています。
少し若いな。色あいのいい建物の前で1枚、かっこつけてまーす。