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本当の目標は“あなた”ではない!? 多職種連携の意外な盲点

よく聞きますよね。

「多職種連携」

多職種連携とは医師・看護師・ケアマネジャー・社会福祉士・リハビリテーション・介護士など様々な職種が関わり、一人の人を支援するというものです。

高齢者や在宅療養患者さんにとっては欠かすことができなくなってきている多職種連携。
高齢化が進み、疾患にも変化が起こってきています。
以前であれば、病院完結型で治療を終えることができていました。
高齢になると様々な疾患がベースにあります。
高血圧、心不全、糖尿病、認知症などなど。
そういったベースがある中で、転倒して骨折されたり、脳卒中を患ったりします。
そうすると、今までは病院だけで治療が終わっていましたが、
何らかの障害を抱えた状態で在宅に帰る確率が増します。

病院⇆在宅

なので、このシームレスな流れが必要とされています。
入院中から在宅の他職種と連携しながら支援をしていくことが非常に重要だと思います。

実際に自分が経験した症例においても、
入院中に退院前訪問へ行ったり、ケアマネジャーさんやご家族と念密に連携を図ったことでスムーズな在宅移行が可能だった患者さんもいました。

多職種連携によるメリットは?

高齢者と家族の医療的・心理的・社会的ニーズに対応した最適な支援を提供できるようになり、その結果、高齢者の健康と QOL の向上、介護者の介護負担の軽減に寄与できること、さらには、チームメンバーの知識 と技能の分かち合いを促進し、高齢者ケアに関わるチームメンバーの仕事をより豊かで、興味深いものにするからである

とあります。

多職種連携の質を上げることが、そのままケアの質につながってきます。

そんな多職種連携に陥りやすい問題点を2つあげています。

多職種連携の盲点①
前提条件が違う

多職種連携でよく聞かれる言葉
「なんで〇〇やってくれんの?」
「やり方違うんだけど、、、」
こんなため息交じりの声をよく聞きます。
みんな自分の得意とする領域が
職種によっても、その人によっても
バラバラです。
同じ職種でさえ、コミュニケーションのミスは起きます。多職種となればなおさらです。

そもそも、知識や大切にしていることの前提条件が違うということを常に考えとかないといけません。
もし、その人に何かをやってもらいたいのであれば、その人の大事にしていることに寄せて提案をするべきです!
そうすると、大事だということにもっと気づいてもらえるかもしれません。

これは、多職種連携に限らず、ビジネスの営業においても凄く重要なことだと思っています。
相手にどんな利益になるように話を進めようかと考えるはずです。
相手の分析が大切ですね!

多職種連携の盲点②
目標が“あなた”ではない

多職種連携でよく見る図だと思います。
患者さんに対して様々な職種が
様々な知識を出し合い、どうすればより良いアプローチが出来るのかを考えます。
急性期医療においてはこの図でも、
もしかすると良いのかもしれません。

しかし、生活期の人ではこの図では不十分だと思っています。
支援をし過ぎると、自立が妨げられたり患者さんのやる気を奪ってしまいかねません。

僕が大事にしているのは、
このイメージ図です。(汚いのは目をつぶってください)

支援すべき対象は“人”ではありません。
その人の想いや理想です。
そこに向かって患者さん自身も
努力をしていきます。

どうしても、医療職は支援をし過ぎる傾向にあります。
それが、医療職のエゴになっていることも多々あります。
本当に目指すべきところはどこなのかブレないようにその都度、確認の作業がいると思います。
支援をし過ぎる。そこをぐっと我慢して見守ることも非常に大切なケアだと思います。

全員が全員に理想のアプローチができるものではありません。
理想と現実のギャップは必ずあります。
その中でも常に最適解を探していける支援をしていきたいですね!

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