クリスマスイブの夜、台湾女性をホテルへ

あれは数年前の小雪舞うクリスマスイブの寒い夜だった。博多駅近くの交差点で信号待ちをしていると東洋系女性が若い日本人男性に何か語りかけている。その若者、自分は英語がわからないとか言って足早に立ち去って行った。とその時、ヤバイ、その女性がこっちを見始めた。きっと英語がしゃべれる男性に見えたに違いない。
「女性」エクスキューズミー(笑顔)
「私」ハーイ、何かようですか?
「女性」メモを取り出し、何か聞いてきたが、良く聞き取れなかったが、ここは鋭い勘を働かせると、どうも予約している宿泊先のホテルの場所がよくわからないと言っているようだ。場所を英語で伝えたかったが、言葉が出てこない。「ここから近くて約15分位」と言うのが精一杯。彼女のメモを覗き込むと漢字がびっしり書いてあったので、中国語なら随分昔に大学の第二外国語で習ったことがあったのでカタコトの中国語で聞いてみる。
「私」中国の方ですか?
「女性」台湾からきました。
「私」福岡は寒いでしょう。観光?ビジネスで来福したのですか?と聞きたかったが、中国語が思い出せない。そこで、今度はカタコトの英語で聞いてみる。・・「youは何しに日本へ」という番組を見ていて良かった。どうも半分ビジネスで半分観光のようだ。そして、予約しているホテルまでの道順を教えてほしいと言ったようにも聞こえた。信号が青に変わったのでホテルの道順を教えてこの場から逃げ出したかったが、英語が出てこない。ええい、こうなったら案内するしかないと覚悟を決める。後編に続く!

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