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人を集め、就農を支える 農業の『関わりしろ』に期待する芝橋宏治さん 【my life-私はこの道を見つけた-】

 阿波市阿波町で「環境再生型農業」に取り組む「阿波ツクヨミファーム」の芝橋宏治さん(42)。農薬や化学肥料を使わず、土壌を耕さない農法で野菜や果物、米、ハーブなど100品種以上を栽培し、電子商取引(EC)サイトで全国に販売している。年間1万件ほどの注文が入っているという。また、就農希望者に向けた滞在費無料の農業研修・体験プログラムも行い、都市部や海外から人が集まっている。

 環境再生型農業は、農地の土壌を健康に保ち、自然環境の回復につなげるのを目指す。芝橋さんはおよそ60アールの敷地を中心に、市内各所に畑を構える。種をまく前に耕さない「不耕起栽培」を採用。間引いた雑草は枯らして畑に返す。「作業の省力化と低コスト化を図りながら生物保全にも期待している」と話す。

不耕起栽培で育てている野菜

 スタッフはパートも含めて9人。作る品目は、季節に合わせて多彩だ。1月はサツマイモに小カブ、京イモ、水菜…。2月はニンジンにブロッコリー、キャベツ、ミニトマト…。3月にはダイコンにタマネギ、フルーツトマト、ホウレンソウ…。「いろんな作物を一年中作ることで雇用も生まれる」と強調する。ECサイトでの販売はリピーターも多く、芝橋さんは農作業とともに受注や発送の業務に追われる。

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