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阿波踊り有名連の歴史と魅力に迫る!(第7回)「苔作」

 苔作は、1968年にわずか11人で結成された。かつて活動していた徳島の阿波踊り連「小六連」をルーツとし、踊り好きなメンバーがお盆前に集まって踊り出したのが始まりとされる。名称は「苔が生えるまで共に踊り続けよう 一生を 棒に悔いなし 阿波踊り」との思いに由来する。6代目連長の山下惇也さんら連員は現在24人を数える。

大太鼓と鉦、締太鼓、スネアドラムだけのダイナミックな編成で力強いリズムを刻む鳴り物=徳島市民吉野川北岸運動広場

阿波踊りの異端

 結成時、本番直前で鳴り物の鉦を用意できず、思いつきでフライパンを打楽器代わりにガンガン叩いたのが、「苔作調」と呼ばれる独特の鳴り物の発祥だという。その「阿波踊りの異端」ともいえる鳴り物主体のスタイルは、「正調阿波踊り」とは一線を画して異彩を放っている。

 鳴り物、踊り、衣装などの全てにこだわりを持ち、「苔作イズム」ともいうべき独自性を追求するのを信条とする。一時は鳴門市阿波踊り振興協会に所属していたが、枠にとらわれず個性を出し切ることに専念しようと、数年で脱退したというのも苔作ならではのエピソードだろう。

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