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阿波踊り有名連の歴史と魅力に迫る!(第3回)「蜂須賀連」

 蜂須賀連は、日本舞踊・藤本流を学んでいた子女らで戦前に結成された「藤本連」を前身とし、正調阿波踊りを受け継いできた伝統ある連である。1946年に徳島市阿波踊りが復活した際に「藤本連」として再出発。間もなく「蜂須賀連」と改名した。名称は新聞紙上での公募によって決まったと言われる。

やや前傾姿勢で上品に真っすぐに足を出していく女踊り=徳島市の城西中学校

 昭和天皇の全国巡幸の際に天覧踊りを披露した「賜天覧」の一つで、89年の平成天皇の全国植樹祭の時と合わせて、2代の天皇陛下に天覧を賜った。阿波踊りの衣装に初めて法被を取り入れたのも、蜂須賀連とされている。現在は、5代目連長の岡本慎治さんを筆頭に連員212人が踊りの練習に励んでいる。


優美かつ上品な女踊り

 伝統ある女踊りは、発足時から変わらない「蜂須賀家卍紋」と「桜文様」をあしらった浴衣で、やや前傾姿勢を取りつつ優美かつ上品に踊る。華麗な集団美で魅せる踊りは、いつの頃からか「お嬢さま踊り」と呼ばれるようになった。袖丈が二寸長い浴衣が日本舞踊ならではの風雅を演出しており、袖口を持ってクルッと回す袖舞の演出は代名詞となっている。

袖口を持ってクルッと回す演出は蜂須賀連の女踊りの代名詞=徳島市の城西中学校

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