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日本企業がアメリカを真似して肩書きだけのCMOを作っても無意味な訳

2016年に開催されたワールドマーケティングサミットの「日本におけるCMOの潮流」というセッションの速記メモが発掘されたので、こちらにもメモしておきます。

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セッション名: 日本におけるCMOの潮流

登壇者
資生堂ジャパン CMO 音部氏
ネスレ日本 CMO 石橋氏
マツダ専務執行役員 毛籠氏
博報堂 安藤氏

【資生堂音部氏】

■CMOの役割
・利益の達成
・組織の成長を促す
 ・昨日できなかったことが今日できること。
  ・やる気がちゃんとある
  ・必要な知識がつくこと

・共通言語を確立することが重要。

失敗から学んだこと、成功から学んだことを共有する。
プロセスを標準化する。

【ネスレ日本石橋氏】

・組織図上は事業と役割でマトリックス型の組織図になっている。

・マーケティング部門には様々な役割があるが主な役割はイノベーションとリノベーションの推進とマーケティングコミュニケーションの推進。

・マーケティング部門だけがマーケティングの役割を担っているわけではない。
・全部門におけるマーケティング思考を推進している

【マツダ毛籠氏】

・会社が倒産の憂き目にあい、WHATやHOWではなくWHYが重要であることに気がついた。

 そこで議論を尽くし、ブランド価値経営という新しい経営哲学を確立し、役員がコミット。全組織に戦略と活動計画として落とし直すという作業を行った。

 CMOの役割はブランド価値経営に対する徹底的な理解の浸透と将来への備えの啓蒙と、活動計画への落とし込み。

・当時は、マーケティングという言葉を使うと広告戦略と誤解されるのでマーケティング戦略という言葉をあえて使わなかった。

■なぜ日本ではCMOが増えないのか
・マーケティングの定義や重要性自体がそもそも低い。まずはマーケティングを定義し、マーケティングを重視する構造を作ることが大事。肩書きだけのCMOをつくれば良いという話ではない(ネスレ)

・日本はチームと経営がうまく機能する素地があるので、CMO一人をたてるよりもチームでやる体制を作ることが大事(マツダ)

・そもそも必要なのかというところから考えるべき。日本は元々安くて高品質な製品を作り、営業力の高い営業部隊が売り込むことで成功してきた企業が多い。そこを変えなければいけないという必要性からはじまるはず。

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