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味方が増えるのは時間の問題だと思って待っていたら、実は味方がどんどん敵になってしまっていた話

時間が解決してくれることってありますよね。

失恋のキズとか、上司のカミナリに受けたショックとか。
大抵のことは時間が解決してくれると思うんですよ。

でも、一方でただ待ってるだけだと変わらない話ってあるんだなと、つくづく感じた話がありまして、自分のメモのためにもまとめておきたいと思います。


年始の抱負にも書いたんですが、私は自分がブログで人生救われた人間であることもあり、15年以上前からもっと多くの会社員がブログとかSNSとか使ってくれると良いのにな、といろんな活動をしてきた経緯があります。

アルファブロガー投票企画という、どちらかというとビジネス系のブログを書いている人たちの人気投票企画をやってみたり。
ブログのはじめ方の講演をやってみたり。
「デジタルワークスタイル」というコラムとか本を書いてみたり。

もちろん、既に会社の中である程度のポジションに到達している人からすると、ブログとかSNSの活用ってリスクもあるので、15年前の私みたいに、何者でもない人間の方がメリットは間違いなくあるとは思うんですけど。

普通のサラリーマンが、メディアとして情報発信できて、それによって面識のない人とコミュニケーションしたり、つながったりできるとか、個人的には凄いメリットだと思いますし。
もっと大勢の人がブログとかSNS使ってくれると、きっとネットはもっと便利になるし、楽しくなるんじゃないかと信じているわけです。


で、その手の啓発活動は、ツイッターとかFacebookブームが日本にも来たので、これで一安心と思って終了してたんですよね。

もちろん、私の同世代やそれより上の世代の人たちからすると、今でも「ネットやソーシャルメディアは危険」と思っている人はまだまだ多いですし。
社員のソーシャルメディア利用とかリスクしかないと思っている人が多いのも事実です。
今週の相撲協会のSNS無期限禁止とかが象徴的ですけど、当然デジタルネイティブではない世代の人は、今後も自分は使わないと言う人は多いでしょうし、若い人にも使って欲しくないと思っている人も多いでしょう。

ただ、私は、普通に若い世代の人が増えれば、こういう空気って変わると思ってたんですよね。

ツイッターブームが日本にも来てから、もう10年。
ブログブームからはもう15年以上が経過しています。

最初のツイッターブームやブログブームに触れた若い世代が、いまや企業の中では30代とか40代になってるわけで、そこに新しく入ってきたデジタルネイティブな20代が加われば、きっとそれぞれの会社の中でのブログやソーシャルメディアの位置づけとか、普通に変わってくると信じていたんです。

ネットやソーシャルメディアが普通な世代の割合が会社の中で増えてくれば、普通に考えればきっと仲間が増えてくれるだろうな、と。


でも、実は多くの日本の大企業においては、私の想像と違うサイクルが回っているらしいということに最近ようやく気がつきました。


なんでも、最近の学生さんは、就職活動を始めたり、企業から内定をもらったタイミングで、ソーシャルメディアのアカウントを消すんだそうです。

最近は人事担当者がソーシャルメディアをウォッチするらしいですからね。
そりゃ大学生の頃に無茶な飲み会やってたときの写真とか見つかったら、ヤバいですよね。

まぁ、これは仕方ないかなと思うわけです。
私も自分が大学の頃からソーシャルメディアやってたら、消すと思います。
大学の時の羽目外したときの写真とか、バイトで無茶やってたときの写真とか、そりゃ会社の人には見せられないです。


で、問題はこのあと。

別にアカウント消しても会社入ってから新しく再開してくれれば良いと思ってたんです。
でも、再開しない人が案外多いそうなんです。

会社に入ってみると、先輩達がソーシャルメディアを使ってないし。
なんとなくやってはいけなさそうな空気だし。

しかも、根が深いな、と思うのは、そういう人達にとっては、ソーシャルメディアは大学生の時の友達とコミュニケーションするのに使うもの、であって、会社員が使うものではないんだとか。

私みたいな昭和の世代は、「個人が情報発信できるなんてスゲー」って素直に感動してたんですけど。

若い世代にとっては、学生の時から使っているあまりに普通のツールになっているので、実はありがたみが薄いんですよね。

ので、せっかくデジタルネイティブ世代なのに、社会人になるとソーシャルメディアを結局あまりやらなくなっちゃう人が多いんだとか。


さらに最悪なのは、こうやって真面目な若い世代が会社の中で空気読んでソーシャルメディアから距離を取る一方で、やんちゃな人が空気読まずにメチャな投稿したり、バイトテロと呼ばれるような騒動起こしちゃったりするんですよね。

直近の相撲協会の研修でも、炎上した阿炎がかっこつけて研修で寝てたとかメディア対応して再炎上してますが。

もうこうなると、ネットやソーシャルメディア嫌いの上の世代の人たちは当然のこと、真面目な若い世代の方の人たちも、そろって組織全体でソーシャルメディア禁止の方に舵を切らざるを得なくなったりするわけです。


いやー、ショックです。

私自身は、とにかくデジタルネイティブな若い世代が企業にどんどん入ってくれば、自然と味方が増えるのは時間の問題だと思って待っていたわけですが。

実は、私にとっての味方だと思っていた人たちを、日本の大企業はどんどん昭和の価値観で上書きして、大袈裟に言うとデジタルネイティブにとっての敵に作り替えてしまっている、という話なんですよね。

これは日本の大企業がマス時代のビジネスモデルで成功している構造で、急に変化する必要が薄いと言うこともあるとは思います。


もちろん、15年前に比べれば、ツイッターとかnoteを実名で使う大企業の人も増えましたし、比率としては利用率も上がってきている手応えはあるんですけど。
やっぱり、ただ単に待ってるだけだと駄目なことってあるんですよね。


でも、一方でこの空気感の壁って、一人の先駆者が良い事例を作ってくれて、それをほかの人たちが真似できる環境ができれば、一気に変わるぐらいの薄い壁だとも思っています。

ちょっと大袈裟に言うと、皆さん一人ひとりが、自分で使って問題ないと思うレベルで企業の中で胸を張ってソーシャルメディアを使うだけで、職場の雰囲気ももう少し自由な空気に変えることができると思いますし、若い世代の才能をもっといかすことができると思うんですよね。

本来は、ブログにしてもSNSにしても、コミュニケーションツールの1つなので、せっかく使える時代になったんだから、使える範囲で使った方が良いと思うわけです。

そんなわけで、noteで働いている私が書くと、当然ポジショントークにはなるんですが。
日本の会社員の皆さまにも、是非ツイッターやnoteを試しに初めて頂きたいと強く思っておりますし。

今年は、時間に任せず、諦めずに1人1人丁寧に口説いていきたいなと考えている次第です。


ということで、すでに年始から1ヶ月が経ってしまいましたが、年始の抱負で書いた「情報発信をする仲間探しに注力する」ための意見表明をかねての問題意識カミングアウト記事でした。
今年も皆さま、よろしくお願い致します。


ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 このブログはブレストのための公開メモみたいなものですが、何かの参考になりましたら、是非ツイッター等でシェアしていただければ幸いです。