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「ちえ」⑩「お泊まり」③

Hが終わった後も裸で抱き合っていました。

「「ちえ」の髪の毛って凄いいい匂いするな」

「トクちゃんの胸の筋肉って凄いね」

「そりゃ鍛えてるからな」

「あのトレーニングマシーンで鍛えてるの?」

「うん、ちょっと胸触ってみて」

「あー。胸の筋肉がピクピクしてる。ムキムキマンみたいだね」

「うん、目指せムキムキマンだな」

「私は、細マッチョのトクちゃんが良いかなあ」

「「ちえ」の胸も触っちゃうぞ(笑)」

「俺の夢がまた叶ったな…」

「叶った夢ってなに?」

「「ちえ」とHすること」

「…」

「「ちえ」と付き合えてから俺の夢がどんどん現実になってくるんだ。ホント夢見てるみたいだよ」

「一緒に夜景も見れたし、ひとつの財布も持てたし、Hもできたしな。今日でホントに「ちえ」の彼氏になれた気がする」

「トクちゃん、私のこと好き?」

「好きだよ、大好きだよ」

「私も、トクちゃんのこと好きだよ。すっごく好きだよ」

「トクちゃんのこともっと知りたいなあ」

「別に隠してることないけどなあ」

「トクちゃんって平日はなにしてるの?」

「前にも言ったけどさあ、空手やってるから、火、木、金が空手の稽古日なんだけど最近は金曜日は空手じゃなくてバスケやってるな」

「トクちゃんってバスケもやってるの?」

「うん、勤労青少年ホームって知ってる?」

「知らな〜い」

「市内で働いてる30歳未満の人なら誰でも使える施設なんだけどさあ」

「そこに体育館もあって、そこのバスケ部のキャプテンやってるんだ」

「キャプテンなの?凄〜い」

「そんなに凄いことじゃないけどさ」

「ねえ、トクちゃん。私、トクちゃんが空手やってるとこ見てみたいなあ」

「それはちょっと無理だな」

「え~、なんで~」

「だって道場に女の子なんて連れてけないじゃん」

「道場は稽古する所で、彼女を連れてくとこじゃないから」

「つまんないなあ···」

「バスケなら見せられるかなあ」

「ホント?じゃあ、トクちゃんがバスケしてるとこ見てみたいなあ」

「うん、じゃあ、いつかバスケに一緒に行く?」

「うん、連れてって」

「「ちえ」は平日の夜って何かしてるの?」

「私は、特に何もしてないよ。仕事終わって家に帰ったら出かけることもあんまりないよ」

「じゃあ暇を持て余してたから俺と付き合ってくれたんだ」

「そんなことないよう」

「じゃあ、なんで俺と付き合っても良いって思ったの?」

「エヘヘへ」

「なに?そのエヘヘへって」

「実は、トクちゃんに言ってなかったことがあるんだあ」

「何それ?凄い気になるんだけど」

「エヘヘへ。同級会の時にね、私、トクちゃんのこと誰か分からなかったんだあ」

「それでね、隣の子に聞いたら「T君じゃないって」言われてえって思ったんだあ」

「だって、トクちゃん、高校の時と全然変わってたんだもん」

「うん、髪型も変えたし、メガネもやめたからな。よく、変わったって言われるんだよね」

「それでね。トクちゃんのこと、ちょっとカッコいいなって思ったんだ」

「俺は「ちえ」のこと久しぶりに見て、凄く可愛くなったなって思ったんだ。だから声かけたんだ」

「私は、トクちゃんに声かけてもらいたかったんだあ」

「それにしちゃ俺が声かけた時、そっけなかったよな」

「だって声かけられたら、すぐに着いてく軽い女の子だって思われたくなかったから」

「ねえ、トクちゃん?トクちゃんは私の彼氏なんだから遠慮することないよ」

「俺、遠慮してるように見える?」

「うん。私の顔色見てから話してるような気がするんだあ」

「やっぱ分かっちゃった?」

「「ちえ」は、高校の時の憧れの人だから、やっぱりちょっと遠慮しちゃうんだよな…。振られたら困るって」

「そんな心配しなくて良いよ。私は、トクちゃんの彼女なんだから」

「トクちゃんのして欲しいことなら何でもしてあげたいんだあ」

「ご飯も作ってあげたいし、色々してあげたいんだあ。女の子ならみんなそう思うんじゃないのかなあ」

「女の子の気持ちは分かんないけど、俺「ちえ」の彼氏で良いんだよな。ホントにホントに彼氏なんだよな?」

「そうだよ。トクちゃんは私の大切な彼氏だよ」

                                                                         つづく




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