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「ちえ」⑭「元カノ」

「ちえ」とのHが終わり、「今夜は、このまま裸で抱き合って寝よう」と言って布団に入っていると⋯。

「ピンポーン」と玄関のチャイムがなりました。

急いでパンツだけ履いて玄関まで行くと⋯。

「俺、Sだよ、開けて」

「「ちえ」空手の先輩が来た。服着て」

Sさんには「ちょっと待ってください」と言って私も服を着ました。

「なんだよ、遅かったな」

「すいません。彼女が来てるもんだから」

「ちえ」に「空手の先輩のSさん」と紹介すると⋯。

Sさんが「Tの彼女って、あのEさんか?」

「違う、違う。Kさんって言うの」

「あ、そうか。お前の彼女って、Eさんっていうんじゃなかったけ」

「違うよ、Sさん、なんか勘違いしてないですか?」

「そうか?」

Sさんは、それから30分ほど部屋にいましたが「なんか俺、じゃまみたいだから帰るわ」と言って帰って行きました。

Sさんが帰って「ちえ」の顔を見ると⋯。

こっちを睨みつけています。

「トクちゃん!Eさんって誰なの!」

「同級生、中学校の時の」

「なんで空手の人がトクちゃんの中学校の同級生のこと知ってるの?」

「う~ん、前、話したことがあったのかな⋯。忘れちゃったけど⋯」

「前、ウソつかないって約束したよね」

「うん⋯」

「じゃあ正直に言うけど怒らないって約束してくれる?」

「怒らないから正直に言いなさい」

「ちえ」に正直に言いなさいと言われるとウソがつけない私でした。

「あの⋯。ずっと前にちょっとだけ付き合ってた子」

「ずっと前っていつ頃のことなの?まさか私と二股かけてたんじゃないわよね?」

「違う、違う、「ちえ」に声かけた同級会より、ず~っと前」

「ふ~ん」と言ったかと思うと枕が飛んで来ました。

「ちえ」が怒る=枕が飛んで来る、です。

「EさんともHしたわけ?」

「あのさあ、お互いに過去のことは聞かないって言ったろ」

「俺は「ちえ」の元彼のこと気になるけど聞かないから」

「ってことはEさんって元カノなんだね⋯」

「だから、ちょっとだけ付き合ったって言ったろ」

「ちょっとだけって、どのくらいなの?」

「う~ん、3ヶ月くらいかな⋯」

「それで、Sさんが私のことをEさんと間違えたんだ⋯」

「うん、正直に言うけどさあ。成人式の後に中学の同級生で集まったんだよ」

「その時に、他の女の子から「Eちゃんがトクラのことカッコいいって言ってるから誘ってあげなよ」って言われたんだよ」

「それで、何回かデートした後に、付き合ってって言われたんだよ」

「俺と「ちえ」の逆バージョンだな」

「ふ~ん、トクちゃんは付き合ってって言われたら誰でも付き合っちゃうんだあ⋯」

「違うって、前にもバスケ部の女の子から告白されたけど断ったって言ったじゃん」

「怒らないって言ったろ」

「別に怒ってないけど⋯」

「怒ってるから枕投げたんだろ」

「⋯」

「怒ってないけど⋯。ヤキモチやけちゃうだけ⋯」

「ちえ」を抱きしめて

「ヤキモチやくってことは、俺のこと好きってことだよな?それって、もの凄く嬉しいんだけど」

「私が、トクちゃんを好きな分だけ、トクちゃんも私のこと好きなって欲しいんだ」

「いや、俺の方が絶対「ちえ」のこと好きだから」

「「ちえ」は、高校の時からの憧れの人だから」

「今、こうしてるのが夢みたいだから⋯」

「トクちゃんホント?」

「うん、ウソはつかないって約束したから」

「じゃあキスして」

「キスだけじゃ止まらなくなっちゃうぞ」

「良いよ⋯」

「トクちゃん、私とHしながらEさんのこと思い出したりしないよね?」

「もうこれ以上言うと、俺、本気で怒るぞ」

                                                                       つづく





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