映画『シャイニング』の感想(2023/1/22の日記)

久々にキューブリックの『シャイニング』を見た。一気に見たというよりかはここ数日で何回かに分けてみたという感じ。

この映画は最初見たときはそこまで怖くなかったけど、改めて観るととても怖い。普通ホラー映画というのは初見が一番怖いはずだけど、この映画の場合は観れば観るほど怖くなっていくという稀有な作品だと思う。その怖さを作り出している要因の1つが内装や景色の明らかな矛盾にあると思う。

みのミュージックというyoutubeチャンネルのシャイニング解説で知ったのだけど、この映画って内装がとても変なのである。明らかに矛盾している。一番それが顕著な場面が最初の方でホテルの料理人の人に食糧庫を案内してもらうシーンだ。このシーンでは食糧庫に入った時と出た時とで外の内装が完全に変わっている。

こうやって文章で書くとこの変化は単なる矛盾点で雑なだけなんじゃないの?と思うかもしれないけど実際にそれに気づいて観ると非常に不気味である。これは言語化しづらい部分だけどなんとなくゾワッとする。それ以外にもダニーが移動するシーンで明らかに薄い壁に扉が取り付けてある内装になっていたりと奇妙な内装がいっぱい見受けられる。

あと風景で言えば冒頭でジャックが面接に受けに行く道中だと左側が崖になっているのに対して、面接の後に家族で建物に向かっているシーンは進行方向右側が崖になっている。冒頭のシーンでは執拗に左側が崖であることを見せつけているのでこれは意図した演出なのだろうと思われる。ここもやっぱり不気味で気付くとゾワッとさせられる。この作品はそう言った違和感を積み重ねて独自の怖さを作り出している。だからこそ観るほど怖さが積み重なっていくという感じがする。

パニックホラー映画はそんなに好きじゃないけどこの映画はとても好きだ。動的な怖さではなく静的な怖さを見せてくるという感じで非常に良いと思う。この映画はまた時間を空けて観たい。

今年に入って『2001年宇宙の旅』と『シャイニング』を視聴した。どちらもキューブリックの作品である。この際キューブリック作品を全部観てもいいかもしれない。他にもキューブリックの作品で観たことがある作品はあるけどどの作品ももう5年くらいみていない。『2001年宇宙の旅』と『シャイニング』も久しぶりに見たら新鮮に楽しめたので他のキューブリック映画も楽しめることだろう。

キューブリック映画に限ったことではないけど3~5年経つとどんな作品でも結構忘れている。なので再度見れば新鮮に楽しめると思う。昨日読んだ『やがて君になる』も結構忘れていたし新鮮に楽しめた。さらに言えば少なからず見識が広がっていることもあり別の文脈を拾うこともできて面白いと思う。なので今年はキューブリック作品を全部見ることをとりあえず目標にしていようかと思う。

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