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#百鬼夜行シリーズ

京極夏彦『姑獲鳥の夏』の感想

京極夏彦『姑獲鳥の夏』の感想

京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を読んだので感想を書いていこうと思う(以下の本)。

実は京極夏彦の本は初めて読むが、なんとなくのイメージとして怪異や幽霊といった不思議な存在が出てくる世界観を想定していた。しかし実際は結構理屈っぽい感じ科学や哲学っぽい話が多い。幽霊とかも出てこない普通の推理小説である。

京極堂の脳と心や認識の話の部分を読んでいてカントを思い出した。本書ではそれが不確定性原理という話に帰

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