「ゲームはグラフィックや音でも楽しませる物である」という大原則を忘れてはいけない (インディーゲーム開発者向けの記事)

インディーゲーム市場はすでに末期状態に突入しています。
インディーゲームが一番売れるswitchでもタイトルが増えすぎて、個々の作品はもうかなり売れ行きが悪化しています。
過去にヒット作品を出したところでさえ、最近は資金繰りが悪化して会社を畳んだりチームが解散するところもどんどん出てくる始末です。

私は今のインディーゲーム市場の過酷さに対して、「個人やチームのインディーゲーム開発者達がもう少し自分のゲームの売れ行きを増やせるように」と、アドバイスのためのドキュメントをここ数年かけて作り、それを今年noteでシリーズ連載として公開しました。
noteは金儲け目的ではやっていないので全記事無料で読めます。

全部で60回以上というかなり濃い内容の記事で全て読むのに時間がかかりますが、インディーゲーム開発者やパブリッシャーの方達は自分の制作中のゲームや販売を担当する作品のクオリティアップや売れ行きを増やすために是非読んでおくのを強くおすすめします。


<CRYSTAL SURVIVORは何故売れなかったのか?>


今日、たまたまnoteでこういう記事を読みました。
二週間くらい前に書かれた記事のようです。

少し前にエグザムゲームズさんというインディーゲーム開発チームがsteamでヴァンパイアサバイバー系のゲームを出したところ、想定を大幅に下回って売れなかった・・・・・・・という内容の記事です。

ゲームを買わずに批判するのはどうかと思い、私は実際にこのゲームを今日買って少しプレイしてみました。

そこで正直な感想を言わせていただくと

・ゲームのグラフィックがいまいち
・効果音もいまいち
・ヴァンパイアサバイバーに新しいゲーム性を追加したようだが、それを体験する前にプレイヤーはもう途中でプレイをやめたくなってしまう

みたいに色々問題が多いと思いました。

体験版を配布しているみたいですが、体験版を触った人も10分経たず「もうこのゲームはいいかな」とプレイを途中でやめてしまう人も結構いるのではと。

という記事でも書いた通り、グラフィックがチープなインディーゲームはもうその時点でユーザーの大半が購入意欲を全く無くしてしまいます。

また、買った人も「プレイ中ずっと見るグラフィックがしょぼすぎて、ゲームの楽しさがかなり薄れてしまう」という残念な事になってしまいます。
このゲームはプレイ中のグラフィックが淡泊すぎて、そのせいでゲームの楽しさが薄く、なんかもう途中でプレイをやめたくなってしまうのです。


<今後どう改善するか?>

改善点についてはエグザムゲームズさん自身がnoteの記事で書いているように、「グラフィックをきちんと魅力ある物にする」があるでしょう。
3Dはコストがかかるので、ドット絵か2Dイラスト調できちんと魅力あるグラフィックに変更するべきだと思います。

また、余力があればプレイヤーキャラは人型にして外見を選べるようにして、画面の端の方にキャラクターのバストアップイラストを常に表示しておくと、そのキャラが魅力的なデザインならば「買って遊んでみようかな」と思う人もわりと出てくると思います。

ヴァンパイアサバイバー系作品はずっと小さいプレイヤーキャラがプレイ中に表示される感じですが、私は画面の端の方にキャラのバストアップイラストも表示するようにした方がもう少しゲームの魅力を増して購買意欲を高めたり、プレイ中の楽しさにプラスになるのではと思います。

こういう「グラフィックに華を添える」という行為は売り上げを増やすために何気に大切な事です。
長いゲーム開発歴のある大手や中小のメーカーはこれをしっかり意識してゲームを作っています。

また、「効果音やエフェクトももっと気持ち良くなるよう改善する」というのをやった方が「なんか気持ち良さそうだからこのゲームを買って遊んでみるかな」とyoutubeでプレイ動画を視聴した人が思うようになります。

ヴァンパイアサバイバー系ゲームで敵に攻撃が当たった時や倒した時の効果音やエフェクトがいまいちな作品は、それだけでゲームプレイ中の気持ち良さが大きく低下してしまいます。
プレイ動画でもぱっとせず、売れ行きも悪い事になりかねません。


ヴァンパイアサバイバー系ゲームは数がもう増えすぎて、今からそれなりに売れるようにするにはなかなか難しいと思います。
それでもノーマンズスカイみたいに丁寧なアップデートで見た目や効果音を改善したり、グラフィックに華を添えて魅力を増すなどしたらもう少し売れ行きも違ってくるでしょう。

もし本格的に売れ行きを増やしたいならパブリッシャーと契約してswitchにも出すなど考えてみたり。
また、将来的にはセールで200円や150円くらいの衝動買いされやすい価格にしてswitchのストアでセールを繰り返すと、年間ではある程度の売れ行きを達成できるのではと思います。

ゲームシステムにいくら自信があっても、「グラフィックがチープで購入意欲がわかない」となると入口の段階で客は逃げていきます。
すごい美味いカレー屋があっても、店の外観がひどすぎてお客さんが店に入ってこない』みたいな状況になってしまいます。

エンダーリリーズというメトロイドヴァニア系インディーゲームはゲームも面白かったですが、グラフィックも丁寧に作られていたからこそ大ヒットしたわけです。
あのゲームがもし落書きのような棒人間のグラフィックで作られていたら、売れ行きは大きく落ちてしまっていたでしょう。
ゲームプレイ中の楽しさもかなり低下していたはずです。

ゲームにおいてグラフィックをきちんと作り込むという事は、売れ行きを増やすためにも、プレイ中の楽しさを高めるためにも必須なのです。

パズルゲームのテトリスですら、ブロックが何の効果音やエフェクトも無く消えるのと、気持ち良いエフェクトや効果音とともに消えるのでは、プレイ中の気持ち良さは大きく変わってきます。

ゲームはグラフィックや音でも楽しませる物である」という大原則を忘れないようにすべきです。