見出し画像

渾身のインディーゲームが60本しか売れなかった件

インディーゲーム開発の挑戦と苦悩

■渾身の自作ゲームが60本しか売れなかった……。

どうもこんにちは。
インディーゲーム開発チーム『エグザムゲームズ』です。

今回は、制作した新作ゲーム【クリスタルサバイバー】が発売1か月間で60本しか売れなかった件をnoteにて公開しようと思います。
おもしろさを追求して創り上げた渾身の力作が人の目に触れず、結局このゲームがおもしろかったかどうかの確認もできずに埋もれていく……。
そんなインディーゲーム開発の挑戦と苦悩を赤裸々に記した記事をご覧ください。

▼クリスタルサバイバーのSteamページは↓↓こちら▼

ウィッシュリスト登録、体験版のプレイ、購入、レビューもろもろお待ちしてます!
440円で買えます!ぜったい楽しいから!遊んで!
遊んでも2時間以内なら返金できるからさぁ!

■クリスタルサバイバーが目指した"おもしろさ"

ゲーム制作時に目指したおもしろさ、達成すべき目標、プレイヤーに届けたい体験は、
『ローグライトサバイバルアクション×攻めのアクションシューティング』です。

もう少し細分化すると、
①ローグライトサバイバルアクション
いわゆる"ヴァンサバライク"なローグライトアクション要素。
・迫り来る敵をうまくかわし、大群を倒してレベルを上げ、ランダムな強化項目を取捨選択して自機ビルドを強化していく(インフレさせていく)楽しさ。
・息つく暇もない忙しいゲームプレイと死んだら終わりの緊張感。

②攻めのアクションシューティング
「自分は敵よりも強い!自分はゲーム操作が上手い!ザコども消えろ!」という敵を倒して得る自信や爽快感。
・チャージショットで敵の大群をなぎ払う爽快感。
・ダッシュ(ドッジ)で避けて、撃って当てる、シューティングの基本的な楽しさ。

①+②により、サバイバー系のシステムを使って根本のおもしろさを担保しつつ、シューティングやアクションの要素を強めることでゲームのマッシュアップを図る/違った楽しさを生む、という狙いでした。

ゲームの核となる部分小さく素早く確実に作り
独自要素を加えて新しいおもしろさにチャレンジする。
というのがエグザムゲームズの目指す"完成させる小規模ゲーム開発"です。
完成はしたぞ……!うむ……!

ごん太レーザーをぶっ放して敵の大群をなぎ払え!
強化すればするほど攻撃力UP & 見た目が派手になる! = 火力がインフレする!

■参考にした名作ゲームたち

▼マジックサバイバル▼
ヴァンサバの参考になったというご本家。
筆者はヴァンサバよりもこっちの方が好き。

▼Vampire Survivors▼
ローグライトサバイバルアクションゲーム界の大スター。
ゲームサイクルの核はヴァンサバやマジックサバイバルを参考に……。

▼Nova Drift▼
幾何学模様とネオン煌めくビジュアルでシンプルなカッコよさとリッチな見た目を実現しているローグライトシューテイング。
見た目をシンプルにまとめる部分はこれを参考に……。

▼R-Type Final 2▼
超強力なチャージショットで敵をなぎ払う爽快感がウリの老舗シューティング。
チャージショット部分はこれを参考に……。

■クリスタルサバイバーが"目指さなかった"もの

・かわいいキャラクター、萌え、超リッチな見た目
クリスタルサバイバーでは当初からリッチな3Dモデルやかわいいキャラを作る事を狙いませんでした。
イラストの依頼は時間も必要で、素早く小さくゲームを作る今回とはマッチしませんでした。
『マジックサバイバル』や『Nova Drift』のようなシンプルだけどカッコイイ見た目を目指したかったこともありますが、なによりも今回はゲームシステムでおもしろさを産み出したい、と考えていました。

エグザムゲームズはどっちかというと萌えとかかわいいキャラクターを作る方が得意なのですが、
やっぱりゲームはシステムのおもしろさで勝負してナンボ!
どれだけプレイヤーを熱中させて夢中にさせられるか!
というクリエイター的な野心や、いつもと違うことに挑戦してみよう!という思惑もありました。
熱中できるようなおもしろいプレイヤー体験を作りたい。そのうえに綺麗なアートが乗ってれば最強。と思います。

■目標売上本数1000本に対して、結果は60本

過去作の売上実績や販売データを元に、発売後1か月間の販売本数を1000本と設定しました。
「目標とりあえず1000本!(アホ)」ではなく、過去に販売した(【アイドリングアイドル】【ケモノポリー】等)の売れ方を元に、「最低は数百、いいところ狙えて1000本超えくらい」という現実を見積もった目標数でした。
結果は、発売1か月間で60本大きく下回りました

Steam版の発売日は2024年6月27日。
集計日は2024年7月28日です。
発売後14日間は発売記念セールで10%OFFしました。
サマーセールに発売日をガッツリ重ねて、安いしついで買いを狙いました。

■このゲームは本当におもしろいのか?手応えが欲しい

ゲームの企画や仕様を作っている時、実際に組み上げている時、どこにも手を抜いた部分はなく全力でおもしろさを追求しました。
開発側が実際に遊んでおもしろい、アクションの爽快感や熱中できるゲームサイクル/プレイヤー体験を作り上げた自信があります。
しかし、プレイヤーからのレスポンスが少なく、手応えがありません……。

ゲーム制作とは長いマラソンのようなもので、作って発表して終わりではないと考えています。
Steamのゲームは特にその色が強いと思っており、公式で「アップデートしたらストア内で露出できる機会が増えるよ」というシステムもあります。
『クリスタルサバイバー』も至らない点があれば修正して改善し、良い点があればボリュームアップやクオリティアップを行い、ゲーム全体の品質を向上させていきたいと思っていましたが……。
現状では企画時に目指したおもしろさが達成されているのか否か良い点や足らない点は何かその答えすら得ることができていません

ありがたいことにいただいたレビュー数件は好評です。感謝!
改善点は以下のような感じかな。
・もっとボリュームが欲しい
・シューター系なのにコントローラーサポートがない

■反省点

・おもしろそうな見た目になっているか?
→グラフィックの見た目は"シンプルな図形を使う。キラめくネオンっぽくまとめる"という意図した感じにはなったのですが、静止画を撮影した時になんというか……「これでおもしろさが伝わるかな?」とは悩んでいました。

『遊んでくれればおもしろさがわかるのに……』
なんてクソ甘ったれた考えはしていません。
我々の仕事は『パッと見ただけでおもしろさが実感できる』状態に仕上げることだ……。

ウニョウニョ敵キャラが動くといい感じに見えるのでストアページやSNS広報ではGIFを使ったりしてますが、やはり静止画スクショやパッケージイラストだけでも魅力が伝わる絵作りにできるとよかったですね。
今回の座組ではイラストレーターがおらず、イラスト等は自作か素材を使っています。(いい絵作りには金も時間もかかる……)

・売る時期が良くなかったか?値段設定は適切か?
→サマーセールに合わせて割引を行って発売開始しましたが、「ヴァンサバ(490円)よりも値段を低くしよう」と思って440円に設定したところ、サマーセールの結果、割引ヴァンサバの方が安くなっていました……。
今作は「安いからついでに買っちゃおう」という懐の深いゲーマーがいることに賭けましたが、世にやりたいゲームが溢れているなかで新参が買い物カゴ内に食い込むのは難しかったのかもしれません。

大型セールに合わせての発売は、
例えば「自分のゲームが割引済みのCivilization® VIと比べて買われるか?」
という事を念頭に置いて考えた方がいいですね。
そりゃ安い名作の方を買っちゃうよ……。

■今後の見通しについて

現状の我々に考えうる改善点は、グラフィックをかわいいキャラクターに変更し、受けたダメージに応じて服を破いていくことだけです……。
(そしてエグザムゲームズはそういったクールジャパン(?)的なおもしろさの追求が得意である……)
しかし、ゲームシステムのおもしろさを目指した本作に、そういった改造は安易に施したくありません。
ゲーマーのみなさん。ぜひ遊んでみてください。そしてゲームに関する感想やレビューをお待ちしております。
(できればSteamでのレビュー投稿がありがたいです……!)

要するに色気のある方面で見た目の向上をするか……という手段が手っ取り早くてビジュが映えるし良さそうだよね。というテコ入れなのですが、
「ゲームシステムはおもしろかった!」「このままの方向性で突き詰めていけばよし!」という手応えを得ていないので、安易に萌えに寄りたくないなぁ……という乙女心のように複雑な心境です。

今どんな気持ち?ねぇねぇどんな気持ち?

びぇぇぇぇん!
ぐやじいよ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"っ!
いまに…見てろよぉっ!!(反骨心)

■ゲーム情報

タイトル名 :クリスタルサバイバー
ジャンル :一騎当千型ローグライトサバイバルシューター
配信日 :2024年6月27日
価格 :440円
対応OS :Windows
プラットフォーム:PC
プレイ人数 :1人
対応言語 :日本語、英語、中国語、韓国語
ストアURL :https://store.steampowered.com/app/2811040/Crystal_Survivor/
権利表記 :©EXAMGAMES

ご一読いただきありがとうございました。
お問い合わせ先: examgames.jpn@gmail.com
本件に関してインタビューを実施していただける等、ご連絡お待ちしております!

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

エグザムゲームズのオススメ記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?