新型コロナウイルス後遺症とワクチン後遺症の類似点と相違点

以前

という記事で、何故新型コロナウイルス感染後に長期後遺症が起きてしまうのかを解説した事があった。

発症中の上咽頭部の大きな破壊を起点として慢性上咽頭炎になり、継続的なサイトカインの放出が起き、自分の免疫が暴走し続けて脳や体を常に攻撃して色々な全身疾患を発生させてしまうという感じだ。

上咽頭炎については何十年以上もの研究の歴史がある病気で、その病態や治療法についてはかなりの部分が日本では分かっている。
新型コロナウイルスの長期後遺症の人でも大半が慢性上咽頭炎が起きているのが確認されていて(患者の8割以上)、その上咽頭炎を適切に治療する事でサイトカインの異常放出が治まっていき、免疫の暴走が落ち着いて全身の諸症状が緩和されていくという風になっている。

<ワクチン後遺症でも同じように大半のケースで上咽頭炎が起きている>

新型コロナウイルスのワクチンを接種した後、新型コロナウイルスの後遺症と似た全身症状が長期間出てしまう人もいる。

これらの人達も上咽頭部の炎症をチェックすると、大半が同じように慢性上咽頭炎になっていて、上咽頭擦過療法(Bスポット療法、EAT)を継続する事でこの部分の炎症を解消すると、全身の症状が軽快して治っていくというのが多数のクリニックで報告されている。

機序が違うはずなのに何故か新型コロナウイルス長期後遺症もワクチン後遺症も同じように慢性上咽頭炎が起きていて、それを治療すると軽快して治っていくという感じだ。

それでは何故ワクチン接種によって慢性上咽頭炎になってしまったのだろうか?
それは「ワクチン接種後に生成されるスパイクたんぱく」がこれを引き起こしてしまったと思われる。

<スパイクたんぱくを取り込んだ細胞は自分の免疫がどんどん破壊してしまう>

mRNAワクチン接種後、mRNAが細胞の機能を借りてスパイクたんぱくを大量に生成して血中に放出していく事になる。

このスパイクたんぱくは新型コロナウイルスのスパイクたんぱくと同じ形になっているため、「血流で流れていった後、コロナウイルスが結合しやすい細胞に入っていく」という性質がある。

新型コロナウイルスはどこの細胞とも結合しやすいわけではなく、咽頭部やその他の「コロナウイルスが結合しやすい細胞」部分に取り込まれていってしまう。
ウイルスが持っているスパイクたんぱくの形がこれらの細胞と結合しやすい感じになっているからだ。

新型コロナウイルスの場合は主に咽頭部の細胞に取り込まれて、その後はウイルスが増殖してから細胞を破壊して出てくるという感じになっている。
しかしワクチンで作られたスパイクたんぱくはウイルスのように細胞内では増殖する事はなく、またスパイクたんぱくが細胞を破壊して出てくるという事も無い。

しかし「細胞内に異物(コロナウイルスのと同じスパイクたんぱく)が挿入されている」という事で、自分の免疫が結局その細胞を破壊するという事をやってしまう。

通常の新型コロナウイルス感染やインフルエンザ感染などでも「細胞内に異物が入った」とわかると、自分の免疫がウイルスが増殖する前にその細胞を破壊しようとしてしまう。
同じ事がワクチン接種後に生成されたスパイクたんぱくを取り込んだ細胞に対しても起きてしまうのだ。

ワクチン接種によって慢性上咽頭炎に発展したのは、

・個人差はあるが、血管を通って流れてきたスパイクたんぱくが上咽頭部の細胞である程度集積してしまった
・そのスパイクたんぱくを取り込んだ細胞を自分の免疫がどんどん破壊していき、上咽頭部の組織が大きく破壊されてしまって慢性上咽頭炎になってしまった

という流れを踏んで起きてしまったのではと思われる。

いずれにせよ、ワクチン後遺症で苦しんでいる人も上咽頭部の検査を行い、慢性上咽頭炎が起きている場合は適切な治療をしていくべきだ。

<治療箇所の増加や在宅治療の必要性>

新型コロナウイルスの長期後遺症もワクチン後遺症も大半のケースで慢性上咽頭炎が発生していて、その治療によって後遺症が軽快していって治るケースが多いため、より身近なクリニックで上咽頭擦過療法が受けられるよう、治療方法の講習や保険点数上昇による後押しでの治療クリニックの増加など政府は支援をしていくべきだと思う。
今現在苦しんでいる人達の一日も早い回復のために政府はきちんと力を入れていくべき。

また、「後遺症が強すぎて病院に行くのもつらい」という人もいるだろう。
歯科治療においては訪問治療も可能になっているが、上咽頭擦過療法も患者の自宅での治療が可能な処置のため、肉体の倦怠感が強いなどで病院に来るのが難しい患者のために訪問治療が可能な制度も確立していくべき。