<ゲームの売れ行きアップ方法>第10回:値引きセールの大切さ

 インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。

 第10回は「値引きセールの大切さ」です。

 

<ゲームの売れ行きアップ方法>第10回:値引きセールの大切さ


 インディーゲームでは「頻繁にそこそこの割引率で値引きセールをやる」はかなり大切な事です。
 インディーゲームリリース後にまったく値引きセールをやらない、やっても年に一回か二回程度みたいな事をしているパブリッシャーやデベロッパーもわりと多いですが、その考えはもう完全に時代遅れだと思います。

 今はストアで頻繁に割引セールをやっていて、ほとんどのユーザーからすれば「インディーゲームはセールで安く買うのが普通。割引無しの時に買うのはすごい損」という風に映っています。
 値引きセールを全然やらなかったり、年に一回か二回しかやらないという事は、「大半のユーザーからはもうそのソフトは眼中に入らなくなる」という風になりかねません。
  
 知名度がかなりあったり話題のソフトはそれでもある程度売れるかもしれませんが、多くのインディーゲームで「セールをしない」や、「セールをしても頻度がかなり低い」は多くのユーザーからはそのソフトの存在が空気となり、売れ行きを大きく落とす事になります。

 また、セールの時に10%や20%程度しか割引をしないゲームも、「割引率が低いから今回のセールではこのソフトはスルー」みたいな事になりかねません。
 人気作品は20%引きでも売れているのも一部ありますが、大半は割引率が低いとセールの時にユーザーに綺麗に無視されます。
 元の値段が700円以下で買いやすい作品なら、低い割引率でも買われる事もありますが。

 こまめにセールをするのはもちろん、「セールの時は最低でも30%OFF、可能なら40%OFFや50%OFFやそれ以下も」という風にしましょう。
 ユーザーによっては「30%OFFでもまだ割引率が低いから今回のセールではこのゲームは購入はしない」ととらえる人も今はかなり多いです。

 50%や70%OFFの大幅割引は当然一販売あたりでは利益が大きく減るものの、それで通常価格の時より売れる数が何倍も増えて結局儲けが大きくなったり、動画で作品を紹介してくれるyoutuber達を多く増やす事にもなります。
 ゲームの数が増えすぎて埋もれやすい今は、より多くの人に作品紹介してもらわないといけません。

 このようにインディーゲームで利益を増やすには、パブリッシャー側からデベロッパーに提案したり、デベロッパー側からパブリッシャーに提案して定期的にそこそこの値引き率の割引セールを行うのが大事です。
 
 最近はリリース直後から30%オフセールをやるソフトもありますが、それも「初期からセールをやって多くの人に買ってもらう」というのでリリースすぐから紹介してくれるyoutuber達を増やす事になるでしょう。
 インディーゲームはセール以外の時に買う人は少ないので、リリース直後からそれなりの割引率でセールを頻繁にやるのは良いと思います。
 有名タイトルでさえリリース数か月で30%OFFセールを当たり前のようにやっています。

 ユーザーからしても、「このゲームを気に入ったからウィッシュリストやお気に入りリストに追加し、セールの時に買おう」と思っても、そのソフトのセールが一向に無かったり、セールの時も10%や20%OFFの少しの割引ではいつの間にかそのゲームへの興味が薄れて、お気に入りリストから削除してしまう事もわりとあります。(30%OFFでも今は結構スルーされる)
 
 またリストからは削除しなくても「以前ほどはこのゲームはもうそこまで強くプレイしたいとは思わなくなった」という風になったり。
 同じようなジャンルの別の会社のソフトをセールの時に買ってしまい、もうそっちですでに満足してしまったりも。

 売り手側からすると「セールは通常より売り上げを増やす物」という古い考えがありますが、今の大半のユーザーからすれば「インディーゲームはもうほとんどはセールの時に安く買う物で、割引無しや割引率が低い時はよほどの事がない限りは買わない」という考えになっていて、売り手側は今はこのズレをきちんと認識していないと大きな失敗をしてしまいます。

 お金にかなり余裕のある人や、そのゲーム会社を応援したい人、新作紹介で動画の再生数を増やしたい動画投稿者達は発売日に値引き無しでもすぐ購入しますが、こういう人達は一部です。

 パブリッシャーや、パブリッシャーから細かい販売データを提供してもらっているところは、「一部をのぞきほとんどのインディーゲームはセールの時の売れ行きが大部分を占め、通常価格の時は売れ行きがものすごく悪い」というのは良く知っているでしょう。



 

このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。


次回は第11回「衝動買いされる激安価格はいくらくらいが適切か」です。
インディーゲームの中には100円や200円くらいまで極端にセールで値下げしているソフトもあります。
ユーザーはそこまで値下げされるともうあまり考えずに、興味がわいたらそのゲームをすぐ買うという効果があります。