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Z世代の年賀状文化ー年賀状の変化

Z世代とは


Z世代Y世代といった世代分けには明確な線引きはありません。しかし、だいたいこの辺の世代という大まかなものがあるので、そちらを紹介します。
Z世代とは、主に2000年代生まれの世代を指す言葉。
幼少期から、SNSやスマートフォンに親しみながら育っている世代です。

今回はそんなZ世代という若い世代と、日本の長い文化である年賀状を繋げて、年賀状文化の変異を考えていきます。

新年の挨拶


新年の挨拶といえば、年賀状ですね。
イメージとしては、年賀はがきに干支の絵や謹賀新年の文字を飾ったものを、お世話になった人に送り、新年の挨拶とするものです。
あけましておめでとうございます」という意味を込めたもののため、前年に身内が亡くなった人の場合は喪中として年賀状を控えるという場合も。
年が明けたタイミングで、周囲の人へ近況報告や御礼、挨拶をする、日本独自の文化・年賀状。
まずはその歴史を知っていきましょう。

年賀状の今まで


まずは年賀状の今までについてまとめていきます。
平安時代まで遡って、起源から掘り起こしてみましょう。

起源ー平安時代


年賀状の起源として挙げられるのは平安時代の貴族の手紙です。
平安時代の貴族・藤原明衡が執筆した手紙の文例集の中に「年始の挨拶」としていくつかの文例が含まれていたことから、これが年賀状の起源であると考えられています。
とはいえ、初期の年賀状……もとい、年始のお手紙は一部の貴族の間で交換されていた程度で、言ってしまえば貴族の暇つぶしや流行りといった程度のものであったと考えられます。

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流行ー江戸時代


実際、庶民の間で年始の挨拶として文をやり取りすることが一般化していったのは江戸時代。
町飛脚などを利用して、多くの人々が年始の挨拶を手紙によって行い始めます。

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礼儀ー明治時代


明治時代に入ると、郵便事業の拡大やハガキの発行が始まり、年賀状はより多くの人へ広まっていきました。
つまり、明治時代でハガキが発行されるまでの年始の挨拶は手紙で行われていたんですね。
また、郵便事業の拡大や充実も相まって、より多くの年賀状のやり取りがされるようになっていきました。

この頃には、一般的な礼儀として年賀状が定着していきます。
主に、普段会えない人への近況報告や、住まいの知らせ、また、お世話になった人への御礼を込めた年賀状は礼儀として、今よりも堅苦しいものとして扱われていました。

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文化・常識ー近代


そして近代、一般的な常識・文化として定着した年賀状。
目上の人やお世話になった人、遠くに住んでいる人に限らず、同級生や部下、近所の友人なども含め、関わりのある人に宛てて送るものとして認識されています。

近代では、定着した常識や長い文化として、仕事の関わりから友人、知り合いまで、幅広い関係性に向けた新年の挨拶として年賀状が送られています。

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現代の年賀状の形


現代の年賀状といえば、やっぱりハガキ……と言いたいところですが、ここ数年の新年の挨拶はまた変わってきました。ハガキはもちろん、メールやSNSを通した新年の挨拶の形がメジャーとなっています。

ハガキ


まずは定番のハガキ。こちらは年始の挨拶といってまず思いつく年賀状ですね。
デザインハガキのテンプレート集などが毎年書店に並ぶほど、定番化した年賀状の形ですが、インターネットの普及に合わせてじわじわと利用者数が減っているようです。
ビジネスの関係や、おばあちゃん・おじいちゃん世代、X世代より上の世代では礼儀としての認識もあり、きちんとハガキで年賀状を送り合うということが重要視されることもあるようです。

Eメール


次にEメール
ここ数年ではSNSの普及で、Eメールもまた利用者数が減っていますが、年始の挨拶にEメールを使う人・使っていた人はいるのではないでしょうか。
平成中期頃、携帯電話の普及が高まった頃にはデコメールで新年の挨拶をした記憶がある人もいるのでは?
令和に入る頃にはEメールでの年始の挨拶はめっきり少なくなった印象がありますが、ビジネスでは一斉送信できることや物理的にかさばらないことで重宝されるシーンもありますね。
Eメールをプライベートの年始の挨拶に利用した人といえば、X世代やY世代の人が当てはまるのではないでしょうか?
ちょうど、ガラケーからスマホへ移行した頃に学生時代を過ごした人たちですね。

SNS


SNSを使った年始の挨拶は、ハガキやEメールと違い、機能別にやり方が異なるので分けていきましょう。
SNSでの年始の挨拶はTLへの投稿・ストーリーズへの投稿・個別のメッセージなどがあります。

TLへの投稿はフォロワーに向けての投稿で、画像なども添付できるため昨年度を振り返った写真を添付したり、新年に関わる画像を添付したりできます。
主にTwitterFacebookInstagramで見られる方法ですね。
1対1で特定の相手と送り合うものではなく、あくまでフォロワー全体に向けて発信するものですので、「あけましておめでとうございます」という文言を気軽に使えます。
また、受け手に関しても、喪中であればスルーしてしまっても失礼にならないため便利です。

TLへの投稿では、「おめでとうございます」も「喪中につき年末年始のご挨拶は失礼させていただきます」も自分本位で構わないのが利点。
より気軽な新年の挨拶を届けられます。

ストーリーズへの投稿は、InstagramやLINE、Facebookで使える方法。
24時間で消えるストーリーズへの投稿は、元日に投稿すれば2日の同時刻には消えるので、軽めの挨拶としては最適かもしれません。
画面いっぱいに写真やスタンプ・動画を貼り付け、挨拶の文言を入力して新年の挨拶とします。
これもTLへの投稿と同じくフォロワーに向けての挨拶ですが、やはり喪中の場合はスルーできますので、誰にとっても気楽に行える挨拶ですね。

そして個別のメッセージですが、これは各SNSにあるメッセージ機能を指します。
TwitterのDM・Messenger・LINEのチャット・InstagramのDMなどがありますね。
これらはEメールに近く、個人どうしで新年の挨拶を送りあえますが、Eメールより便利なのはグループ機能です。

特にLINEではクラスや部活を始め、会社のチームや友人など、コミュニティごとにグループチャットを作成している場合が多いです。
ここへ1つ挨拶を送れば、グループ全員に同時に新年の挨拶を済ませられますので、これはかなり便利。
Eメールにも一斉送信機能はありましたが、この人送ったっけ?といった重複や送り忘れを回避しやすいのはグループチャット機能です。

ただし、グループ内に喪中の人がいる場合もありますから、間柄によっては注意が必要です。

SNSでの新年の挨拶が一般的なのはZ世代です。最初に説明した通り、SNSやスマホに幼少期から慣れ親しんでいる世代はこのような形で新年の挨拶を済ませることが当たり前のようですね。

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年賀状のこれから


さて、様々な年賀状に関する話をまとめてきましたが、これからの年賀状はどうなっていくのでしょうか。
意外にも、年賀状をハガキで送るというのも歴史が浅く、その後も連絡手段の変異と共に新年の挨拶の形は変わってきました。

手紙、ハガキ、Eメール、SNSと変わってきた年賀状文化ですが、今後も新たな連絡手段や年賀状の形の流行によってその形は変わっていくのだと思います。
しかし、新年の挨拶という文化が廃れているのではなく、それは形を変えて受け継がれているだけ。
この先の世代も、新年の挨拶という大きなくくりではこの文化をより時代にフィットした形で受け継いでいけると思います。

参考:https://nenga.kitamura.jp/useful/1106626/


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