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「匿名コミュニティに人格を形成されないために」

このnoteでは、匿名コミュニティのなかの自分を「本来の自分」だと思うことで生じる問題を書いていきます。

また、SNS上で人格が変わりやすい人の特徴もまとめています。

匿名コミュニティとは


匿名コミュニティ、匿名SNSとはインターネット上で本名を明かさずに人と繋がったり、自分の意見を書き込んだりできるネットワークです。
多くの人が使っているTwitterやInstagramも匿名SNSに含まれます。
匿名コミュニティ、匿名SNSには普段人に言えない悩みを相談できたり、自分の好きなものを共有できたりするメリットがあるでしょう。
しかし、匿名だからこそ言えてしまう棘のある言葉や誹謗中傷がインターネット上に溢れているのも事実です。
特に小学生や中高生などのいわゆるZ世代の人たちは、SNSに支配されやすい世代といえるでしょう。

匿名コミュニティで作り上げられる人格


前述したとおり、匿名コミュニティは棘のある言葉や誹謗中傷を簡単に書きやすい場所です。
そのため、匿名コミュニティのなかでの発言や態度が本来の自分なのではないかと思い込んでしまう可能性があります。
具体的には、普段は積極的に人と話さなかったり自分の意見を言わなかったりする人が、人を追い詰める言葉や批判的な言葉を書くなどです。
そして、匿名コミュニティ上でそのような言葉を発信し共感や支持を得られると、自分に自信を持ち「本来の自分は強い言葉を発言することで優位に立てる人間」という風に思ってしまうケースがあります。
次第にリアルの自分と匿名コミュニティのなかの自分が同じ性格であると錯覚してしまうのです。
リアルの自分とSNSのなかの自分が同じだと勘違いしてしまうと、現実で自分の思い通りにならないことにイライラしたり、現実とSNS上の自分の性格が別物だと気付いたときにそのギャップに劣等感を感じたりしやすいでしょう。
また、「SNS上で支持を得られれば良い」「匿名で発信したことでも誰かが共感してくれれば良い」と思い過ぎることで、現実の世界で生きる自分に希望を持てなくなる人もいるのではないでしょうか。
そうなると、完全にSNS仕様の人格が形成されてしまい社会で生きづらい自分が出来上がってしまうこともあります。

なぜ匿名コミュニティは人格が変わりやすいのか?


匿名コミュニティのなかで人格が変わりやすいのには、主に以下の理由が考えられます。

・相手のことを知らないから


匿名コミュニティでは、名前はもちろん相手の顔も分かりません。
知っている相手であれば、「この発言をしたら嫌われるかもしれない」「相手を傷つけてしまうのではないか」と自然と考えることができますか、全く知らない顔も見たことない相手であればそのような気持ちが薄れてしまうのです。
匿名コミュニティのなかの相手にきつい言葉を投げても、罪悪感を感じにくいでしょう。
そのため、直接であれば絶対に言えないことも簡単に言えてしまうのです。

・自分のプライベートを知られていないから


匿名コミュニティのなかでは、相手のことを知らないのと同様に自分のプライベートや本来の性格も知られません。
そのため、もし匿名コミュニティのなかで相手と言い合いになったとしても、プライベートに影響したり自分に直接的に被害が及んだりする可能性は低いでしょう。
相手に自分の名前や会社名、住所などを知られていたら、何かトラブルを起こしてしまうと被害に合うかもしれないと怖くなるはずです。
しかし、匿名コミュニティのなかではそのような恐怖が薄れます。
大した被害は及ばないと思い、自分の人格を変えて別人になることができてしまうのです。

・匿名コミュニティ上で仲間意識が芽生えるから


匿名コミュニティでは、仲間意識が芽生えやすいといえます。もちろん顔も名前も知らない相手のため、仲良く遊んだりプライベートの話を隠さず話したりすることは少ないでしょう。
この場合の「仲間意識」は悪口や誹謗中傷でできあがるものです。たとえば、自分が好まない芸能人やインフルエンサーのSNSを見るとしましょう。
その人が投稿している写真を見て、「やっぱり好きじゃないなあ」「どうせ加工でしょう」などと良くないことを思うことも人間なのであるはずです。
そこで、先に自分が思っていることをコメントしている人がいるとします。そうすると、「この人私の言いたいことわかってる!」とまるで仲間がいるみたいな気持ちになってしまうのではないでしょうか。
思うだけならまだしも、その人のコメントに乗っかり「私もそう思います」「やっぱりこの人嫌ですよね」などと同感してしまう人もいるのです。
そうすると、どんどん会話が広がり悪口で盛り上がってしまいます。
このような「仲間意識」が生まれることで、人格がどんどん歪んでいってしまう人もいるでしょう。

・なりたいキャラクターを演じやすいから


匿名コミュニティでは、憧れているキャラクターを演じやすいです。
本来の自分とは真逆のキャラクターに見せることもできます。
ポジティブな意味にも捉えられますが、なりたいキャラクターをSNS上で演じることはどうしても自分を偽ることになってしまうのです。
最初は承認欲求が満たされるかもしれませんが、しばらくすると孤独感を感じたり本来の自分を受け入れてくれる人はいないのではないかと思ってしまったりすることもあるでしょう。
自己肯定感が低かったり理想が高かったりする人ほど、自分が望むキャラクターを演じたいと思い自ら人格を変えてしまいがちです。


匿名コミュニティで人格が変わりやすい人の特徴


匿名コミュニティで人格が変わりやすい人は、現実での生活が上手くいっていない可能性が高いといえます。
なぜなら、現実で自分の意見を言えなかったり悩みを相談できる相手がいなかったりすると、そのストレスを全てSNSで発散しようとしてしまうからです。
SNS上では自分の気持ちをすべて吐き出し人に当たる人が多くいます。
現実では大人しく目立たない人でも、SNSで優位に立てた気になるとどんどん人格を変えて人を攻撃してしまうのです。
また、正義感が強すぎる人も匿名コミュニティで人格が変わりやすいといえます。
正義感があるのはとても良いことですが、その正義感が人を批判して自分の意見を述べることだと思い込んでしまう人がいるのです。
人の間違いを正そうとするあまり、自分の意見がすべてだと思い言葉を選ばずに書き込んでしまうとそれは正義感ではなくなります。
現実ではある程度人の顔色を見ながら自分の正しさを主張できる人でも、SNS上では相手の顔が見えずつい自分の意見を突き通そうとしてしまうのです。


匿名コミュニティのなかの自分とリアルを錯覚しないためには


匿名コミュニティを使うこと自体が悪いことではなく、自分の気持ちを素直に発信できたり悩みを相談できたりと、使い方次第ではメリットが多くあるツールでしょう。
ただし、匿名コミュニティのなかの自分とリアルの自分を錯覚しないように、現実でもしっかりと周りの人とコミュニケーションを取ることが大切です。
身近な人のなかで、自分の素直な感情を出せる人を見つけましょう。
自分を認めてくれる人がいれば、SNS上で人格を変えて承認欲求を満たしたり、ストレスを人にぶつけたりすることが自然と少なくなるはずです。
匿名コミュニティや匿名SNSのなかだけで生きようとせず、現実に目を向けて自分を受け止めてあげましょう。

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