見出し画像

資金調達のプレスリリースのおまけ

こんにちは、トクイテンの代表豊吉です。トクイテンでは12月14日に資金調達、ハウスの完成、ロボット開発についてプレスリリースを発信しました。

非常にありがたいことに、多数の反響をいただき、日経新聞DIAMOND SIGNALForbes JapanBRIDGE等のメディアでも紹介いただきました。

この投稿ではプレスリリースには文字数の都合でかけなかったこと、プレスリリースを出してみての豊吉と森の気持ちを紹介します。

豊吉隆一郎

SNSなどで皆さんに拡散いただき、またメディアにも取材いただいてとても良いリリースになりました。また、トクイテンの取り組みが多くの方に好意的に受け取ってもらえたことも嬉しかったです。ありがとうございました。

最近会社説明のようなものが続き、我々がいかにすごいかということを話してばかりいました。今日もたくさん褒めてもらって十分な気持ちなので、せっかくのnoteということでチャレンジャーとしてワクワクしてる気持ちや、起業家として燃え上がっている使命感以外について話そうかと思います。

例えばビニールハウスを眺めながら
「いよいよ引き返せないところまで進んでしまった」
という恐怖で怯えている小心者で内向的な私の気持ちです。

私は今回2回目の起業であることや40歳という年齢もあって周囲からは期待していただいてるのを感じます。しかし私個人の視点からすると、これまでの人生はプログラミングや読書といった、私ができるたった2つ3つのことを頼りに暗闇の一本道を進んできたにすぎません。(誰の人生もそうかもしれません)

自分には何もなかったとか、私がやってきたことは誰でもできるとかというようなことを言うつもりはありませんが、「こうして、こっちに進んで、これを選んだらうまくいくな」とやってきたというよりは「これもできない、あれもできない、プログラミングならできる」と消去法でやってきたわけです。他の人が当たり前にやっていることができずに悩んだこともありますし、今も少し悲しいと感じる瞬間はよくあります。

なので、でかいハウスでの有機農業で、しかもロボットも開発しないといけないなんてと考えると自分にできるんだろうかと怖くなるのも当たり前なのです。やったことないんですから。無職のままでよかったのではないか。やったことのあるソフトウェアだけの仕事にすればよかった。ハワイに移住すればよかった。とぐるぐると頭の中の声が鳴り止まなくなります。

でも、じゃあどうして続けられるかというと、やったことないことをするのはワクワクすることだし、絶対に誰かがやるべきことだからでしょう。これがまた前職と同じようなソフトウェアの会社を作って儲けようということだと面白くありません。私の性格からするとそれは学校を卒業してもう一度同じ学校に入るようなことであったり、一度乗ったことあるジェットコースターにもう一度乗るようなことなのです。

地球のため、人類のためになるかもしれないということにアクセル全開でぶつかっていくからこそ私も楽しいし、周りの人も面白がって応援してくれるのだと思います。

トクイテンの持続可能な農業へのチャレンジはまだ本当にうまくいくか、今の方法でいいのかわからないところも多いです。でも向かっている方向は間違いのないものです。それについては確信があります。やりきったあとに後悔がないことも確かです。もし誰かがやるのなら、自分たちでやりたい。自分たちの力を存分に発揮してみたいです。

今回の会社でもすでに本当にたくさんの人と力を合わせてここまできました。とても時間のかかるチャレンジです。ぜひこれを読んでくださってるあなたが個人として会社として応援してくださると嬉しいですし、もし一緒に直接お仕事できるならなお嬉しいです。

2月のデモはまたこのnoteでも案内する予定です。是非お申し込みください。そしてミニトマトの販売も3月ごろからスタートです。僕らの作ったロボットミニトマトをお楽しみに!

森裕紀

改めまして、森裕紀です。トクイテンの共同創業者で取締役です。早稲田大学所属の研究者でもあり引き続き活動しておりますが、今年の4月からは大学の勤務時間を減らして事業に軸足を移しています(研究予算を獲得しているプロジェクトは引き続き推進しますので研究の関係者の皆様、ご安心ください)。

プレスリリースに先立って、名古屋での展示会の様子がテレビで紹介されたり、メディアの方々からの取材があったりと対外的な仕事が増えていましたが、これで一段落かなと少しホッとしています。学会などで見知らぬ人と話すことには慣れているつもりでしたが、相手のバックグラウンドが違ったり、分からなかったりすると少し緊張しているのか、終わるとどっと疲れていることがあります。11月の終わりの展示会の後は頭痛がひどかったのですが、徐々に治ってきたところです。

さて、豊吉がこの事業に賭ける思いを綴ってくれたので、私も少し角度を変えて初めての創業で感じたことを書いてみようと思います。

思い返してみると創業時には高揚感のようなものは感じてなかったかもしれません。多少ワクワクはしていたのですが、新しい研究テーマに取り組むときと同じ感じというか、期待も不安もありつつ妙に冷静に考えていたと思います。研究者としての経験で新しいことに挑戦することに対する耐性というか蛮勇といったものはあるかもしれません。失敗をあまり怖がっていないという言い方もできますが、失敗しないに越したことはないので、バランス感覚は必要だなとは思っています。

創業時にtwitterでトクイテンの事業について以下のように書いています。

基本的なことは変わっていません。この認識は間違っていなかったと思いますし、これからも、考えが深まることはあっても状況認識が180°変わるということはないように思います。

実際に取り組んで分かったことももちろんあります。解像度も高まってきたので、創業時よりもう少し踏み込んだことも書けるかもしれません。

一つ目は、「自分だけ理解していてもダメ」ということです。研究であれば分からない方が悪いと割り切る、自分だけ先に進んでしまう場面もあります。しかし、会社の場合はよほど事業と結びついて変えの効かない知識でないのであれば、目的と手段に多少の齟齬があったとしても、しっかりと体系化された知識を優先して使っていった方が後々のメンテナンス性や仕事の引き継ぎが楽になるといったことです。この考えは、関わっていただいているロボット技術者の方のアドバイスでもあり、当初自分で作っていた手法を諦めたりもしましたが、これでよかったと思っています。最新の技術や目的にぴったりあった手法を選ぶより、情報の探しやすい枯れた技術を選ぶことや他人に伝わりやすい手法を選ぶことを優先する。事業の目的とバランスをとり必要な場面ではピンポイントで新しい技術を取り入れたり、自力で考案したりしつつ、チームとして歩調を合わせやすい技術開発についても、改めて考えていこうと思っています。

もう一つあるとすると、学術業界とは違った意味での言葉と信頼感の大切さです。研究者同士であれば、議論に齟齬が起きると定義に返って議論をやり直すということもするのですが、会社内の議論ではうまくいかないことが度々ありました。バックグラウンドが違うと言葉の使い方が違ってくるのですが、そこで誤解が生じて、同じことを考えているのに真逆の考えを持っていると思われて紛糾してしまったことが何度かあります。

もしそこで、信頼感があれば「この人は自分とは逆の考えを持っているような言い方をしているけれど、雰囲気的には反論している訳でもないし、言葉の意味や印象が違っているだけなのかもしれない」と思って、改めて意味を聞き直すこともあるかもしれません。トクイテンは創業以来リモートワークが多く、チームメンバーの人となりを知るためにミーティングの前には雑談の時間を取るなどしてきました。最近では1on1をする機会も作っていますが、これからもチーム内の信頼感の醸成に関しては試行錯誤していきたいと考えています。

ロボットがお披露目されて、新しいハウスも完成しました。創業は一年半前だったのですが、これでやっとスタート地点に立ったのかもしれません。これからも引き続き頑張っていきますので、ご期待ください。

持続可能な農業をつくる仲間を募集中

我々のミッションに共感してくれる方からの応募をお待ちしています。未来の農業をつくるというチャレンジのメンバーになりませんか?

トクイテンについてもっと知りたい、創業チームに直接質問したい方に向けてオンライン会社説明会を実施しています。トクイテンに興味がある方からの申込みをお待ちしています。

現在募集しているのは12月20日(火)12:00 〜 12:50の回です。途中参加、途中退席OKです。お昼ご飯を食べながらの参加もOKです。

会社説明会申し込みフォーム:https://forms.gle/2i6sMGU7pSe8wya78


この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro