劇場クラスターについて

劇場クラスターについて何も言わないのも
違うかなとも思ったので、
一演劇人として、考えと想いを残します。

まず初めに
演劇というものは誰のものなのだろうか?
演劇というものを演劇人は
何のためにやっているのだろうか?

これってコロナ云々関係なく
永遠のテーマだと思うんです。

だってそれでご飯食べてんの?
これよく言われます。

食べてないよ。
小劇場人の80%の人間はバイトをしているよ。

じゃぁ、プロじゃないじゃん!
これもよく言われます。

そうかもね?
俺はそう言います。

でもね、
プロじゃないかもしれないけど趣味じゃないんだよ
10年間バイトをしながら演劇をしている自分は胸を張って言います。

言葉遊びになっちゃうかもしれないけど
俺は自分の事をプロではないけども、
プロフェッショナルであるとは思っています。

お金を稼げてないという視点で
プロではないかもしれないけど

少しでも良い作品を作りたいと常に考えているか?
自分の作った作品に責任を持って演劇をやっているか?
演劇で苦しむことがあっても覚悟を持って立ち向かえるか?
そういう点において
俺は自分をプロフェッショナルだと思っています。

画家
音楽
芸人
スポーツ選手

あらゆるジャンルにおいて
このプロだけど趣味じゃない人という人はいると思います。

もちろん演劇人全員がそうではないです。
あ、この人は趣味だったんだなぁと思う人にも
たくさん会いました。

このくらいの覚悟しか持ってないで今までセリフを言っていたのだなぁって悲しくなる場面も沢山あります。

それでも多くの演劇人はプロフェッショナルとして演劇をやっています。

演劇の為に自分を制限し
演劇の為に苦しんで
演劇の為に生活をして
演劇の為に皆バイトしてるんです。

それは趣味ではなくプロフェッショナルであり
仕事であると俺は認知しています。

俺も含めて演劇人は
ただ、皆経営不振なだけなんです。

話をテーマに戻したいと思います。
今回起こってしまった劇場クラスターについて

まず大事な事は
小劇場と言う場所は
クラスターが起きやすい場所です!

だって劇場内って
防音にする為に密閉する必要があり
発表する為に密集を呼びかけて
多くのお客さんに見てもらう為に密接となる
そんな場所です。

そんな事は演劇人は皆わかっているじゃないですか!
わかってない訳ないんです。
だって、それをコントロールする事が演劇なんだから。

今まで我々はずっと劇場クラスターを起こし続けて来てたじゃないか!

外からの音や光をどれだけ排除して
劇場の音や光の効果を上げる事で
シーンを一つ一つ作り上げてきた。

限られた空間の中で生でやる事で
空気を震わせ、グルーヴ感を生み出し
客席を巻き込んで笑いや感動を産んできた。

どれだけ沢山のお客様に
この作品見て貰えるか?
この感情を届けられるか?
それを考えて告知をして見てもらってきた。

これは全て3密が為せる技でしょ?
劇場クラスターを使いこなして来たでしょ?

ずっとやってきた事なんだよ。
ただそれが、今までウィルスではなく
笑いや感動、作品の面白さ演劇の素晴らしさだった。
それだけの違いなんです。

それらを引き出す力が
コントロールする力が
どれだけあるか?

それが小劇場演劇の面白さの
差になってたんじゃないのかな?

で、今回の一件は?
だから仕方ないじゃないか!

そんな事が言いたい訳じゃないんです。
むしろ逆です。

俺がこの一件で言いたい事は

わかってる事なんだから
ちゃんとしろよ!

です。
今回起こしてしまった舞台を演劇では無い!
とは言いません。
なぜならあの団体はお金を稼ぐことのできる演劇
つまり、プロだから。

でもね、
諸々の記事や報道を見る限り
プロの演劇であったとしても
プロフェッショナルの演劇とは言え無いよ!

これは2.5次元舞台や体感イベント型舞台全体を
悪く言ってる訳じゃ無いです。

俺も2.5次元の舞台に出ていた時
その現場に携わる関係者,スタッフ,役者共に
プロでありプロフェッショナルだなと感じました

そうではなく
これはそんなプロフェッショナルでは無い団体が
公演したから起きてしまった事件だと思います。
小劇場の中にもそういう団体は勿論あります。

今俺は演劇がまだできていません。
それはまた別の事案や理由,タイミングがあります。

でも、俺の仲間は安全に演劇をやっています。
信頼できる団体は公演をしっかり打てています。
話を聞く限りだと、確実に安全に公演を打っています。
その為に、舞台監督を始めたくさんのスタッフがいます。役者が意識を高めています。

今、演劇は安全です!
しかし、安全で無い演劇もあります。
それが今回の様なプロフェッショナルさの無い団体の演劇です。

演劇を知らない皆さん
どうかお願いです。
演劇全体を怖がらないでください。

演劇を観に行く皆さん
どうかお願いです。
しっかりと見極めてください。
そして、自分も演劇を構成する一員なんだと言う自覚を持って、モラルある観劇をしてください。

演劇を行う皆さん
どうかお願いです。
プロフェッショナルの誇りを持ってください。
ガイドラインに則り独自で対策を講じて
偽りなく安全な演劇を行ってください。

演劇は芸術です。
演劇は芸能です。

観る側もやる側もしっかりと
安全を意識して守る事が出来れば
演劇は文化と胸を張って言えます。

皆一人一人が演劇を護る事ができるんです。
護ろうよ。

そしたら、
このコロナの時代を経て
演劇は次のステージに行けるんだから。

俺はそう考えています。

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