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「桶狭間」MVの見どころ、補足など
Youtubeに「桶狭間」の演奏動画をアップしました。4月に公開した桜狩と同じ方法を使って、背景に風景やエフェクトを入れた動画を流し、歌詞のイメージを視覚で補完しています。
前回と違って桶狭間は「夜」や「雷雨」のイメージが多かったため、全体的に暗い画になりましたが、カメラの設定やライティングの課題が見つかっていい勉強になりました。次回はもう少し機材面で準備をしておきたいと思います。
せっかくなので、今回の動画の見どころやお気に入りポイント、補足について、皆さんにお伝えしたいと思います。動画を見る前の予習としても、見た後の解説としても面白いと思いますので、ぜひお楽しみください。
00:33/あやめもわかぬ
轟くいかづち篠つく雨
(雷が鳴り響く中、激しい雨が降り注いでいる)
あやめも分かぬ闇の夜を
(服の模様も見えないほど暗い夜だ)
冒頭は物語の舞台がどんな状況かを歌っています。雷雨の中、服の柄も見えないほどの真っ暗な山中を3000の騎馬を引き連れて今川軍は進んでいきます。
冒頭はどのような映像でスタートするか悩みますが、「これから、ここで起こる事を歌いますよ」と舞台となる場所の風景をイメージできるものを映したいと思っています。
なので、今回は雲がかかった山と雨のエフェクト、雷の映像を採用しています。
実は冒頭の00:33からの約60秒間の音に合わせた映像の切り替えのタイミングや壁に映る影の映り方がかなりお気に入りです。曲がはじまる雰囲気を楽しんでいただければと思います。
03:27/心驕りの酒うたげ~
琵琶の音や歌声の雰囲気が少し明るくなる箇所です。
ここでは、自らの勝利を過信して戦いの前に勝利の宴を催した今川義元を唄っています。
心驕りの酒うたげ
(思いあがって宴会をしはじめた)
松の嵐は琴のしらべ
(松が揺れる音は琴のよう)
鳴神の音は鼓の響
(雷の音は太鼓の音のよう)
世に心地よき夕べやと
(なんといい夜だと)
はきたる太刀の緒うち解きて
(刀も防具も脱ぎ放ち)
歌ひつ舞ひつ興も夜も
(歌って踊って夜を楽しんでいる)
この時、今川義元は飛ぶ鳥を落とす勢いで、各国の将を倒し進軍していました。そのため、彼らは自らの力を奢り、信長の戦闘能力を侮って夜間に宴を催したのです。
歌い舞い踊りお酒を飲む楽しい宴会の様子と今川の奢れる心境を表現しています。
刀も置いているというところからも、かなり油断している様子が分かりますね。
琵琶も歌声も楽しそうな、酔っ払ったような音に聞こえるように意識しています。前後のシーンとの違いを感じていただけたら嬉しいです。
04:46/いとたけなわなる
宴もたけなわというところへ信長軍が一気に攻め立て、油断していた今川軍が慌てふためき、ことごとく討たれる場面です。
いとたけなわなる折しもあれや
(盛り上がりが最高潮になったとき)
四面に起るときの声
(四方八方から敵の突撃の声があがった)
「何事だ!夜討ちか!?」と言う間もなく、雨のように激しく敵の槍先が襲いかかり、嵐のように敵の太刀が押し寄せ、一瞬で天地がひっくりかえったように状況は変わってしまいました。
この激しい戦いの様子をくずれで表現しています。
桜狩では手元の映像が少なかったので、撥さばきもご覧いただけるようにこのシーンでは別撮りのカットを用意して手元のアップも挿入しました。
07:05/定めなき人の世や
今川の軍勢はあっという間に駆逐されてしまい、戦いが終わってしまった後の虚しさ、人生の無常を歌っている箇所です。
定めなき人の世や
(人生は常に変化するものだなあ)
あゝ頼まれぬ人の身や
(ああ、人がどうなるかはわからないものだ)
さもいかめしく轟きし
(あのようにいかめしく轟いていたのは)
名はただ夜半のはたゝがみ
(夜に訪れた雷の神様であったのか)
桜狩でも「人生は常に変化する」という内容の文句がありましたが、戦の後で歌われると意味がより強く心に残りますね。
直前までくずれで激しく戦いの様子を演奏していましたが、一気に雰囲気がしっとりと変化します。討たれた仲間や直前までの宴を思い返しているような歌い方にもぜひ注目してください。
次回は9月公開予定です
次の演奏動画は今月末か、遅くとも10月には公開予定で準備を進めています。四季ごとに1本ずつ、と考えていたので、秋のうちに公開が目標です。
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また、「この解説が欲しい」「こういう要素をもっと見たい」などあれば、次回に反映させますのでぜひコメントください。
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