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俺に「可愛い」は禁句じゃない

乱数でハズレを引いて、女に生まれてしまった。
男子用の四角い襟に憧れて、服を脱ぐときは鏡から目を逸らして生きてきた。
制服のスカートが大嫌いだった、と書くとフェミニズムっぽいが、男らしさを欲しがった結果なので、少し性質が違う。

私服でスカートを履くのは嫌いじゃないし、七夕に、彼氏が欲しいと願ったのも本心からだ。格好いいものは好きだけど、可愛いものも同様に好きなんだ。
異性(俺からすれば同性だけど)が好きで、たまに女の格好していて、一人称が終始『自分』なら、よもや性自認が男だとは思われまい。
少数派の中でも少数派ではないのかと思うが、どうかな。

普段の格好はTシャツにスキニー、スニーカーで統一されていて、かなり中性的だな。
男に間違えられると、やっぱり嬉しい。あぁごめんね、と謝られると寂しい。
気にしないでください、と微笑む時の切なさはひとしお。
だけど、決してその人は悪くない。

家でも職場でも、ちょっと声の低いねーちゃんで通ってるだろうし、それで良いと思う。
不快さはあれども、不自由では無いのだから、それで良いと思う。
これは、諦めじゃ無いぜ。程度によるけど、少数派が共存を模索する時は、孤独であるべきじゃないかと思う。

ところで、好きな男性がいるのだけど、仮に付き合えたとしても、彼に色々気を遣わせてしまうこと必至なので、潔く俺は引くぜ。

俺自身、容姿は悪くないと思うし、そこに関しては両親に感謝している。
だけど、たまたま生まれ持っただけのものに縋って生きてくのは愚かだと思う。それに、固執することも。
俺は、後天的な要素で成功したいし、褒められたい。
だから、努力を惜しまず、この性別に囚われずに生きていきたい。

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