【創作】大好きすぎる彼氏を瘦せさせたい女の奮闘記

その⑧ 筋トレをはじめる (自分が)

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20XX年03月xx日
腹筋計50回、背筋計100回、スクワット計20回
二の腕ストレッチ3セット
プランク30秒2セット
横向きの体感トレーニング30秒ずつ2セット
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あと10秒、9、８、７，衰えが、、、3、2、1、あああ。

筋トレを始めた。

去年一年間、あまり体調がよくなかった。原因の分からないだるさのようなものがずっと抜けず、体を動かすことも避けていた。のだけれど、今年は逆で、体づくりをしっかりしようと思い立った。
人に体形のことを言うのならば自分もアップデートしなければという想いと、そろそろ見えてきた30代、大崩れして後悔しないように今から…という想いと、なんかまあ、いろいろ他にも要因はあるけれど。まあもちろん、無理のない程度で、さぼることも許しながら。

初めてみて愕然とした。小学生でスポーツを始めて以来、自重系のトレーニングは割と好きで、それなりに得意だったのに。

ただ、衰えは感じるものの、久しぶりに筋トレを開始した2週間前と比べると格段にやりやすくなっていて、過去の蓄積というのは案外簡単には消えないのかもしれないと思い始めた。過去の自分ありがとう。

今週に入ってから洋楽を聴きながらやることにしたのだけれど、これが案外良い。筋トレなど、"ながら" でやるより、どの筋肉を使っているか、今やっていることに集中しながらやったほうがいいと聞く。これはなにに対してもそうだと思う。テレビを見ながらケータイをいじったり、音楽を聴きながら作業したり、そういうの、私は個々でやった方が短時間でも濃くていい時間を過ごせる派の人間。
が、英語の分からない私には洋楽はほぼテンポの役割しかないし、意識はあくまで筋トレしている筋肉からは離れない。これ、いいわ。

はいプランクもう1セット。タイマーをセットして、姿勢を作る。
”うつ伏して、肘を立て、背中を丸く上げる、お尻が出っ張らないように、へそのあたりを縮めて引き上げる”
昔叩きこまれた正しい姿勢、というものは簡単にはなくならない。
どんなに悩んでいても、その姿勢をとると、今の私は正しい、という気持ちになって心地よい。たぶん誰にも分かってもらえない、それでいいと思える感覚。

彼はと言えば、最近、仕事の先輩から譲ってもらったというゲーム機でゲームばかりしている。休日もほぼ家でゲームして体を動かさない上に、夜更かしに加速がかかっていて、心配で仕方がない。
平日、私が寝てから帰ってくる上にその時間からゲームを始めているし (たまたま目が覚めてトイレに立った時に知ってしまった)、休みの日は外が明るくなってくるころに布団に入ってくる。心配で気になってしまって、先に布団に入っているのに彼が布団に入ってくるまで、まだ寝ないのか、まだ寝ないのか、と寝付けなくなってしまう日もある。

そうなると今度は、なぜ彼のせいで私の睡眠が邪魔されなければいけないのか、という理不尽いらだちを感じてしまう。気にせずに寝ればいいと思う。私だってそうしたい。それができたら苦労しない。

ゲームしながらポテトチップスとか食べてないだろうか、ブルーライトよくないよ、寝不足は食欲増進に繋がってしまうのに、明日も仕事なのに、寝不足で仕事したら効率下がるでしょ、そもそも今何時だろう、時計見たら余計気になっちゃうかな、云々。気になり始めると寝られなくなる質は小学生の頃からで、「眠れない」とごねてはよく親を困らせていた。
永遠に思考が止まらなくなって、不安というか、怒りと言うか、表現のしがたい感情が胸のあたりに乗っかって、呼吸が浅くなって、どんどん覚醒していってしまう。

身体を動かすことは、寝つきには関係ないが、睡眠の質は上がるという話を聞いた。
私のここしばらくの睡眠不足も筋トレで改善されないかと期待している。