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大好きすぎる彼氏を瘦せさせたい女の奮闘記

その⑥ 進んでるような進んでないような

寝ている彼を起こさないようにそうっとプライパンをコンロにセットする。
火をつけて油を薄くのばし、冷蔵庫から取り出した卵を割り入れる。

色々考えた末、とりあえずは朝ご飯を一緒にきちんと食べようという結論に至った。効果はそんなに高くなさそうだが、何もしないよりはいい。私の精神衛生上も。
代謝に必要な栄養が足りていないと単に摂取カロリーを減らしても痩せない (あとリバウンドもしやすくなる) というのが通説で、かつ私が一番身をもって思うこと。それに、朝に脂質やたんぱく質をとらないと一日の代謝のスイッチが入らないとどこかで聞いたこともある。

きちんと、と言ってもやっていることは、多少のたんぱく質を取り入れること、及びサラダや野菜をメインにしたスープなどをできるだけつけること、くらい。

前者は卵を焼くか納豆を出すかで、後者は前の晩に私の夕食としてスープやみそ汁などを多めに作っておき、それを朝温めなおしている。どちらもないよりはまし程度だが、これなら手間もそんなにかからない。それに、朝ご飯が多少グレードアップしても、これくらいなら突然張り切り始めた感がなくていい。

焼いたパンと目玉焼きを皿に盛り、スープをよそってテーブルに運ぶ。
白地に青でレンコン柄の入ったスープボウルはふるさと納税で買った有田焼のもので、和洋使えて気に入っている。200色ある中でも、これはいい白だなと思う。

朝ご飯の準備が済み、会社に持って行く自分用の水筒に紅茶を入れ終わったころ、ちょうど彼が起きてきて、一緒に食卓につく。
一緒に暮らし始める時に少し奮発して買ったダイニングテーブルは、圧迫感のない淡い色の木でできていて、柔らかい木目調が大変に好み。

当然のようにスープから手を付ける私の前で、当然のようにバターを塗ったパンからかじっている彼。習慣って怖い、と思いながら彼の顔を眺めていると、「何?」と怪訝な顔をされた。「寝ぐせすごいよ」と言って目玉焼きに手を付ける。
私には無意識のレベルで ”食事は野菜から” が刷り込まれていて、それ以外の順番で食べることが出来ない。体重を管理されていた時代の名残は、もはや強迫観念に近い。

そう言えば先日、目的によってはたんぱく質からとるのもいいとテレビ番組で言っていた。
たんぱく質をとるとGLP-1というホルモンが分泌され、その結果インスリンの分泌が増えたり胃の蠕動がゆっくりになったりする効果があるらしい。
要するに野菜から食べるのもたんぱく質から食べるのも、糖質を摂った際に (吸収をゆっくりにしたりインスリンの分泌を促すことで) 血糖値の上昇を穏やかにする (及びその結果降下も穏やかになる) ことで太りにくくなるという原理だったはずだ[1]

ぼんやりとしていたら、彼が「ごちそうさま」と言って席を立った。彼の方を見るとすべて平らげられている。
私はまだ、パンに手も付けていない。
早食いもよくないんだけどなぁ。ちゃんと噛んで食べてほしい。

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20XX年02月dd日
改善可能性
<食事>
① 食事量 (単純に摂取エネルギー)
理想: 平均身長くらいの成人男性で2000kcal弱
現状: 多分超えてる
② 食事内容 (Protein(タンパク質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)バランス、及びその他の栄養バランス)
理想: 厚生労働省による理想はP 13-20%:F 20-30%:C 50-65%1
1日に2000kcal=  タンパク質15%: 300kcal (75g)
        脂質25%: 500kcal (55g)
        炭水化物60%: 1200kcal (300g)
現状: 炭水化物と脂質のバランスが高い (麺類や丼等を好む)
加えて生野菜などを食べる習慣なくビタミンミネラルなども不足してそう
③ 食事時間 (時間、タイミング、分配)
理想1: 朝、昼はきちんと食べる、夜 (特に遅い時間) にあまり重いもの (脂質、糖質の多いもの) を食べない
現実: 昼夜の食事内容は把握不可、朝食 “抜き”or”食パンonly” 等のことがある
理想2: 一日の食事の時間を12h以内に収める
現実: 食事の時間はだいたい決まってて、これはそこそこクリアできてそう。
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