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#5痛む場所は“犯人”?それとも“被害者”?

肩が痛む。腰が痛む。首が痛くて回らない。膝が痛くて歩けない。

痛みはからだの「声」です。
私たちはその訴えを頼りに原因となる部分を探し、解き明かしながら施術をするのですが、

「先生!ここ!ここが痛いんです!」
「本当にこの部分がなくなればいいのに!交換したい!」

と親の仇のように指差し、「こいつをやっつけてくれ!」と言わんばかりに訴えたり、グリグリ押したりする方が沢山いらっしゃいます。

しかし、その場所は本当に今あなたを苦しめている「犯人」なのでしょうか。
それとも、あなたと同じように傷付き訴える「被害者」なのでしょうか。

痛い場所が悪いとは限らない

痛いところとは違う場所に原因があるというのはとても多いことです。

たとえば直接何かにぶつけたりして起こる打撲や骨折も、その場所が悪いのではなく、そのぶつかってきたものによる痛みですよね。

それと同じように、何か外から影響が来ることによってその組織が損傷をしたり、カタチを変えられてしまっているということが考えられます。

雑巾絞りを想像してください。

雑巾の両端を握って力を加えます。
すると真ん中が捻じれることで水が出ます。

エネルギーは両端に加えられていますが、カタチが変化しているのは、その場所ではなく真ん中です。

股関節と足首がうまく使えず誤ったエネルギーが加わると、そのしわ寄せは真ん中にある膝にきてしまうことにとてもよく似ています。

ですのでいくら膝をだけをみても変わりません。
両端にかかる負担を解放することから始めます。
つまり股関節や足首の問題を解決するための施術をする必要があります。

優しく接してあげてください

#3の “姿勢のお話”の時にも書きましたが、からだは頑張れないところがあると、どこかが頑張り過ぎなければいけません。
本来はその筋肉はやる必要のない仕事でも、動ける筋肉はやってあげようとしてしまいます。

そういった場合も痛い場所よりもまずは、もともとの「頑張れない筋肉」が使えるようなればいいはずです。
そうなればとるべきアプローチは、弱った筋肉や使えていない関節に向けてとなります。

ふだん施術をしていて、「先生痛いのはここなんですが」と疑問に思われる方はよくいらっしゃいます。

もちろん痛みを訴えているところを労り、少しでも穏やかな声になるような施術・アプローチもしますが、それは施術としてはメインではないことが多いです。

痛みなどの症状には必ず理由・原因があります。
そしてその原因は、必ずしも痛みのそばにあるわけではありません。

もちろん、内臓疾患などのように痛みがある場所に原因があることもあります。

ですが、痛い場所とは「痛くさせられている場所」ですので、無理にストレッチをしてみたり、やみくもに押してみたりするのは危険ですので控えてあげましょう。

「彼が痛いと言っているからなんとかしてなければ」という慈愛の気持ちで接してあげてみてください。



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