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言葉の遅れ〜言葉の数が増えない①〜

 うちの職場にみえる幼児期ケース、特に3歳までのケースでは、その多くが「言葉の遅れ」という訴えの方です。でも、お話を伺うと「遅れ」の内容はさまざまです。例えば……

・ こちらの言っていることは大方わかっているように見えるのに、全くしゃべらない。声も出さない。
・ 言うことが全然聞けない。何をどこまで理解しているのかが分からない。
・ 色々訴えてくるけれど、何を言っているのか分からない。そのうち親も子もイライラして怒り出す。
・ 動画でもなんでも一度聞いたことは覚えてしまう。なのに全く会話にならない。
・ 2文字ぐらいの音の単語なら言えるけれど、そこから話し言葉が伸びない。 …………などなどなど…………


 今回はその中でも、
「なんとなく喋り始めているのに、なかなか言葉の数が増えてこない」
お子さんについて、その対応についてまとめてみます。

 言葉を話しはじめたお子さんたちは、「まんまんまん……」などの喃語から、「まんま」などの幼児語に移行していくことが多いですが、

「ちゃちゃ(お茶)」
「ぶーぶ(車)」
「わ(ん)わ(犬)」
「あーぱ(アンパンマン)
「もも(桃)」
「あお(青)」

など、2音節の幼児語が出てから半年しても、なかなかそのさきの言葉が増えていかない、ということが多いです。 

 実はこれらの発話には規則性があります。ローマ字にしてみると分かりやすいのですが、例えば「ぶーぶ:bu-bu」「あーぱ:a-pa」「あお:ao」など
①子音が一つ以内 ②母音は一つか二つだが、子音が入るときは母音は一つ 大体このルールに則ってお話をしているお子さんが多いです。
 私たちが言葉を話すとき、この①②の枠組みであれば「イメージした音を発音する」ことがしやすいのではないかと考えられます。ここで足踏み・時間がかかってしまうことが多いのです。

 このルールの中でお話しているお子さんだと、お母さんお父さんに言いたいことを伝えたくてもなかなか伝わらなくて、どちらも辛くなってしまうということが起こります。
 結論から言えば、3歳ぐらいでこの話し方のお子さんであれば、その後十分におしゃべりができるようになることが多いのですが、言葉の発達を促進するための働きかけをすることはできます。

 その前に一番重要なのは、家を訓練場にしないこと。お子さんが楽しんでいること、遊びの雰囲気のなかに親子がいることが絶対条件です。それだけ気をつけて臨んでくださいね。

 実際の関わりについては次回に続きます。 

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