読書感想文・面白いって何なんすか!?問題 センスは「考え方」より「選び方」で身につく 井村光明著

井村光明さんの面白いって何なんすか!?問題 センスは「考え方」より「選び方」で身につくを読了。
良い企画を書くための3つのポイントは以下、というところが要旨かと思います。
・分かりやすいこと
・似ていないこと
・偶然そんな単語を見つけること
その中でも、「似ていないこと」というのが一番大事で、似てる要素を省いていければ、省けるくらいにはアイディアを出すが前提だけど、似ていないものに辿り着けるかも?というのが一番大事な気がしました。
広告代理店からドロップアウトした僕は、もう企画を書いたりすることはないのだけど、いや、元々たいして企画を書いたこともないけど。とても参考になる話だと思いましたし、広告に限らずアイディアを、考えるすべての人に役に立つ話だったと思います。
上記の面白いものを考えるヒントも面白かったのですが、僕が一番共感したのは、「最近、面白い事例を語る人が多い」との点です。井村氏は「面白い、面白くない」を自分で判断するのが難しいから、つい事例で語りたくなるのかも?と言っていました。広告代理店に居たときに、僕は事例で語る人を沢山見てきました。でも、僕はそこに違和感を感じていました。事例を語って、その二番煎じ的なアイディアを企画に落としていく。そこにオリジナリティはあるのか?と。建築をかじってきた僕としては、与えられた要素から、答を出すことが企画することだと思っていました。事例を語って、都合のよいアイディアを出すことがよい企画だとは全然思えなかったし、そこに共感できなかった。
結局ドロップアウトした僕ですが、広告代理店にいて、嫌だったことのひとつを、この本を読みながら思い出した次第です。
完全なオリジナルは存在しない。とは思います。何かと何かをくっつけたり、見る角度を変える、そういうことがオリジナルを見つけるヒントなのだとは思います。井村氏の言う運も大事です。
でも一番大事なのはグルグル考え続けることなのだと思います。それがないと、似たものを省いて、似ていないものに辿り着けないから。
井村氏のような先輩がいてくれたら、僕は広告代理店の仕事を続けられたかもと思った、そんな読了後の気持ちでした。

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