fuck 非推奨とはいえ【我流英語教室R-18】

 前回のコラム「poke 言い過ぎ問題」で彼氏が fuck も言い過ぎるという件に触れました。そこで彼氏に、「英語の悪いスラングはどれだけ悪い意味なのか?」と尋ねてみました。ある夜ご飯のとんかつ屋さんの席です。余談ですが、彼氏はお箸の使い方が非常に上手です。大学時代の同級生に熊本出身の男子がいて、彼に教わったそうです。

 彼氏はちょっと戸惑ったようなバツの悪そうな顔をして、「それは……すごく、悪い」と答えた後、「どうしてそんなことが知りたいの?」と訊きました。そこでわたしは、「だって、あなたしょっちゅう fuck って言うでしょ。だから、それってどれだけシリアスな意味なのか、軽い意味なのか、よく分からなくなっちゃって」と答えました。

 彼氏は、ああ、というような、でもやっぱりバツの悪そうな顔のままで、「それは、状況による。fuck は、oh! っていう意味の時もあるし、great!っていう意味の時もあるし、go to hell! っていう意味の時もあるし、××××っていう意味の時もあるし、いろいろ」と教えてくれました。ああ、まあ死ぬほど悪い意味って訳でもないんだな、と、それなりに納得しました。ですが、彼氏は「でも、君は使っちゃダメ」と止めるのです。自分の子どもには絶対使わないんだとか。じゃあ彼女にも使うなよ!と若干つっこみたい気持ちになりましたが、まあ、よし。

 彼氏によると、日本人がアメリカなどに留学して覚えちゃうのが、こういった類のスラングなんだそうです。あんまり英語を喋れるようにならなかったりするのに、スラングだけ覚えて、帰国してから深い意味もなく頻繁に使い出しちゃったりするんだとか。「あんまりよくない」とのことです。「勿論、わたしは使うつもりはないけど。ただ、ニュアンスを知りたかっただけ」と説明しました。

 この件で彼氏も、「あ、自分すごく使っちゃってたんだ」と気づくかな、なんか複雑な表情してたから、使うのやめるかな、と思っていましたら、全然、直後から復活してましたね、fuck。根が深いなあ。

 彼氏には、同じ頃に来日した隣の隣の市に住む外国人のお友達がいるのですが、彼との会話を再現してみせてくれたりする時には、基本1フレーズ1fuck みたいな感じで、fuck がダダ漏れです。なんかそのお友達は、綺麗な女の人に出会うにつけ、その女の人に振られるにつけ、仕事がうまく行くにつけ、行かないにつけ、彼氏にしょっちゅう電話してくるそうで、それを彼氏がいちいちおちょくっていなすので、結果、「Fuuuuuuuuuuck!」となるらしい。この間は、仕事がうまく行かないからもう死にたい、と電話をしてきたお友達に対し、okay, うちにいい縄があるからあげるよ、と答えたそうです。そういう話を聞くにつけ、英語圏の仲の良い男の子同士って、お互い fuck fuck 言い合ってるんだろうなあ、と思いました。まあ、彼氏もお友達も、もう男の子っていう歳じゃないんですけど、でも話を聞いていると、結局オトコノコですよね。

 でもとりあえず、英語文化圏内男子からの意見としては、使用非推奨だそうです。心にお留めおきください。

アマゾンギフト券を使わないので、どうぞサポートはおやめいただくか、或いは1,000円以上で応援くださいませ。我が儘恐縮です。