名脇役。
春といえば動植物の活動休止状態や冬眠から醒めて、
活発に動き出す季節です。
ガーデニングで言えば、春は土作りが終わり、
いよいよ本格的に始める季節であります。
春に花を咲かす植物はた~っくさんありますよね。
たとえば、人気なのは、
桜、桃の花、バラ、スイセン、パンジー、チューリップなどなど。
これらの春を代表するお花のほとんどが、「暖色系」。
幸せと若々しさを生むピンク、
エネルギーを生む赤、
元気で陽気なオレンジ、
希望をもたらすイエロー。
といった、なんだか明るい気持ちにさせてくれるようですね。
ところで、お花全般的にはなぜか「暖色系」が多いのですが、
それにはちゃんと理由があるのです。
なんだと思いますか?
それは、目立ちたいから(笑)💖
植物が花をつける一番の目的は昆虫を介しての「受粉」です。
これを効率良く行うためには目立った方が有利というわけ。
つまり、虫さんたちに自分の存在をアピールしているの。
ですが、目立ちたがり屋の暖色系のお花さんがたは、
単体では(さほど)目立つことはできないの。
赤やピンク、黄色などの花色をより目立たさせるためには、
青や紫色の「寒色系」のお花と隣り合わせになることで、暖色系の春の花を引き立たせる効果があるのです。
青や紫の寒色系のお花は、目立ちにくいかもしれませんが、
暖色系のお花さんたちをより輝かしく映えさせるための、
" 引き立て役 " なの。
ということで、
今回ご紹介するお花は、小さな花がまとまった姿が印象的で、
春に花壇などでよく見かける「ムスカリ」です。
さて、いつものお約束、「花言葉」。
と、いきたいところなのですが、とても不思議なの。
国内(日本)でのムスカリの花言葉は、
『通じ合う心』
『黙っていても通じる私の心』
『寛大な愛』
『夢にかける思い』
『明るい未来』
といった、ポシティブ(前向き)なのですが、
海外のムスカリの花言葉というと、
『失望』
『失意』
『絶望』
といった、ネガティブな花言葉なのです。
いったぜんたいどうしてまた、
「希望」と「失望」の相反する心を語る花言葉がつけられたのでしょう?
ではまず、ネガティブな花言葉の由来について説明しますね。
このムスカリのお花は、「ヒヤシンス」と同じ品種です。
比べてみましょう。
たしかに、似てますね。
似てるということにしておいてください(笑)
「ヒヤシンス」というお花にはギリシャ神話の「悲恋」の逸話がありまして、“ ヒヤシンスの青い花色は悲しみの象徴 ”
とされています。
そう、ムスカリは、ヒヤシンスと同じ品種だということだけで、花言葉を失望、絶望といったネガティブなものとされてしまった。というわけです。
この「ムスカリ」というお花は西洋では、
「ブドウヒヤシンス」と呼ばれています。
というのも、「ムスカリ」のお花を180度回転させてみると、
果物の葡萄(ブドウ)に見えたりします。
なので、ブドウヒヤシンス。
そのままですが・・・
(和名:葡萄ヒヤシンス、 英名:Grape hyacinth)
さてさて、日本の花言葉も、西洋のネガティブな花言葉に準じています。
ところが、どっこい。どっこい。
もひとつ「どっこい」。
失望や絶望といった、あまりにもマイナスイメージが強烈なので、
それを払しょくするために、わざと希望に満ちた明るい花言葉もたくさんつけたのだった。
冒頭で申した通り、いくら寒色系で、目立ちにくく、暗~いイメージがあったとしても、スター街道まっしぐらの暖色系のお花たちを際立出せるための、 " 名脇役 " であるはず!
そこで、わが日本人は、ムスカリのお花をヒヤシンスに似せようとせず、「あるモノ」になぞらえたのでした。
その「あるモノ」とは、こちら。
神教の巫女さんが振る「神楽鈴」です。
巫女さんが神楽舞を舞うときの神楽鈴での鈴振りは、簡単に言えば、「おはらい」です。
「おはらい」をすることで気持ちが前向きになり、自身がプラスのエネルギーに包まれれば、自ずと他のプラスな気が集まります。
これこそが、お祓いの効果だといわれているそうです。
そんなスピリチュアルパワーを持つ神楽鈴にムスカリのお花をなぞらえた、日本の花言葉は、
「夢にかける思い」「明るい未来」
ステキ!だとおもいません?
人生にはどんなときでも「明るい未来」がある、
という希望に満ちた前向きな花言葉です。
春になると花を咲かせるムスカリのようにどんな時もしっかり地面に根付き冬を耐えれば、必ず暖かい春がやってくるとうイメージなのかもしれません。
また、ムスカリがどんな花と組み合わせてもうまく育つことができる花言葉として「通じ合う心」と表現されています。
家族、友人、恋人など、あなたが思いを伝えたい人にムスカリの花を贈ると、気持ちが通じ合うかもしれません。
ムスカリの花は、さまざまな種類の他の花と一緒に植えられることが多いのですが、どんな花とも相性のいい、控えめな可愛らしさがあります。
ガーデニングの名脇役として重宝されているムスカリですが、
他の花を引き立てるように、控えめに、寄り添うように生えている様子から、「寛大な愛」の花言葉があまりに魅力的。
ちなみに、「ムスカリ」の名前の由来は、
”ムスクの香り” に似ているからだそうです。
とはいえ、ムスカリにはフェロモン効果はないようですが。
じつは、これらのポシティブな花言葉は、ハッキリとした由来は未だ分かっていないとのことです。
なので、人によって受け止め方も違ってくるもの。
たとえば、「明るい未来」という花言葉。
春は、門出の季節。新たなスタートのあとに待ち受ける未来を祝福してくれるようでもありますね。
あなたはどのような花言葉を感じ取るでしょうか?
今回も、最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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