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前庭感覚ってなんだろう?

前回の記事で紹介した3つの基礎感覚について、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。今回は「前庭感覚」についてです。

前庭感覚は地面の傾きや重力、加速の情報を伝えます。地球上の3次元空間で動き回るために必要な情報であり、運動のコントロールをする力の発達に大きく影響します。

主な働き

前庭感覚には主に以下の5つの働きがあります。

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①姿勢を保つ

重力に逆らって頭の位置や姿勢を垂直に保ちます。

②バランスをとる

空間の中でバランスを崩した時に体勢を立て直します。

③眼球運動を調整する

頭が動いても、視野が動かないように、眼球の動きを調節します。

④覚醒を調節する

刺激の強さによって覚醒(脳の目覚め具合)を調節します。

⑤ボディイメージの形成

空間の中で、自分のからだがどこにいて、どちらに動いているのか把握します。

感じる感覚の種類

前庭感覚で感じる感覚の種類はこのようなものです。

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身体を使って傾きや重力のイメージをもつことは、線の傾きや前後左右の向きの識別につながり、文字や図形の理解の基盤となります。


前庭感覚をうまく使えないと…

前庭感覚をうまく使えないと以下のような困りごとが出てくる場合があります。

転んで怪我をしやすい

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バランスを崩しやすく、転んだときに手が出るのが遅れて顔を打ってしまう子もいます。

ブランコやすべり台が苦手

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前庭感覚が過敏な子は体勢が大きく変化する遊びが苦手な傾向があります。

くるくる回る行動を繰り返す

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前庭感覚が鈍麻傾向の子は、強い刺激を求めて、激しい動きやくるくる回る行動を繰り返すことがあります。

感覚のつまずきに配慮したあそびのポイント

CASE1:ブランコやすべり台を過度に怖がる

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いきなりすべり台やブランコにこどもを乗せずに、おもちゃを乗せるだけ、おもちゃを乗せた状態で動かしてみるといったところから、少しずつ興味をもつように一緒に遊びます。大人がサポートしながら少しずつ進めていくことが大切です。

CASE2:激しい揺れや動きを好む

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感覚が入りづらい特性(鈍麻傾向)の子は、どんどん動きの強度や速度が上がってしまいます。動作に「そろりそろり」と音をつけたり、ゆっくり数を数えたりして、からだの使い方がイメージしやすいように声をかけます。

前庭感覚は、地球上で体を動かすために重要な感覚ですが、なかなか意識しにくい、理解されづらいという一面もあります。前庭感覚に関する困りごとを抱える子は新しいことが苦手な傾向も見られるようです。遊びのなかでは急に難易度や姿勢を変えたりせずに、こどもの目線に立ってスモールステップで進めていくことが重要です。

参考:

土田玲子(2013)『感覚統合 Q&A 改訂第2版-子どもの理解と援助のために』協同医書出版社.

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