(日記)『【石の街】攻防記』作品解題
本記事は9,000字弱の短編小説『【石の街】攻防記』について、内容に関する記述を含んでいます。興味のある方は本編を先に読まれることをオススメします。
▢▢▢▢▢ 連載版(全5セクション完結済。冒頭記事に飛びます)
▢▢▢▢▢ 全セクション版(一つの記事にまとめたもの)
2018年10月に逆噴射小説大賞というものがありました。
第一回は小説の冒頭400字を応募するというレギュレーションで、私は3つほど応募してみたところ、『R.E.T.R.O.=/Q』と『【石の街】攻防記』の2つが二次選考まで通過しました。
レギュレーションで「400文字で完結するのではなく、あくまでも『より長い小説作品の冒頭400文字』の体裁でなければなりません。」と強調されていたので、私はとりあえず(大体ではあるが)すでに続きが頭の中にあるものだけを投稿しよう、と思いました。(小説のアイデアをその場で即興的に考えるなどという離れ業は到底無理なので検討すらしていません。)
具体的にいうと、『【石の街】攻防記』についてはセクション4前編ぐらいまでは投稿時点で頭の中にありました。
あらすじはそれこそ一文で終わらせられるくらい簡潔な内容なので、続きを書いても短編になる、というのも、その時点で分かっておりました。
で、確かこのとき、タイトルですごく悩んだ記憶がある。なんてことない一日の一場面をあらわすくらいのこぢんまり感をタイトルにも出したかったのですが、どうしてもこれしか思いつかず……。これだと壮大なサーガでも始まりそうな感じがしてしまうんですよね、これで終わりなんだけど。あと「攻防記」とあるが「防」の部分しかしてないよね、っていう……。結局そのまま投稿してしまい、完結してしまいました。おそらくはより壮大な呪術攻防を含む街同士の小競り合いみたいなサーガの一幕なのでしょう。
冒頭400字の投稿が2018年10月で、その続きが2020年8月なので、だいぶ間が空いてしまいましたが、「できれば2018年中にやっておきたかったこと」の一つが完了したので良かったです。
書いている間は必死だったし、その間も数十回くらい読み返しているはずなのに、投稿ボタンを押して公開した直後に「もっとこう書けばよかったのかー!」みたいなことに気づくのは非常に不思議な現象です。このメカニズムは何なのであろうか。
さらに逆噴射聡一郎先生のパルプ小説講座をさっき読み返していたところ、これまでよく分からずに読んでいた文章が鮮明な実感を伴って殴りかかってくるような感覚で、思い当たる指摘事項みたいなのがドカドカでてきてちょっとびっくりしました。
▢▢▢▢▢
ところで、五行思想ってなんか凄そうですよね、よく知らないけど……。
Wikipediaのこの図でいうと、○になっているのが「相生」、★マークになっているのが「相克(相剋)」です。確か諸星大二郎の『孔子暗黒伝』では反生・反剋を同時に用いた結果、時間が巻き戻されて恐竜が出てくるという物凄い描写があった気がするんですが、この作品では反克だけなので、威力も弱いです。
一時期、諸星大二郎作品に衝撃を受けすぎて奇怪な夢を立て続けに見た時期があったのですが、これも「ウナーゴンアーカイヴズ」の怪日記シリーズに収録されていてもおかしくない内容でして、そういう意味では75%くらいはノンフィクションです。ただ話の途中で起床してしまったので、そこはなんとか頑張って(超頑張って)最後まで書きました。ちょっとこの展開は誰にも予想できないと思うのですが、実際にそうだったのだから仕方がない……という感じです。
こういうわけ分からん雰囲気の作品を生涯のうちに+10作品くらい書くことができれば、マーゴ・ラナガンの『ブラックジュース』めいた本が出せるだろうか。
私は一時期、象牙の塔で幽閉生活のようなことをしていた時期があるのだが、その頃の専らの楽しみが「本を買う」というもので、度々下界に降りては本屋さんで「これは!」というものを買っており、その頃に買い溜めた本はまだ全部を読めていない……読み始めてすらいないものもある……のですが、そのうちの一つが『ブラックジュース』です。短編集なんですが、一発目の作品タイトルが「沈んでいく姉さんを送る歌」ですよ。すごいですよね。
(おわり)
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