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恒例になりつつある7月のお稽古 グリーンをいける 最近のお稽古でふと思ったこと

いけばなで使う花材

普段のお稽古ではお花をいけています。
以前は(かなり前ですが)、必ず枝物が入っていたものですが
近年、だいぶ少なくなりましたね。
それは市場への出荷状態の関係なのか、それともお稽古で使用するお花の
値段のせいなのか(枝物が高くて、それほど高いお花代を払っていないお教室では
枝物を入れると金額内に収まらないとか)わかりませんが
私が習い始めた頃のお花の組み合わせとはだいぶ違ったなあ、
という印象です。


現在のお教室

今、通っているお教室になってから、夏にグリーンをいける、というテーマで
木も花もない、グリーンだけの花材をいけるお稽古が
年に1回はいるようになりました。
今年は7種類のグリーンの葉を全種類1本は使うことが条件です。

今回の花材

1 モンステラ
2 グレビレアアイバンホー
3 ニューサイラン
4 ゴッドセフィアナ
5 キイチゴ(ベビーハンズ)
6 ドラセナサンデリアーナ
7 グニユーカリ

グリーンだけの葉っぱだけとなると案外難しいものですね。
アレンジメントなら、もう少し楽にできるかもしれませんが
グリーンのみであっても「いけばな」であることを
意識して花器を選び、いけることが必要です。

投げ入れ

今回は私は薄水色の花瓶にしました。
広口なので花留をいれるか悩みますが
本数があるので大きいモンステラからいれて花留なしです。

2024年7月

基本、私は与えられた花材すべてを使用するスタンスで
これまで毎回お稽古してきています。
投げ入れでも水盤でも同じです。
場合によって使わない花材もありますが
引き算でいける、と言われる華道の中で
何を引き算するか、それを目の前にある花材を見ただけで
瞬時にわかるようになるには、
あるいは、いけるイメージを作って決定するには
まだまだ修行が必要だなあ、と毎回痛感することです。

イメージ通りにはなかなか出来ない

実際、頭でイメージした通りにはいけられないのが
いけばなかなあ、と私は思ったりもしています。
これは流派によって違う部分でもあると思いますが
広山流は、自然らしさを大切にする流派なので
極端に花材の形を変えて花器に入れていくことはしません。
するとイメージ通りにいかないこともままあります。

となると、最初に思い描いたこれとこれを使う、
という決定はその通りにはいかないわけで
これは使わないはずでこっちを使いたかったのに~、となる。
それは、華道のお稽古というよりは、好きにいけているだけに
なってしまいますね。

私のいけばなとは

まず最初に与えられた花材すべてを使用するつもりで
花材たちを見極め、いかす場所を考える。
それは、いけばなは、芸術でもあり、世界観を描くものでもあり
個人のセンス・感情を表現するものでもあるとは思いますが
その前の第一前提として
目の前にある花材の「いのち」に対するあり方として
無駄な一本はない、という思いを大事にしたい
そんな気持ちからでもあります

これは、あくまで私個人の考えであり
「流派」や「華道」全体のものではありません
みなさん、様々な思いを抱いてお花をいけていると思います
もちろん、それでいいと思います。
高校の部活で出会った「華道」が私の中では
そういうものに育った、ということ。
ここに至るまで様々なことがありました。
そして、このことを誰かと語り合ったことはありません。

2022年7月 キイチゴ・ドラセナ・モンステラ・ゴッドセフィアナ・ルリ玉アザミ

いけばなを楽しんでもらう

けれど、「道」のひとつである華道がもっと広まっていくためには
そう、そういう小難しいことよりもまずは「楽しい」ことが大事。
今のお教室で一緒に学んでいる方に聞かれました。
長く続ける秘訣、続けてきて何がわかったのか、と。
与えられた花材をいつも使い切れずに悩んでいる方は
お教室内でも結構います。
全部使うことに固執しすぎるとできなくなってしまうけれど
自分のイメージを可視化しようと花器にこだわりすぎて
進めないのでは、正直言ってお稽古になりません。
そして、花材とイメージにあった花器を選ぶことを学ぶ、
それもとても大事なことです。

好き、それが大切なこと

思い通りにいけられるようになるのは、長年続けていても難しい。
だからこそ、長く続ける秘訣は「好きだ」という気持ちよ、
と私は答えました。
優秀作品でなくてもいい、うまくできなかった!と感じてもいい。
「花が好き、華道が好き」。それが大事。
好きという感情はどんなことにも勝る、どんなときにも前が向ける
最大の心の武器だとも言えますよね。

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