赤字を「掘る」の質的な違い


かなり質的に異なる2つのモノを1つに纏めちゃっているような。

AMZNや近年IPOが多いSaaS銘柄において使われる"赤字を「掘る」"の意味は、「継続的な」売上高の成長という裏付けがあった上での「会計上=誰かさんの意見の」営業利益の赤字であって、「CF上=事実の」営業CFもしくはFCFはトントンだったりします。

米国に700銘柄程度(日本は数十)上場している赤字バイオスタートアップは、多少のマイルストーン収入があるにしても「継続的な」売上高成長があるわけではなく、また営業CF・FCFも赤字で、薬なりがFDAに承認されて爆発的に売上・利益拡大/承認されそうになってファンド化している巨大製薬に買収されるという道を辿ります。

日本のバイオスタートアップが企業数でも企業サイズの面でも今一つなのは、リスクを取って創薬に成功しても、社会主義医療制度でオプジーボのように訳のわからない「値下げ圧力」がかかってエコノミクスが成立しづらいという要素の影響が強いと思います。

ちなみに米国の代表的SaaS55銘柄の回帰分析によるTTMのP/Sと売上高成長率との関係式は↓で、例えば売上高成長率が100%の場合(ZoomやCrowdStrikeはこの領域)、P/Sは3.42+100*0.29=約32倍となります。

Coefficients
Intercept 3.42
% Revenue Growth 1 Year 0.29

粗利率・営業利益率を加えた重回帰分析をしてもあまりR2は変わらない市場環境となっています。

salesGrowth&grossMargin/salesGrowth/salesGrowth&operatingMargin
R Square 0.60 0.59 0.62

何度でも噛み締めたいバフェット箴言
「今日の投資家に利益をもたらすのは、昨日の成長ではない」
 “The investor of today does not profit from yesterday's profit”


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