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新たなパートナーシップのはじまり #03 告白
ひとまず、当たり障りのない返信をしたものの、私は落ち着かなかった。ザワザワしていた。正直、嬉しい。けど、なんでやろ、なんで???そればかり、頭の中で繰り返していた。
ふと改めて、メッセージをくれた時刻を見た。彼は日付が変わってから、三十分も経たないうちにメッセージをくれていた。まるで送ることを決めていたかのように。私は気づかずに当日を終えようとしていたのだけど、日付が変わる少し前にようやく気づいた。そして返信した。
何か返ってくるだろうか?そう思っていたら、真夜中に返信があった。
起きてた。もしかして、待ってたかな?なんて返ってきた?と思いながら開いたメッセージに、また私は心を揺さぶられた。
「またお会いできますように。」
たった、ひとことだった。
え?お会いできますように?
え???またお会いできますように・・・?
って、なに?
私は脳内でリピートし、思いっきり動揺した。真夜中のリビングで、ひとり四十代最後の誕生日を迎えた余韻に浸っていた私は、急にドキドキしてきた。そんなに飲んでないよな、私。なんだなんだ?この動機はなんだ?落ち着け私。お風呂入ったよー、夫の声が遠くで聞こえた。それどころじゃない。
彼からのひとことで、私はいったい何が現実なのかわからなくなった。もしかしたら、社交辞令かもしれん、よくある、またお会いできるといいですね、みたいな。私は混乱していた。
もう一度、メッセージを見てみた。まじまじと。
「またお会いできますように。」当たり前やけど、何度見返しても、そう書いてある。たったひとこと。「またお会いできますように。」しつこいけど、笑。
セミナーで一度同席しただけの人にわざわざバースデーメッセージ送る?しかも三年も前やで。仮にそんなめちゃくちゃマメな人がいたとしてもやで、またお会いできますように、はないよね、ふつう。
私はあくまで普通にこだわった。今、私の想定外のことが起こっている?私はアルコールで緩んだ頭をフル回転させた。そして、その頭が導き出した答えは。
これは、社交辞令なんかじゃない。明らかに彼がまた会いたいと言っているのだと。だけど、まだ私は、その言葉を素直に受け取れずに、平静であろうと装った。コロナの自粛が近々終わる。新たな世界が始まるのか?
その期待とは裏腹に、またしても私は当たり障りのない返信をした。
「来月から動き出せそうですね。お会いできるのを楽しみにしています。」
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