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ベンゾの減断薬に関心を持つ医師たちの情報 いろいろ

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ベンゾジアゼピンについて医師の考え方を集めたり、取材していきます。
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2020年7月の記事一覧

ベンゾジアゼピン減断薬 -「薬漬け」の精神科医療 - その責任は精神科医のみにあるのか -

ベンゾジアゼピン減断薬 -「薬漬け」の精神科医療 - その責任は精神科医のみにあるのか -

僕はTwitterでもブログでもnoteでも、ベンゾジアゼピンの負の側面についてしばしば言及していますが、睡眠薬・抗不安薬としてのベンゾジアゼピンの使用に絶対反対の立場ではありません。

使い方さえ誤らなければ、良い薬であるとさえ思っています。
その使い方の中には、「どのような患者さんに使い、どのような患者さんには使うべきではないか」という、処方以前の判断も含まれます。

今回は、睡眠薬としてのベ

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各論07 減薬:Step 1-2

ものすごく単純化して申し上げれば、最初の減量後、その次の受診時までに小袋を一度も使わなかった患者さんはA群に属している可能性があり、小袋を何度か使った患者さんはB群に属している可能性があります。

「A群に属している」、「B群に属している」と断じずに、「可能性がある」というスペーサーを挟むのは、まだ減量の初期段階に過ぎないからです。A群だと思っていたのに減薬が進んでみると離脱症状が現われてB群あ

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各論07 減薬:Step 1-1

さて、0.1mgの減らし方です。

デパスを1日1回服用されている患者さんであれば、その1回分を減らして下さい。1mg服用されていれば0.9mgに、0.5mg服用されていれば0.4mgに服用量を変更します。

[デパス (1) 3Tab/3×毎食後]で服用されている患者さんであれば、1日量を2.9mgに減らします。[デパス細粒 2.9mg/3×毎食後]でも良いですし、[デパス (1) 2Tab

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総論03 減薬・断薬の技法 - 一気断薬、漸減法、隔日法、置換法

総論03 減薬・断薬の技法 - 一気断薬、漸減法、隔日法、置換法

当然、僕とは異なる立場をとる医療者もいます。 

例えば「一気断薬派」は断薬(彼らには減薬という概念がありません)における1つの極と言えるでしょう。ベンゾジアゼピンを「一気に身体から抜くのが理想的」と唱える医師達がそのように形容され、それを支持する識者や患者さんもおられます。 

上述したA群や、B群でもA群よりの患者さんは一気にベンゾジアゼピンを中止してもダメージは大きくはないですから、時間とい

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ベンゾジアゼピン減断薬 - 減薬・断薬はダイエットに似ている

ベンゾジアゼピン減断薬 - 減薬・断薬はダイエットに似ている

ベンゾジアゼピン受容体作動薬の減薬・断薬ってダイエットに似ているかもしれません。
多くの患者さんが「プラトー(停滞期)」局面を経験します。

順調に減らせていたベンゾジアゼピンの減量がどうしても進まなくなる。
恐らくこれは脳の回復過程が機械的には進まないことを反映しています。環境変化などがあればその影響も受けるでしょう。

僕が「○週間毎に△%減量」式の減量手順にあまり肯定的ではない理由の1つです

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