【ビジネス書を読む時間がない若手金融会社員・就活生向け!】財務分析(4/6)(運転資金)
前回に引き続き、本日は運転資金に関する財務分析を記載したいと思います
運転資金の水準検証
1. 運転資金の水準検証
運転資金とは、「売上債権+棚卸資産-仕入債務」で示されます
※売上債権:「商品販売~売上代金回収」間に発生する売上代金が入金待ちの債権
※棚卸資産:「仕入・製造~販売」間に発生する製造期間・在庫の滞留量
※仕入債務:「仕入~仕入代金支払」間に発生する債務(未払金)運転資金が大きければ大きいほど企業の正常活動において多く資金需要が発生することになり、小さければ小さいほど資金需要は少ないと捉えることができます
運転資金の水準は、「運転資金月商比:運転資金/平均月商(カ月)」で比較することが多く、業界により適正水準が異なるため、業界別に確認する必要があります
また、運転資金の構成要素をそれぞれ分析することで、運転資金が過大となっている場合等、原因を突き止めることができます
「売上債権」「棚卸資産」「仕入債務」それぞれの分析について、
具体的には以下となります
売上債権月商比
売上債権月商比は、「売上債権/平均月商(カ月)」で表されます
売上が現金化されるまでの期間を示しているため、小さい方が資金効率が良いといえます。過大となっている場合は、回収期間が長くなっている原因、不良債権の存在を確認することが重要です
棚卸資産月商比
棚卸資産月商比は、「棚卸資産/平均月商(カ月)」で表されます
在庫の分量を示しているため、小さい方が資産回転率が良いといえます。過大となっている場合、不良在庫や架空在庫計上等の存在を確認します。融資の審査上も、特に製造業の場合は棚卸資産が膨らんでいないか(作ったのに売れていない状態になっていないか)がポイントとなります
仕入債務月商比
仕入債務月商比は、「仕入債務/平均月商(カ月)」で表されます
仕入債務の量を示す指標であるため、大きければ大きいほど支払条件が良い(仕入から支払までの期間が長く設定されている)といえます
一方で、過大である場合は支払が苦しくなっており支払サイトを伸ばしてもらうよう取引先と交渉していないか、過小である場合は支払い条件が厳しい(短い)理由は何か等を確認しておく必要があります
いかがでしたでしょうか
本日は、運転資金に関する財務分析について記載しました
次回は、利益・キャッシュフローに関する財務分析について、記載したいと思います、お楽しみに!
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