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 住んでる場所マウントかるた 「す」

「住みやすそ〜」 いや僕たちの家 1kmも離れてませんよ? ***  先日、ティンダーで会った人に「住んでる場所マウント」をとられた。  その人と私は同じ23区内に住んでいる。しかし彼女は、私の家があるエリアのことを、まるで群馬か山形にある土地の名前を聞いたときのようなテンションでこう言ったのだ。 「え、幡ヶ谷…? 聞いたことあるかも。住みやすそうでいいですね〜」  一瞬、なにを言われたのか理解できなかった。というのもその彼女が住んでいるのは、私の家から1kmと離れ

「よいしょ」を連発していた、あの英語ティーチャーのこと

 昔は理解できなかったけど、今ならわかることがある。  たとえば酒だ。子どものころ、大人が酒を飲む姿をみて、「なんであんなものが好きなんだろう」と思った人も多いのではないだろうか。  ほかにも運動の大切さや、駐禁を切られる恐ろしさなど。その対象はさまざまだ。  だから年を重ねるにつれ、だんだんと“わかる”ことが増えていくのだと思う。「ああ、あの人、あのときこんな気持ちであんなことをしていたんだなあ」みたいな感じで。当時は理解できなかった誰かの言動に対し、きっと時を超えて

鼻毛と自己肯定感のランデブー

 いつからか聞くようになった、自己肯定感という言葉。これの意味についてネットで調べたところ、 ありのままの自分を肯定する感覚 とのことらしい。  ふーむ。みなさんはこの感覚、強いだろうか。それとも弱いだろうか。  手前の話で恐縮だが、おそらく私はこの感覚がわりと強いほうだと思う。ダメな自分自身だとしても、甘やかし肯定する能力を持っている気がする。ミスしてもそこまで落ち込まないし、寝れば大抵の悩みは解決だ。すごく嫌いなひとに出会ったとしても、次から会わないと決めるだけだ

フリーライターの者ですが、生産性クンと絶交しました

 およそ、16時間。この1週間で、私が猫の動画を観てすごした時間だ。  みなさんもご存じのとおり、インスタグラムはユーザーの好みに応じ、おすすめ動画をガシガシ提案してくれる。  私はまんまとその沼にハマッた。そしてこの1週間、仕事の合間に猫の動画を観ては、その愛くるしい姿に癒されていたというワケである。  とはいえ私はフリーのライターなので、原稿を完成させないことには1円もお金が入ってこない。つまり、サボればサボるだけ毎月の給料が減る。生産性が低いと、そのぶん給料も低い

鼻毛との百年戦争が終わった日

「消えた方がいいと思われているもの」が、世の中にはたくさんある。  たとえば蚊やゴキブリなどの害虫。蚊に刺されればかゆくなるし、ゴキブリはルックスがハードコアすぎる。  もしくは印鑑やファックスなど、デジタル時代にそぐわない決裁および通信手段は、多くの国民からうとまれているハズだ。  しかし、それらが世界から消えた場合、困る人や状況が生まれるとも聞く。  ゴキブリは山で食物連鎖に加担しているらしいし、印鑑が消えればハンコ屋のお父さんが職を失う可能性もある。  多くの

仕事における「これも加えといたろ」の精神

 仕事でなにかをするとき、ちょっとした気づかいが意外と大切だったりすると思う。  私はライターなので、書いた記事をいわゆる「商品」として販売し、お金を得ている。商品となる記事は基本的に「じゃあ、こんな感じでオナシャス😇」という依頼があってから書くので、マストで必要な情報はだいたいお決まりだ。  たとえばモーターショーの取材記事を書くとする。とくれば、押さえておきたい情報としては、 ・主催者 ・ショーのコンセプト ・開催期間 ・出展メーカー ・各メーカーの動向 ・会場内

令和の死にコンテンツ「ピチT」を考える

 気づかないうちに、世の中からピチTが消えていた。ピチTとはもちろん、「ピチピチしたTシャツ」のことである。  ま、ビッグシルエットが覇権をにぎっている現代において、ピチTを見かけなくなったのは、当然のことかもしれない。しかし、ピチT全盛期の2000年代に中学、高校と青春を過ごした私としては、いささか寂しいものがある。あの頃のミュージシャンはみなピチTだった。思い出してみてほしい。  たとえばこの『フレンジャー』の大塚愛氏は、2000年代のピチT文化をこれでもか、というほ

私の身体にやどる別人格について

 ふだん何気なく利用している自分の身体に、もうひとつ人格があることは知っていた。知っていたけれど、あえて揉める必要もないのでこれまで無視してきた。しかし、いよいよ我慢ならない。そいつを追い出すときが来た。私は決別するのだ。己を巣くう、「満腹時の怠惰な人格」と。 生産性ゼロの抜け殻 私には2つの人格がある。いまこの文章を書いているのは「空腹な私」だ。これは当然のことで、「満腹な私」に文章など書けるはずがない。なぜならヤツは恐ろしいほどナマケモノだからだ。ティッシュを取りに行く

気軽にP活しませんか?

 パン派とご飯派。  よく聞く言葉である。「朝はパン♪」というCMソングがあるように、おそらくこの2大派閥は、朝食時の炭水化物を争っている構図だと思われる。これは非常にわかりやすい構図で、あーだこーだと議論したくなる気持ちもわかる。しかし一度、考え直してもらえないだろうか。  そもそもこの2大派閥は、 「ワシは毎朝、アジの干物と白飯に味噌汁じゃあ! おいかあちゃん、どんぶりおかわりだ!」VS「ワタクシのところはハムエッグとバターたっぷりのクロワッサン、それとコーヒーです

クイニーアマンのオイニーたまらん

 私は洋菓子を愛している。    特に、パリッとした食感の甘いものが好きだ。ダントツの1位はクイニーアマン(※)。この洋菓子はブルトン語で「バターの菓子」という意味らしく、名前の通りひと口かじると口内にバターの香りが飛び込んでくる。生地の外側はザクザクとした食感で固く、内側は西川の羽毛布団みたいに柔らかい。異常な甘さのせいか、1つ完食すると腹6分目まで満たしてくれる。春雨ヌードルのような存在なのだ。 ※ クイニーアマン(ブルトン語:kouign amann, 発音 [,kw

世界イチ高額な液体を買ってしまった

 飲み会の前後に、ヘパリーゼ®を飲んだ経験があるだろうか。  私にはある。「ちょっと今日はたくさんお酒を飲みそうだな」とか、「いやあ、テキーラのショット5杯もイっちゃたよ」という状況の際、コンビニで買って飲むことにしている。  この類のドリンクはちゃんと効果を実感するので満足しているのだが、いつも少しだけ、「これ…高いよな?」と思ってしまう。ちなみに私愛用の「ヘパリーゼ®ダブル パイン味」の希望小売価格は257円(税込み・100ml)。カフェラテMサイズ程度のお金を払えば

地球と書いて「ほし」と読ませる

 とある字を書いて、本来とは違った読み方を与える手法がある。これを当て字もしくは借字と呼ぶが、私はこの言葉遊びが大好きである。「おお、かっこいい!」と思うものがあれば、「何だよそれ」と思わず笑ってしまうパターンもある。予想を裏切られる意外性に、グッと惹かれるのだ。  この記事のタイトルは、そんな当て字の中でも有名だと思われるものを引用した。桑田佳祐&Mr.Childrenの曲『奇跡の地球』である。この曲は見ての通り、地球と書いて「ほし」と読む。桑田氏の頭の中は一体どうなって