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死んでいない私から、死んでいないあなたへ

新学期を前に足がすくむ子達に、自分からは何が言えるだろう?
このところずっと、それを考えるために10代の頃の自分を思い出していました。
役に立つかわからないけど、言いたいことがあるので、まずちょっと自分の話をします。

学校をやめた時の話

私は物心ついた時から、なんとなく「終わり」というのを意識していた子どもでした。世界と自分の間に何か膜のようなものがあって、私はもう終わっていて、外の人はみんな未来へ向けて歩いているような、なんとなく変な違和感がずっとありました。
それが酷くなって精神科に通い始め、学校を辞めた時、私の中でなんとなく流れていた「死にたい」という思いは決定的なものになりました。
別に、誰かから中退を非難されたのでも、親から叱られたのでもありません。「なんとなく変」と「死にたい」の間を決定的に分けたのは「惨めだ」という思いでした。

皆が普通にできている事が私にはできない。クラスメイトが目指している場所はもう一緒に目指せない。同じ世代の人が歩いている道を自分は歩けない。当然のように持っている「学生」という資格を失い、かといって働くことも出来ない自分を「それでも私は私」なんて思える強さは、10代の私にはありませんでした。

口癖は「人並みになりたい」

そのため、私は学校を辞めてからとにかく意識的に人に会い、いろんな場所へ行きました。といっても、海外旅行に行ったり有名人に会ったりしたわけではありません。ネットで知り合った友達とファミレスで喋ったり、無料のギャラリーに絵を見に行ったり、親のおさがりのデジカメで写真を撮ったり、そのために自転車で散歩に出たり、そういう些細な事を、しかし異常にやっていました。
それが好きだったというのはもちろんありましたが、それと同じくらい、そうして何かをしていないと、ただでさえ「人並み以下」な自分がさらにマイナスに下がってしまうような強迫観念があったからです。

しかしそのエンジンは自己否定です。
私は、あれこれと行動しつつどこかでいつも、止まる事を強く希求していました。ダメな私は人より頑張らなくてはいけない、止まってはいけない。でも、「ダメ」じゃなくなったら休める。早く休みたいから早く「ダメ」から脱しよう。と考えていたのです。けれどもそれは、すでにヘトヘトな自分にダメージを加え続ける事ですから、私は頑張るごとにどんどん疲弊しさらに「ダメ」になっていきました。

死ぬ前に止まろう

ですから今、死にたい思いを抱えているあなたへ私がオススメしたいのは、止まることです。
今死にたいと思いながら生きているあなたは、苦しい現状を頑張って覆し、死なないように生きているのです。すでに頑張っているのですから、必要なのはそれ以上の頑張りではありません。止まる事です。

あなたの痛みは他の人にとっては大したことがない事かもしれません。「そんなことくらいで」と言う人もいると思います。けれども、あなたにとってピンチなら今は大ピンチなのです。

「未来の自分を信じて前向きに生きる」ということが出来ないかもしれませんが、それは当然です。なぜなら、未来のことを考えるのも、自分を信じるのも、前向きになるのも、実はかなりエネルギーがいるからです。エネルギーが切れていたら前を向けません。ですから、一度なんとかしてエネルギーをチャージして下さい。死ぬ方法を探したくなる気持ちを、なんとか、生きる方法を探す方へ、それができなければせめて「死なない」という方向へと少しだけ転換してみてください。

あなたが歩いている道は、あなたが望んだ道とは違うかもしれませんが、それを絶望や恥に直結させることはありません。道を消さないでここまで来た、それがすでに偉業です。ブラボー!!!

そして、学校へ行けないあなたへ

学校へ行かないで将来どうするのと思うかもしれませんが、実は世間には「実は不登校だったけどそうは見えない人」いうのが結構たくさんいます。私はこれを30過ぎてから知りました。少数派な自分が惨めで死にたかったのに、少数派ではないと知って「マジか〜!も〜!だったら早く言ってよー!!!」と言う感じです。

つまり、たとえ学校に行けなくても、生きる方法はあるし生きてきた人は結構いるということです。例えばツイッターで #学校ムリでもここあるよ を見ると、いろんな人がヒントをツイートしています。

具体的な場所や連絡先を提示するサイトもあります。
死にたい気持ちをどうにか変えて、なんとか誰かに「助けて」を言ってみてください。

学生時代の過ごし方は確かに大事ですが、勉強や学校は、その後を生きる為の時間で、死ぬ為のふるいにかける時間ではありません。人生は大体「学生時代以外」ですから、どうか、たった数年の学生時代に殺されないでください。
今、とても柔らかなその心を、学校のためにつぶさないでください。それはずっとあなたを支えていくものであり、誰かに捧げる必要はないのです。

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お知らせ

10代の頃、小さなギャラリーに頻繁に通っていました。そこには、教科書や学校では知り得ない作品があり、それを作る人の存在は私にとって無限の憧れでした。

自分も、そういう一部になれているといいな〜とか、僭越ながら思います。
よかったらぜひいらして〜。ヘラヘラしながらお待ちしています。

第二回・紙もの&手作りまつり

2019年9月22日(日) 11:00~16:00
入場料 300円(ワンドリンク付き)
会場 主婦会館 プラザエフ 2階 レストランF (エフ)
(JR四ッ谷駅より徒歩1分、東京メトロ 丸ノ内線より徒歩3分、東京メトロ 南北線より徒歩3分)

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