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誤解と理解の先にあるもの

またしても、週末のイベントのトーク内容についてのメモ。「理解」の経過に必ず立ちはだかる「誤解」についての話です。

誤解は絶対ダメ?

理解を促すことと誤解を招くことは真逆のようですが、今回の話を考えているうちに、誤解が必ずしも悪ではないんじゃないか?という気もしてきました。

今回テーマにしているのは「メディアで取り上げられるとき、偏見や誤解を受けがち」っていうことなのですが、テレビとかで取り上げられる事自体が問題なんじゃないんですよね。当たり前ですが。
誤解から正しい理解に進むこともあるし、誤解であれ、その存在を知られることは、無視されて問題視すらされないよりはマシなんじゃないか?とも思います。誤解ゆえに攻撃されたりするような場合もあるので、なんとも言えませんが…。

ただ、見ていて嫌な感じがするものと、そうでないものの違いは、誤解が生まれたとしてもその後で、正しい理解へ導く意思があるかどうかだと思っています。正しい理解へのルートを作らず、ネタとして「え〜!びっくり」で終わらせてないか、とか。それって誰の何のため?

謝罪と誤解とその結果

というようなことから、不謹慎だったり失礼だったりという訴えかけがあり、発言主が謝罪、自粛…という図はとてもよく見ますが、気になるのはその詳細が見えないこと。
何が攻撃的だったか、なぜそれを作ったのか、状況を甘くみていた、という場合の「甘くみていた」理由はなんなのか。そういった、双方の内訳が見えないで、問題となった部分を取り下げるだけでは、「理解する」「される」という一方的な関係から、歩み寄りというステップには進まないのではないでしょうか。

解離性障害で言えば、多重人格をオカルトチックに扱う事だったり、最近だと黒人の人を偏見に満ちたイラストで描いたりと、人を何かのカテゴリに当てはめて、アイコン化するという場面は多々あります。
それを「あくまでネタじゃん、記号じゃん」と言ってしまえる人もいるし、そういう意見に対し「まあ、わからないでもない」と思える程度には私も麻痺してるんですが、偏った見方を記号として扱う事そのものに問題があるんですよね。
その場その場ではそれで良くても、それが続く事で、だんだんその誤解が確固たるものになり、まるで真実かのようになる。長い目で見た弊害です。

偏見に満ちているのが日常だ

ただ、そういうことについてなんか慣れちゃってどうでも良くなっている、というのも本音です。とりわけ、自分のことについては、ネタにされるよねーしたくなるよねー、もう仕方ないよねーと諦める事が当然になってしまっていて。
ただ、本を出してから気付いたのですが、黙っていると、配慮が必要であることすら気づかれないという問題が発生するのです。

これまで取材を受けた中で、かなり失礼だと感じる質問を受けた事がしばしばあったんですが、それがまさに、解離性障害自体が知られていない証拠でしょう。
見た目でわかるような障害や認知度の高いハンディキャップだと、配慮すべきポイントがある程度予測できますよね。知られていないから、そのポイントがわからないのです。
わからない事は仕方ない。わかってもらうようにするしかない。歩み寄り、働きかけ、話し合い。

世間のためだが、私のためになってないぞ

そんな中で、これまで何度か聞いて引っかかったのが「こういう障害がある人がいると知ってもらう事に意味があるんです」的な言葉。
それって当事者(私だけではなく)の存在を、世間に訴えるためのある種「人柱」として使うことになるわけなのですが、そこを汲んで考えてくださる方がいた一方で、まったく自覚がない感じの方もしばしばいらっしゃいました。おそらく本人は正義のつもりなんですよね。世間のため、という正義。
私もそれはわかっているけど、だからといって私が傷ついても仕方ないという理由にはならないので内心ムカついているんですが「まあこれも世間のためになるのかなあ」と思うと言い出せず…。また諦めのループが!!!メビウスの諦め!!

ただ、みんながみんな諦めてたら「仕方ないよね」と言ったらもうずーっと諦めるしかない時代が続いていくわけで、なんかそれは、やっぱり嫌だな。

わたし一人が考えても、考えなくても社会にほとんど影響はないと思いますが、考えなかったら死ぬとき後悔するだろうと思うので、やっぱり引き続き考えて、動いて、喋っていきたいです。

…と、多分こんな話もする予定です。だんだんテーマが煮詰まってきたぞ。いい感じだ!

イベント情報

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7月3日(金)20時〜21時「本の街で、こころの目線を合わせる 2nd」
第一回Tokin ×山田ルイ53世(髭男爵)オンライントークセッション

(主宰・合同出版、神保町ブックセンター 協力・共用品推進機構)

配信方法:zoom
※お客様のカメラ、音声はオフになります。
予約制・参加費500円・先着100名様
ご予約はこちら

オンラインイベント視聴のながれ

①Peatixへのお申し込み後ミーティングIDとパスワードが届きます。
②当日、時間になったらzoomサイトまたはアプリからミーティングに参加

…以上となります。zoomにサインインする必要はありません。
出演者以外は、顔も声も表示されません。

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