平成最後にVRゴーグルを"持っていない"すべての人に読んでほしいnote。
平成最後の日、2019年4月30日にこのnoteを書いています。
本日4月30日にこのnoteを読んでくださっている方には運命めいたものを感じます。平成最後の日にわざわざこんなnoteをお読みくださり本当にありがとうございます。令和を迎えてから読む方は、平成最後にこんなことを言っているやつがいたのだな、と未来からしみじみしたり呆れたりしてくださったら嬉しいです。
このnoteは4000字くらいでさくっと読めるよう簡単にまとめたいと思ってます。(普段1万字くらいのを書きがちな自戒を込めて)
実は太平洋時間の4月30日から始まるF8というFacebookの大規模カンファレンスにて、おそらくOculus(FacebookのVRブランド)の次世代VRゴーグル(ヘッドセット)"Oculus Quest"が発売されるであろうと予測されており、平成から令和に変わるだけでなく、VRも新たな時代を迎えるかもしれないという歴史的な時間に私たちはいるのです。
自己紹介をします。
私は、MyDearestというVRスタートアップの代表で、「東京クロノス」というVRミステリーアドベンチャーゲームの総合プロデューサーを務める岸上健人(きしがみけんと)と申します。
たくさんの方々の支えのおかげで、2019年4月7日には会社の三周年を迎えることができました。
そして、東京クロノスは、SteamのVRカテゴリで週間の売上が世界一になったり、Oculusのストアでは1000個以上あるアプリの中から8個だけが選ばれるEssentialsカテゴリ、つまり"必見"に選ばれるなど、手前味噌ながらエンターテイメント分野のVRスタートアップにおいて、日本の先頭を走っていると思います。
そして、そんな立ち場から平成最後の日に、このnoteをお読みのすべての方々、もといVRゴーグル(ヘッドセット)をまだ持っていないすべての方々にお伝えしたいことがあります。このnoteの結論でもあります。
「もうVRゴーグル買って大丈夫ですよ」
真剣にこう言いたいです。
そう思う経緯を、2016年に会社を創業し、プレイヤーとしてVR市場を実際に体感してきた立ち場から簡単に振り返らせてください。
「平成最後の日にVR関係者のポジショントークか」と思う勿れです。
・2016年。VR元年と言われた年。
最初のコンシューマー向けのVRゴーグルである「Oculus Rift」が発売したことから、VR元年と呼ばれた年です。
他には、PlaystaionVRやHTC Viveという今でも最有力のVRゴーグルが一度に発売された年でした。
2016年は、まさに「期待度最高潮」の年。
世界中の人々がVRの到来を歓迎し、世界中のVRスタートアップが資金調達に沸きました。
しかし、その熱気も長くは続きませんでした・・・
(以下の記事が2016年のVR市場の前半がよくまとまっているので、ご興味ある方は是非ご確認ください)
・2017年。VR界の冬。
2016年のVRへの大きな期待から反転。人々はVRに失望を表すようになります。
理由は簡単です。VRゴーグルが予想に反してあまり普及しなかったからです。
問題点としては、大きく二つ。「価格が高い」「継続利用できない」
2016年に発売されたVRゴーグルは、どれも「ハイスペックなPCにつなぐ必要のあったもの」でした。PSVRすらもPS4につなぐ必要があり、またある程度売れたとはいってもコンテツ数の少なさから、【VRゴーグルの継続利用】には至りませんでした。
一般の人には、10万円以上してしまうハイスペックなPCを買ってまでもVRをやりたい人はあまりいなく、またVRゴーグルを買ったとしてもセットアップの煩雑さや、コンテツの少なさ、から継続利用されることが少なかったのです。
この年は、私としても会社の存続すら大変になる年でした。
とにかく「資金調達が難しくなりました」。
VRへの関心が薄れた投資家の方々は、2017年に話題となったAppleのARkitに興味津々で、「VRはまだ来ません。これからはARの時代です」とおっしゃってました。「ARをやるなら投資しますが、VRには投資しません」と少なくはない数の投資家の方に言われたのをはっきりと覚えています。
しかし、そう言った投資家の方々の予想通りにはなりませんでした。
AppleのAR kitもまだ普及はしなかったのです。
この時、ARにしか投資をしないと言って、私を冷たくあしらった投資家の方々の顔は、はっきり覚えています。案外、起業家はこういうことをしっかり覚えているのだなと思います笑 おそらく多くのVRスタートアップの起業家が未だに根に持っているはずです笑
そしてこの厳しい2017年に投資をしていただいた今の弊社の株主の方々には本当に感謝ばかりです。大変な時に支えてくださった人というのは最も信頼できる存在であり非常に心強い存在です。
また、2017年の経験を通じて、ある一つの真理めいたものに行き当たりました。
「未来は予測するものではない。そもそもできない」
「未来とは、自分たちで作るものだ。己が望む未来をつくるのが起業家だ」と。
いま、最前線で取り組んでいる、VR/AR起業家たちには、まさにこの考えに共感していただけると思います。
VRもARも、「来る、来ない」ではなく「誰か手繰り寄せる人がいる」のです。未来は、来るのを待っている間に、誰かがその未来をつくっているのです。
・2018年。地に足のついたVR普及の兆し。
2018年。この年は日本で起きたある現象が皆さんの記憶に新しいと思います。
Virtual Youtuberブームです。
そして、スタンドアロンVRゴーグル"Oculus Go"の登場。
VRの普及という観点で見た時に、Virtual Youtuberの重要な点、そして「のじゃロリおじさん」こと「ねこますさん」をピックアップさせていただいた理由は、先ほどから申し上げている【VRの継続利用】です。
ねこますさんの活動とともに日本のVR界で大ブームになったものがあります。それが『VRChat』です。
2016年のVR元年が失望されてしまった大きな理由の一つが、「VRが継続利用されなかった」ためです。
そして、このnoteで最も主張したいことの一つとして、「『VRChat』ブームによってVRは継続利用されるようになった」、ということです。
VRChatとは、ユーザーが自分の好きなアバターをまとって、VR空間内でコミュニケーションできるソーシャルVRサービスです。自分で作ったアバターをまとうことはもちろん、自分でつくったワールドもアップロード可能です。これがVirtual Youtuberブームと相まって、各々のユーザーが好きなアバターになりVRChat内で活動するという一大ネット文化へと発展しつつあるのです。(今もどんどん進化しています)
そしてスタンドアロンVRゴーグルOculus Goの登場。
Oculus Goは、VRゴーグルの「価格が高い」「セットアップがめんどくさい」という問題を一度に解決してしまった革命的なデバイスでした。
スタンドアロン型というのは、PCもスマホも不要で、このゴーグル一台で動作するということです。これまでハイスペックPCやスマホにつなぐという面倒な設定をする必要があったVRゴーグルが数秒で起動して遊べるようになりました。
そして、OculusGoの価格は199ドル、2万円4千円ほどです。
これまでPCとセットで10万円を超えていたところから一気に価格破壊が起きました。
上記、二つの事象、「VRが継続利用されるようになった」、「価格が大幅に下がった」ということによって、地に足のついたVRユーザー増加が生じました。
・2019年。令和がVRの普及を告げる。
上記、2018年の「VRの継続利用」と「VRゴーグルの価格破壊」が進んだにもかかわらずなぜ、一般にVRを利用しているのがほとんどいないのか、というつっこみが来ると思います。
実は、2018年の「VRChatによるVR継続利用」と「Oculus Goによる安価で簡易なVRゴーグル利用」という二つは結びついてはいなかったのです。
Oculus Goは3DoF型というタイプで、自由に動き回れるVRゴーグルではなく、VRChatにも非対応だったのです。
しかし、太平洋時間の本日4月30日にこの問題を解決する次世代VRゴーグルが発表されるのです。
それがOculus Questです。
スタンドアロン型で6DoF対応、つまりPCにつなぐ必要もなく自由に動き回れるVRゴーグルです。価格は399ドル、おそらく4万円代後半。そして、VRChatもローンチタイトルとしてOculus Questへの対応を発表しています。
ついに、「VRの継続利用」と「安価で簡易なVRゴーグル」の二つが結びつく世界が令和から登場するのです。
もちろん、Oculus Questは4万円代後半が予測される値段で、2万4千円ほどのOculus Goの二倍高いですし、スペックの問題でVRChatには制限付きの対応となっている、という問題もあります。
しかし、それでも「VRの継続利用」と「安価で簡易なVRゴーグル」が結びついた、という革命は止められません。時間が経ち、デバイスとソフトがさらに進化した時には、一般への普及が確実に見えてきます。
今、私たちは大いなるVR時代を目の前に控えているのです。
そして、今夜のF8でもマークザッカーバーグが告げるかもしれませんが、Facebookは「10億人にVRを届ける」というビジョンを持っています。
Facebookは大本気です。10億人にVRを届けるための彼らの大本命のVRゴーグルがOculus Questなのです。
・最後に。あなたは何人目?
当然のように10億人がVRを利用する時代が、令和の間に訪れます。
もしそれでもVRゴーグルに懐疑的で、購入する気が起きない場合は、まずはぜひレンタルなどを試してみてください。
宣伝にもなり恐縮ですが、弊社のVRミステリーアドベンチャーゲーム「東京クロノス」付きのレンタルセットを家電レンタルスタートアップのrentioさんとコラボして提供しています。
弊社の東京クロノスがついてない方がいいという方には、Oculus Go単体の貸し出しもrentioさんがやっているので是非。
ただ手前味噌ですが、「東京クロノス」は日本発のVR作品の中で最も人気の高い作品の一つですので、是非プレイしていただきたいです。
10億人がVRを利用する時代は目前です。
もちろん、まだ1億人にも到達していません。
ただ、未来は先取りするべきだと思いませんか?
今すぐ始めれば「未来をつくる側。手繰り寄せる側」になれる可能性だって十分あります。
あなたは、何人目になりますか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?