ライカSL2Sの上部ボタンの違和感
もう長らくだけど、ライカSL2Sの上部液晶の隣の丸ぽちのクリックに違和感がある。
カチッと入るのに固かったり引っかかる感じがあったり、逆にクリック感が消える時があったり。何度か押していると正常にクリックできるようになるのだが、寒いと特に固まりやすいようだ。
防塵防滴を過信しすぎて、雨の日も風の日も持ち歩いて濡らしたせいか。
いや、原因ははっきりとわかっている。多分あの時。そう、首からぶら下げていて、クラブかどこかでジントニックかラムコークをこぼした時。何か甘い類のドリンク。それは塩を含んだ海水のようにカメラにとってはよろしくない。それがソルティードッグでなかったことは不幸中の幸いと言えよう。
とにかく、そのようなドリンクをこぼして(一回ではない)SLのボタンの感触と効きが悪くなっている。使用に問題はないが、違和感があることが自分の中で膨らんで何かを阻害しているような気もする。
しかしその違和感は安心感も同時にもたらす。僕の設定であり、僕の機材ということ。だから現場でカメラを持つ時、出先でスナップを撮ろうとカメラを構えるとき、僕はその丸ぽちの違和感を確かめるように押すのがいつしか癖になった。
他の誰のものでもない固有の個体であること。子供の頃に怪我をしてできた足のくるぶしの傷とずっと付き合っていくように、カメラの傷や汚れや違和感とこれからも付き合っていくのだろう。
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