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noteで書くこと日記の事

noteからマガジンが90回購読されたという通知が来た。しかしよくできている。このような通知を定期的にユーザーに送ることで、書くことを促進し、結果的にサービスの売上アップに繋がるのだから。それがキリの良い100回目ではなくて、90回目であることもまた憎い。たぶん、100回目の時もくるのだろう。そのゴールをチラつかせる90というタイミングで送ることによって、あと10本絶対に売れよ、と見えないビッグブラザーな編集者にケツを叩かれているみたいだ。まあ、そんな通知が来なくても僕は書くのだけど。

振り返ってみると、2016年の4月10日にnoteで最初の記事を書いていた。その名も「ビール論1」おそらくテスト的な投稿だったのかもしれないが、この謎の文章を最初から200円で販売している。狂気だ。内容も意味がわからないし、今見ると狂っているとしか思えない。今日は90回記念ということで、この最初の投稿を末筆に掲載します。(それにしてもこういう話をするときに、ビールの写真がトップ画にくるのは、どういう偶然の現前だろう。写真と文章は不思議だ。)

これまでにnoteで書いた記事は254本で、こちらで255本目。比較的最近始まったプラットフォームのように思えるけれど、もう6年も経つことに驚いている。その間に住む場所も変わったし、仕事の内容も変わったし、人間関係も変わった。僕の人生も小さくも確実に変化している。

この写真日記を始めたせいで、noteとの書き分けが自然とできるようになった。日記のほうでは生活について、noteでは写真についてという書き分けである。それまでは両者の書き分け意識はなく、なんとなく気分で書いて投稿していた。ブログに写真や機材のことを本気で書いていたし、先のビール論みたいに全く需要のない馬鹿げた考えや生活をnoteにも書いてきた。この投稿はその中間にあるのかもしれないけど。

「写真生活」というメンバーシップ型の連載を始めて、noteでは写真のことによりフォーカスするようにした。大人数に話しかけるよりも、小さなチームでニッチな話をする方が好きだし、深い話ができるのはリアルでも同じ。僕も読者もその方がやりやすい場合がある。カメラマンが4人くらい集まった小さな飲み会を想像してもらえるとわかりやすい。コンプライアンスに触れないラインで、業界の裏話のようなこともできるようになった。

現在、写真生活の他に、カメラ別の単独マガジンと、フォトグラファー講座という商業写真の実践に特化したマガジンがあるが、写真生活メンバーシップの方は基本的に全ての記事を読める構造にしている。詳しい内容はこちらに掲載しているので興味がある方は参照してみてください。

4月20日、水曜日はパッとしない曇り空で始まり、途中で雨が降り、パッとしない曇り空で幕を閉じた。Miles Davis のRubberbandというアルバムを聴きながら日記を書いて、東浩紀の評論を読んで、夕方オフラインでMTGを一本。その後は仕事あがりのYと合流し、近くの店でホタルイカと菜の花の和物、春キャベツと小エビを和えたやつ、あん肝ポン酢、味のなめろうとサッポロ赤星。なんでもない4月の日常が過ぎていてもう後半、連休の冒険が顔を出しつつある。

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ビール論 1(2016年4月10日)

ビールにキレ味は求めない。

求めるのは香り高きホップのコーラスと、豊潤な大地の力を伴った麦芽のビート、ただそれだけである。

今の季節は冷蔵庫で冷やすことを、やめてしまってもいい。

寧ろ、その手のビアはぬるいくらいがいい。温度が下がりすぎると、ビアオーケストラは旨く音楽を奏でることができなくなってしまう。

家に帰ると、電気代の請求書が届いていた。

そこに先月に比べて2倍の数字を見た僕は、すぐさまエアコンの暖房をオフにした。

これでなおさら、ビールを冷蔵庫で冷やすことを、やめてしまってもいい。

昔のロックバンドがよくやったみたいに、明日にでも部屋の窓から冷蔵庫を放り投げようかと思っている。

ただ、部屋が1階。というのが、かっこわるい。

2010.01.13

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