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新製品が出る度にまだ新しいカメラ買ってるの?

Piczoさんがあるインタビューで5Dを14年くらい使っていたというのに痺れた。ロンドンでCONTAX645買ったけどフィルム代が高くてデジに乗り換えたらしい。

逆に現在はフィルム機しか使っていないようだ。なぜならデジタルは毎回アップデートされるから持つ意味がないと判断したらしい。仕事のカメラは基本的に機材屋から撮影の度にレンタルしている。

この考え方にはとても同感で、毎年新機種が発売されるので今のデジタルはカメラではなくて家電になっている。(その現れとしてバッテリーを廃してUSB-C充電になっていたりする)フィルム時代の堅牢な作りでもないので10年使えるというものがほぼない。だとしたら買い替え前提になるので、もう買わずに全て機材屋から借りるかリースするほうがいい。コスト的にも。多くの職業カメラマンはこうなるだろう。

だが全てのプロがそのようになるとカメラは売れずにカメラ業界はますます厳しくなる。しかしこれまでもカメラを買うのはプロよりもハイアマの方々が占めているのでそこまで利益は落ちないと予想する。脅威となるのは一般・ハイアマ向けのカメラサブスクサービスくらい。お金持ちのハイアマは所有することを好むので。

実際僕自身も数年前から撮影案件での機材はほぼリースである。ライカ1台では撮れない案件が多すぎるので笑

ここでの問題は案件のバジェット。生々しい話だが10万以下のギャラの仕事では機材費は到底ペイできない。だから1本30万以上でかつ機材費が予算組みされている仕事をする必要がある。

というか14年使えるCanon5Dって改めてすごいな。もしかしてデジタル初期のカメラというのは、フィルム時代の作りを踏襲し過ぎているため、基盤を除いたボディ耐久性がフィルムカメラ同等になっているということはないだろうか。

なんかミラーレスって、家電的で弱い感じがする。

テストとして、Leica SL何年使えるか耐久レース始めてみようかと思っている。14年後だと、2035年。この時僕らの未来に、もはやカメラはあるのだろうか。

Piczoのエピソードは、新製品が出ても無理して買わなくていいんだよということを教えてくれる。もちろんカメラ好きは毎回買っていい。しかし写真好きや写真家は“べつに”買わなくてもいい。カメラの存在を消してロンドンのストリートや音楽カルチャーに入り込むことで彼は素晴らしい写真を撮った。素晴らしい写真を撮るためには、とりあえずカメラが1台あれば大丈夫なのだ。

カメラメーカーの人からはミラーレスも堅牢ですよとの反論はもちろんあると思う。でも僕は言いたいのは構造やスペックという実質ではなく、文化的で語義的でイメージの問題。

ミラーを“レス”してしまったカメラが、いち時代を築いた一眼レフという存在と言葉を駆逐することによって生まれる脆弱性。

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