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2023下半期ふり返り④おかあさんたちと

おかあさんコーラスとの日々

現在、指揮者を務める「おかあさんコーラス」合唱団が、4つもあります。
狙って増やしてきたわけではないのですが、ポツポツとご縁を頂き、気がつけば最多の部門に。ひと口に「おかあさん」とまとめるのは憚られるような、それぞれに輝く個性があるのです。

新たな出会い「城西ユングフラウ」

 ご縁あって、今年の5月からご一緒している「城西ユングフラウ」の皆さん。
 城西公民館を拠点に長年歌っておられ、コロナ禍でステージが悉く失われながらも活動を続けて来られました。私とは来年1月に初ステージ、2月にもステージがあり忙しくなりそうです。これまでの指導者が声楽家の方々ということもあり、合唱指揮者である私のやり方にはきっと戸惑いも多く感じておられると思いますが、めげずにご一緒して頂けたら幸いです。

コールモンタークと

 おかあさん部門で最も長い付き合いのコールモンタークは、今年大きな挑戦をしました。
 それは宮本益光作詩・信長貴富作曲「終わらない歌」に取り組み演奏したこと。
 二部合唱曲集「いのちの寓話」に収録されているこの曲は、合唱団がストーリーテラーとしての役割を果たし、「歌」にまつわる皮肉な物語を描いた楽曲。演出をつけてシアターピース的に演奏できたらおもしろいかもしれない、そんな楽曲です。(タイトルだけ聞けば平成のミリオンヒットJ-POPみたいなのになぁと思っていました。)
 音使いやリズムも決して簡単でない、そして何より歌詞を明瞭に語ることができないと、肝心のストーリーを伝えることができないこの曲。おかあさんコーラスお得意の艶やか・穏やかな楽曲ではない、会場の度肝を抜くような楽曲に挑もうではないか!…というわけで、モンタークの挑戦が始まりました。
 未熟な指揮者に激しく要求される日々…しんどかったことと思います。本当によく闘ってくれました。

 そしてこの楽曲を、10月6日の鹿児島県おかあさんコーラス合唱祭で披露。
 演奏が終わり、客席から多くの唸りが聴こえたとき、演奏者として大きな喜びを得たのでした。あの瞬間は本当に気持ちよかった。
 演奏後、とてもおもしろかったと目を輝かせて声をかけてくださる方々があり、しみじみと喜びを噛み締めたのでした。
 同時に、団員からも、このチャレンジをやり遂げた喜びの声がたくさん聴こえたこともとても嬉しく思いました。

 (難曲に長期間挑んだ反動で、12月の女性センター秋まつりでは「恋のバカンス」を軽快に披露。いろんな角度から合唱を楽しんだ今季でした。)

恒例の合唱祭。会場の度肝を抜いた、はず。

グリーンハーモニーいしきと

 伊敷台のおかあさんたち。ピアニストの本藏理恵先生が、この合唱団のことをとても気に入って下さっていて、あちこちにPRして下さったおかげで今季はメンバーが増えました。ありがたや。
 いしきの皆さんは、ハッキリ言って、本番に弱い。朗らかと繊細さを持ち合わせる彼女たちは、その繊細さゆえなのか、本番になると緊張にのまれてイマイチ力を発揮できないのがお悩みでした。
 ステージに慣れるには、ステージに立つしかない。どうにか機会を求めていたところ、今夏に宝山ホールのイベントに出演することが叶いました。その経験がとても大きかったようで、10月のおかあさんコーラス合唱祭では、初めて緊張にのまれずに!演奏することができました。これはとても大きなことなのです。この姿勢でこの先もステージに向かうことができれば、もっともっと魅力的な演奏を披露することができます。間違いなし。実際、11月の伊敷台福祉館まつりでは、早速堂々と演奏することができました。これからのグリーンハーモニーいしきを、益々お楽しみに。


伊敷台福祉館まつり。衣装も歌声も鮮やかに。

そよ風シンガーズと

 薩摩川内市東郷に拠点を持つ「そよ風シンガーズ」。元々は混声だったのだけど、コロナ禍を経て女声合唱団として再スタート。人数減で一時はどうなることかと思ったけれど、持ち前の明るさからか仲間がぐんぐんと増えて活動が再び充実、メンバーは変われど明るくいつも楽しそうな雰囲気は失われない、そんな合唱団です。
 彼女たちもコツコツと練習を重ね、定例の薩摩川内市合同文化祭「音楽祭」に出演しました。キャラクターの異なる3曲には苦労しつつも堂々と歌い上げてくれましたね。

 そよ風はいつも本当に楽しそうに歌います。
 彼女たちの歌声が作るこの空気はいったいなんなのだろう。会場まで一気に包み込むあたたかさ。何か派手なことをしているわけではないのだけど、他に類を見ない抜群のキャラクターを持つ不思議。これからもどうかそのままであって欲しいと願う指揮者であります。

名はそよ風、吹かすはあたたかい強風か。

息子か孫か

 おかあさん方から見れば、私なんて息子か孫かというような年齢なもので、どの団からも可愛がって頂いています。この冬はみかんをたくさん頂きました。美味しいです。
 同時に、この若造の、「指揮者」としての意志を日々尊重して下さっていることに、大変感謝しております。

 そのうちに、みんなでジョイントコンサートしても楽しそう。あ、でも私が大変忙しいことに…

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