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第75回鹿児島県合唱祭に出演しました

毎年恒例、合唱祭

 毎年、6月の初めの日曜日に宝山ホールにて開催される「鹿児島県合唱祭」。県合唱連盟主催のイベントとしては最大規模なのではないでしょうか。50を超える合唱団の熱演が朝から夕方まで響き続けるこのイベントに、6月2日、今年も混声合唱団こけけとともに出演してきました!

森山至貴作品にチャレンジ

 今回演奏したのは、
 ♪どのことばよりも(牟礼慶子作詩、森山至貴作曲)
 ♪この世界のぜんぶ(池澤夏樹作詩、森山至貴作曲)

 ここ近年、森山作品の持つ和声の色彩感にハマっている私。
 こけけにとってチャレンジとなるだろう「どのことばよりも」、こけけの若々しさや人を巻き込む明るさとガッチリ噛み合うだろう「この世界のぜんぶ」、そうした狙いで選んだ2曲は、まさにその通りの展開の中で、我々を成長させてくれました。 

日本語の色彩を大切に


 特に大きなチャレンジとなった「どのことばよりも」は、そもそものハーモニーをはめていくのになかなか苦労しました。そしてその上で、詩を成す日本語の発音はもちろん、色彩、温度や湿度などにもこだわって、限られた時間の中でチャレンジを続けました。細かい練習ばかりで団員は苦しかったかもしれませんが、私の細かく分かりにくい要求にも懸命に応え続けてくれました。 

らしくない!と、らしい!

 本番は、とにかく2曲のキャラクターを存分に描こうと思い臨みました。お客様も2曲のギャップに驚いたかもしれません。客席がじっと聴き入り、また楽しんで聴いてくださっている様子を背中で感じながら、嬉しさと共に終えることができました。

 ありがたいことに、合唱祭は録音をいただくことが出来ます。
 1曲目を聴いてみて…「らしくない…!」
 2曲目を聴いてみて…「らしい!」
 それが素直な感想でした。

 結成から16年、若さと勢いとユーモアだけを握りしめて駆け抜けてきたこけけ。
 
 そんなこけけ「らしくない」音楽が、「どのことばよりも」の演奏に満ちていました。未熟さはあれど、日本語の細部にこだわった部分がとてもよく活きていて、とても嬉しかったのです。丁寧で、素朴で、でも「一輪の薔薇が花ひらいている」ことへの静かな感激が確かに満ちていて…とてもとても良い意味で、これまでのこけけらしくない演奏でした。
 年月を重ねこけけが変わったのかと思いきや、やはり隠しきれない若さや勢いは「この世界のぜんぶ」で爆発!実に「こけけらしい」演奏で、若気の至りに満ちていたように思います。そう来なくっちゃ!笑

これでいいのだ、と思えたこと

 何せ未熟者の指揮者ですので、自分の音楽に自信なんてなかなか持てない。しかし今回のこけけは「その道はきっと間違ってないよ」と歌って示してくれた、そんな気持ちです。日本人だから、日本語の、特に共に現代を生きている作曲家の作品は大切に、こだわって演奏していきたいのです。今回少しだけ、霧中に光が差したような気がします。この路線を大切に、進んでみようかな。

御礼


 お聴きくださったお客様、機会を整えてくださった合唱連盟の皆様、そして共に歩んでくれたこけけのみんな、ありがとうございました。

苦労した手拍子も、喜びの象徴に


 


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