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2023下半期ふり返り⑥広島へ!コーラス・サミット

コーラス・サミット


 広島の合唱指揮者、縄裕次郎さんからお誘い頂きました。
「コロナによって断たれた若者たちの合唱のつながりを、改めて結び直したいんだ」と。その熱い思いに心打たれ、私はQとともに広島へ向かったのでした。
南は鹿児島から北は兵庫まで、熱き若者たちから成る合唱団たちが集った大イベント「コーラス・サミット」のお話。

縄さんと私


 広島でご活躍の、縄裕次郎さん。彼は私の少し歳上で、出会いはひろしまユース合唱団。2012-2013にかけて私も指揮者として機会を頂いた「人生の転機」とも言うべきこの公募・企画合唱団で、指揮者として協働したのでした。
 キャリアも実力も私の遥かに上におられますが、世代が近いことや彼の気さくなお人柄もあって、友人というかライバルというか、勝手にそんな距離感でご活躍を見つめておりました。
 かつては私の主催した「コーラス・エクスポin鹿児島2017」に、室内合唱団"零"を率いて来鹿、素晴らしい演奏を披露して下さったのでした。喜んで鹿児島に来てくださったことが本当に嬉しかった。

そんな縄さんからのお誘い。
今度は私が広島に向かう番だな、ということで賛同してくれたQとともに北上したのでした。

Q de Gozar


 このサミットには、福岡で活動するChor Gozar(コール ゴサール)さんをお誘いして、「Q de Gozar(きゅーでごさーる)」名義のジョイントグループで参加しました。ふざけてないです。
 Q単独で満足な人数が揃わなかったこともありますが、Gozarさんとは2020年に予定していたジョイントコンサートが中止になったままだったので、この機会にと手を取ったのでした。

 合同練習を重ねること数回、指揮なしのアンサンブルも可能なほどに、息の合ったチームになりました。アホな写真もみんなで撮れる。お互いのレパートリーを組み合わせたアラカルトプログラムを引っ提げて、いざ広島へ。

Gozarのポーズ
Qを表してみた。

シンポジウム

 このサミットでは、演奏会の前日に、地方の合唱について考えるシンポジウムも開催されました。縄さんのご指名で、私と、混声合唱団「花みずき」の指揮者・酒井さんがパネリストとして登壇、3人でやいのやいのと好き放題喋りました笑。
 集まった20〜30代の合唱人たちの前で、コロナも踏まえての現状や課題、特色など様々なテーマでとにかく語り合いました。はじめはどうなることかと思いましたが、とても面白い取り組みでした。大学合唱団や一般合唱団の抱える悩みや、うまくいった取り組みなどが共有されて、非常に実り多い情報交換の場となりました。

そして演奏会


 集まった11団体が、20分ずつの単独演奏でそれぞれに自分たちをアピール。曲目も声色も何もかもが様々で、本当にとてもおもしろい演奏会でした。
 私たちQ de Gozarは
 ・水汲み(髙田三郎)
 ・今、ここに(松下耕)
 ・おてもやん(熊本県民謡、若松正司編)
 ・合唱(信長貴富)
 の4曲を演奏。自分たちで言うのはアレですが、ジョイントとは思えない良いアンサンブルができたように思っています。QとGozarさんとの相性、とても良いです(片想いでないことを願う)。

Gozarレパートリーは指揮なしアンサンブルで。
良いチーム。また一緒に歌おう♪

新鮮な鑑賞スタイル


 この演奏会では、鑑賞スタイルに関して、おもしろい取り組みが採用されていました。スマホでの撮影OKを筆頭に、曲間での客席からの感情・意思表示の仕方や、QRコードを読んで即座に感想を送れるアンケートなど…私のような田舎者には実に新鮮で楽しい取り組みでした。新しい鑑賞スタイル。鹿児島でもどこかで試してみたいな。

実現した合同演奏

 縄さんは「できれば合同演奏したいんだよね」と当初から仰っていました。コロナ禍で最も遠ざかっていましたもんね。そうですよね!と賛同していたら、なぜか合同演奏の指揮者という大役を任された私。各地からステキな指揮者がたくさん集まっている中で大変恐縮でしたが、往年の名曲、大中恩作曲の「草原の別れ」を選び、僅かな合同練習を経て、演奏会の結びに演奏させて頂きました。若さに任せた演奏ではなく、非常に丁寧にあたたかく、決意に満ちた演奏をすることができ、感激のひと時でした。
(ちなみにもう一曲、信長貴富「くちびるに歌を」が酒井さんの指揮で熱演を成し遂げたことも併せてご報告。若者のエネルギーに満ち満ちた熱演でした。あの短時間でこの大曲をここまで高めた皆さんの力に脱帽!)

総勢180人の合同演奏。
ステージいっぱいに広がった若き熱き者たち。
この画がもうすごいよね。帰鹿後、あちこちにこの写真を見せて回りました。
合唱界、ここまで元気が戻ってきたよ!と。

圧巻の人数。そしてすばらしい実力と集中力。

ひろしまは思い出の地

 2011-2013、ひろしまユース合唱団に参加していた私。ここで師となる松原千振先生に出会い、縄さんはじめ多くの出会いがありました。後ろ2年間をユース現役世代の指揮者に登用して頂いたことは、まさに人生の転機と言える出来事でした。
 久々に訪れた広島の、しかも若者の合唱イベント。ひろしまユースのメンバーとして共に歌った、私の指揮で歌ってくれた仲間との嬉しい再会がたくさんありました。
 十数年もの時が流れみんなそれぞれに立派に年齢を重ねていて。指揮者として立派に演奏していたり、お子さんを抱っこ紐で抱えて歌っていたり、観客席で涙を流していたり。本当に嬉しい再会でした。思えば、Qで歌うふるちゃんやありちゃんもひろしまユースで出会った仲間。広島に若輩者の私は大きく背中を押して頂いたのです。広島は本当に愛しい。

私たちは確かにつながった


 開催に際して「コロナによって断たれた若者たちの合唱のつながりを、改めて結び直したいんだ」と仰った縄さん。このコーラス・サミットを通じて、確かに私たちは繋がりました。そしてここから始まる何かがきっとある。
 「それぞれの地域に帰ったら、ぜひそれぞれがこういうイベントを開催してほしい。そしたらもっともっと、つながってゆける。」そのようなこと(笑)を仰った縄さん。2024年、鹿児島で、おもしろいことができるかもしれません。こりゃ縄さんの思うツボだな。年明けに情報解禁です。楽しみにお待ちください。

 これだけのイベントを開催した合唱指揮者・縄裕次郎と、それを支えた合唱団ぽっきりはじめ運営の皆さん、熱き出演団体の皆さんとご来場くださった皆さまに、心から御礼申し上げます。

(縄さんとの写真がなかった…必ずまた会うだろうから、その時に!)

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